riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">石内尋常高等小学校 花は散れども</span>



http://movie.blogmura.com/

950円で前売り購入していた石内尋常高等小学校 花は散れどもを鑑賞した。公式サイトhttp://www.shindo95.com/



100歳も間近い新藤監督は信念の人である。

映画脚本240本、70年の作家活動、独立プロでたくましく、愛、エロス、戦争、平和を描き続けて来た稀有な監督・脚本家だ。

5社協で自社の俳優は他社に出演させない、監督も自由な映画が作れないなど古い体制の時代がありました。今でも本当に作りたい、見せたい映画を作るのは困難です。儲け第一ですから。つまらない、くだらない映画が多いというのはそういうところからきていると思います。

平和憲法成立過程描いた「日本の青空」
http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/17935129.htmlは映画館上映できないなんでおかしな話ではありませんか。

新藤監督は少ない予算でいかに自分の世界の映画を作り続けるかにかけてこられたと思う。セリフなしの前衛的な「裸の島」は550万円で制作。



最近では日本政府の棄民政策が鋭く描かれている大竹しのぶ主演の「ふくろう」(予算のため舞台のような映画でかえって私には好ましい)
ご自身の軍隊経験描いた「陸に上がった軍艦」(監督は山本保博監督)、に非常に感心した。
その記事はhttp://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/17934753.html

最新作は恩師に捧げる石内尋常高等小学校 花は散れども

冒頭から心をわしずかみされる。教壇で元気一杯の市川先生柄本明
居眠りする児童(いかにも純朴な生徒。大人になってからは六平直政が演じてるが適役)を叱りバケツ持って立っていなさいと罰を与える、しかしこの子は家族総出で台風に備えて一晩中稲刈りしていて一睡もしていなかった。祖母も明かり掲げて家族の仕事を助けたのだった。

それを聞くと先生の眼はみるみるうるんでくる。こんな温かい教師がいたのか。「すまん、わが輩は何も知らんもんじゃから、寝たまえ」と謝り
「百姓は、米を作って、麦を食っとるんじゃ」と言う。

この時代、威張り散らす教師も多かったでしょうに。
嘘をつかずまっすぐ生きる先生。子供たちに通じないわけない。



監督の分身、売れない脚本家は豊川悦司、監督は妻に先立たれ次の結婚をしていたのに乙羽信子も惚れ込んだ方だから。

先生の結婚式のために自習となるが心配した文金島田の花嫁川上麻衣子が自転車で飛んでくる。花嫁も教師。


子供たちとの修学旅行で遭遇した無声映画撮影シーンは爆笑もの。
この監督役、スタッフも有名俳優。劇中劇のようで楽しい。

しっかり者の生徒がのちに料亭の女将となる大竹しのぶ、うまいですねえ。
幸せいっぱいとはいえない彼女の気持ちがひしひしと伝わります。

定年退職した先生を祝う、同窓会には広島で被爆した生徒達が登場。
先生は小学校のすぐ近くに住むのだが、病気になって、切ないことになる。
その先生をいたわる元生徒達。誰にでも来る老いや病気だがこうありたいもの。

みんなで校歌、歌う場面が印象的です。

監督は「原爆の子」も制作されたが原爆がさく裂した瞬間も描く映画を作りたいとおしゃっている。応援します。


以下は引用です。
 「気力は十分だと思っている。22歳で映画界に入った時のような気分です」。撮影の合間、年齢を感じさせない熱のこもった言葉で、新藤監督は映画への意欲を語った。

 理想の教師像を追求した作品は、原爆をテーマにした映画とともに、念願の企画だった。

 「子供が家庭を出て、最初に飛び込む社会が学校です。その時に、親や兄弟とは違う存在として、教師と出会う。映画のモデルとなった恩師は、『人間はみな出世して、偉くなるわけではない。正しく生きるのが一番だ』と語ってくれた。平凡だが、素晴らしい一生を過ごした先生の生き方は、私の人生に強い影響を与えた」
 
ウィキペディアより
苦労されて溝口研二監督の内弟子になり、シナリオを1本書いて溝口に提出するが、「これはシナリオではありません、ストーリーです」と酷評され、自殺を考える程の大きなショックを受ける。スクリプターをしていた内妻の励ましで奮起し劇作集を読みあさり再出発を誓う。この内妻は結核に罹るが、貧しさのためろくに栄養をつけることができず死去。このことは後の初監督作品『愛妻物語』で描かれる。