riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">パリ郊外のフジタのアトリエ2</span>



 

興味深々の猫の目でしょう、ネコの闘争の絵も人間の闘争の絵も描いた藤田嗣治。特に女性の肌の乳白色は有名ですね。

これはフジタが使用した洋裁道具。

昨日、マイケル・ジャクソンゴースト観て、 ショーン・ペン主演のミルクと同じく、差別や偏見と闘う優れた映画だと感心して、このフジタの記事と二つ下書きしていました。

また楽天にも親友翻訳の記事をアップしなければなどとやってるうちに非公開にするのを忘れてしまいました。


納屋だった建物を改装したのでこじんまりとしていて天井も低く、とてもつつましい感じなのです。
ロダン美術館などとは大違い、日本に棄てられたと言っていたフジタ。
どんなに日本が恋しかったでしょう、フランス人になってしまったけれど。
美空ひばりのレコード!


 

これは最上階のアトリエ、妻も入れなかったそうです。
説明が懇切丁寧。ここでは日本語のテープを回してくれます。
日本の美術展で沢山の筆や日本手ぬぐいを見てうるっときたぐらいです。

歌舞伎のかつらやミシン、手書きのラベルの付いた瓶いくつかあります。

ビストロ用アラビアゴム、もち粉、ぬか、豆汁素、セメント、紅柄、染塩など。

先日はパリ南郊外のフジタのアトリエ、道路側からの写真と受付の建物、庭の薔薇をアップしました。



内部は撮影禁止です。ランスのフジタのフレスコ画のある礼拝堂にもバラが植えられていましたが内部はやっぱり撮影は出来ません。

ランスの有名な大聖堂の脇のインフォメーションにはフジタのパレットなどの展示がありましたのでランス編で載せますね。

ちょうどランス美術館でフジタの特別展があったのです!

以前は欧州の美術館は撮影OKでしたがオルセーでもOKな所とNGの場とあり、あわてているとその表示を見逃しそう。

時にトワルドジュイ美術館などほとんど一人見学だったのですがひょっとしたら禁止の場もあったかもしれない。

藤田嗣治は色々誤解されていた方です。あのトレードマークのおかっぱ頭も批判されたのだそうです。
パリで脚光浴びるまで貧しくて自分の髪もセルフカット、ミシンも木工なども出来てこのアトリエにある愛らしい箱や、半纏、妻の服、うちわ、衝立、家や礼拝堂の模型、額、なども自作なのです。


 

ピカソモディリアーニなどと交流があり、華やかに見えます。
フランス文学翻訳者の朝吹さんの本にも写真が載っています。
きっとやっかみですね。あの絵は一目でフジタとわかりますから。

人間にはうぬぼれがないと生きていけないそうですし、成功した人をねたむ気持ちもあります。




藤田のドキュメント番組で、藤田一人に戦争画の責任を取れと迫った画家がいたことを知り憤りました。藤田はそれを受け入れて日本を去りました。
藤田嗣治ある異邦人の生涯読むとそのあたりが詳しくわかります。

この本の口絵、アッツ島玉砕」を観れば、戦意高揚なんかでなく、戦争の悲惨さが一目でわかります。中央の花が写真ではわからないので確かめたいです。
戦争画の展覧会でさい銭箱が置かれたというのでまたしても天皇のために喜んで命を捧げよというように利用されたのだと思います。

友人の前衛画家によると、画家は嫉妬深いそうです。
同じ事をしていないと評価されないとか!

フジタは初めてヨーロッパで評価された現代の画家でした。


 
キッチンには日本の電気釜や骨董市で買った台所用品などがあります。
居間の戸棚はスペインのアンティーク。

御自分で家の中描いていますがその絵と実物は雰囲気が違います。



 

オランダのタイル、かけている部分はご自分で色塗り。シニカルな天使の衝立などもあります。

庭側から写した写真は借り物です。説明の方が張り付いていて(笑)

 
事務所からちょっとだけ歩いてアトリエに行くのですがそのたびにアトリエは施錠。

ここの若い男女の学芸員には大変お世話になりました。

土曜日、日曜は予約なしで無料で見学できますが交通の便が悪くて土・日はバスもないかもしれません。


 
御自分のズボンのミニチュアまで作ってあるのです。
日本の美術展で観たステンドグラス付き礼拝堂の模型には大感動しました。その時の記事はこちらレオナール・フジタ展

藤田嗣治手しごとの家からも写真御借りました
 
これは東京での制作風景、こういう姿も私にはぐっときます。

追記


昨年5月くらいから最寄駅からの路線バスが廃止!?
『パリ市内からタクシー利用を勧めます。公共の交通機関で来るならその勇気をたたえるが、あまり利口な選択とは思えない。無事を祈る。』とメールが来たそうです。

ここ数年で作家の城山三郎の書斎、杉本健吉いわさきちひろ三岸節子などのアトリエをみました。フジタの場合はフランスにあるということもあるのか、松坂屋美術館での再現もふくめて一番感激しました。