<span itemprop="headline">玉三郎の「鷺娘」</span>
10月の歌舞伎公演終わったばかりなのに玉三郎舞踊公演♪
「鷺娘」と「出雲の阿国」です。舞踊公演は高価で迷ってるうちに4階席とは、(;´д` ) トホホ
歴史的建築の「呉服(クレハ)座公演など何回も見逃している。
「鷺娘」は95年ウィーンのオペラの後に鑑賞してコレなら負けないと思った玉三郎ならではの舞踊。「阿国」はテレビ観賞はしたけれど生は初めてなので楽しみにしていた。
「鷺娘」は1762年初演、その後途絶えていたのを9世團十郎が復活した幻想的な美しい舞踊。真っ暗な舞台に隣の女性が「こんなに暗くしていいの?」と。暗いのには訳がある。
ぼんやり明るくなると白無垢、綿帽子の鷺娘が目に飛び込んでくる。 一面に雪がしんしんと降り続く景色の中、雪の池のほとりの柳の木のそばに、蛇の目傘をさしてたたずんでいる鷺娘。鷺と人間の娘の両性具有?の存在として描かれます。
妄執[もうしゅう]の雲晴れやらぬ朧夜[おぼろよ]の恋に迷いし我が心
(忍山[しのぶやま]口舌[くぜつ]の種の恋風が)
吹けども傘に雪もつて
積もる思ひは泡雪の
消えてはかなき恋路とや
思い重なる胸の闇
せめてあはれと夕ぐれに
ちらちら雪に濡鷺のしょんぼりと可愛[かわゆ]らし
恋に悩む女の苦しい胸のうちを踊りはじめて、恨みの心を見せる。
その後、後見が出て歌舞伎の見せ場、糸を引き抜いて白無垢から赤や、紫の着物にがらっと変わり、町娘の姿で華やかな恋心を、さまざまに表現していく。
引き抜きは皆さんよくご存知でしょうが場内はどよめく。傘の扱いもふわりとして新体操の手具を連想したものだ。やがては、恋に迷った娘は白鷺となり、地獄の責めの苦しさに羽をはばたかせ苦悩する。
白鷺の着物は羽の模様、肩から胸にかけて赤い傷口がのぞく。
苦悩のさまをみせていた白鷺も、最後には力尽き、雪の降りしきる中、息絶えて終る。
昔は宙乗りでやったり踊り手により二段で終わったり(台に乗りみえきって終わる)するが玉三郎は瀕死の鷺で舞台上で横たわる。
6代目菊五郎がアンナ・パブロワ来日公演「瀕死の白鳥」観て鷺娘に取り入れたと聞いた。玉三郎の演じ方に批判的な評論家もいたが鷺娘は息絶えたほうが美しい事この上ないと思う。
イナバウワーが話題になった時私は玉三郎の海老ぞりは前から有名なのにな、と思った。案の定、観客はイナバウワーといってたが。
歌舞伎はカーテンコールなどしないが玉三郎の「アマテラス」や勘三郎はこれがある。今日もいったん幕が降りた後、カーテンコールが何回かあり、皆さん、綺麗綺麗とため息。カーテンコールもちゃんと上手く余韻残しすぐ立ったりしない。
観客はさすが着物姿の男女も多かった。阿国歌舞伎は又明日に。