riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">「もんじゅ」で今何が起きているのか?後藤政志氏/ニュースアンカー</span>

 
もんじゅ」で今何が起きているのか?
 
 
特集は、福井県にある高速増殖炉もんじゅ」です。
去年8月に起きた装置の落下事故で、手がつけられない状態になっています。
ようやく今週にも装置を引き抜く工事が行われますが、なぜ、これほど時間がかかっているのでしょうか。
かつて、「夢の原子炉」と呼ばれたもんじゅの現状を取材しました

原子力機構・鈴木篤之理事長(去年)】「申し訳ありませんでした」

福井県敦賀市長に頭を下げる、原子力機構の理事長。
去年8月、研究を行うもんじゅの原子炉内で装置が落下した事故の謝罪に訪れたのです。
もんじゅは、使用済みの核燃料からプルトニウムを取り出して、再び燃料として使おうという「高速増殖炉」です。
資源の乏しい日本にとって「夢の原子炉」だと期待されていました。

 

1995年には本格運転を行う予定でしたが、ナトリウム漏れ事故を起こして運転を休止。
長い空白を経て、去年、14年半ぶりに試験を再開した矢先に装置落下事故を起こしたのです。

 

インターネット上では、「福島第一原発よりも危ない」などの書き込みが相次ぎ、もんじゅから出る水蒸気を見た人からは「爆発ではないか」とするデマまで流れました。

【記者リポート】「もんじゅの内部では、作業員が懸命に作業を行っています。今、もんじゅに何が起こっているのでしょうか」

もんじゅ・中西征二特別広報監】「燃料交換装置を引き抜こうとしたんです。そのときに上の部分を十分つかみきれず、落下してしまった」

 

原子炉内の燃料棒を運ぶための装置をつりあげる際、つかむ部分のネジが「設計ミス」のため緩み、重さ3.3トンの装置が落ちたのが、今回の事故です。

引き抜こうとしても、衝撃で装置が変形したため途中でひっかかり、これまで2度、失敗しました。
原子炉は冷温停止状態ですが、引き抜き作業は10ヵ月もの間、中断したままです。

手が付けられない理由は、高速増殖炉では炉を冷やすのに、水ではなくナトリウムを使わねばならないからです。

 

もんじゅ・中西特別広報監】「ナトリウムは空気中の酸素や水分と反応しやすい。ヘタをすると燃えてしまう。普通のナトリウムは放射能を持っていないが、炉心を通る間に放射能を帯びているので人間にあたるとまずい」

また、元原子炉格納容器設計者は、高速増殖炉はそもそも実用化が難しいと指摘します。

【元原子炉格納容器設計者・後藤政志氏】「極めて危険な原子炉のところで、極めて危険な流体(ナトリウム)を使う。そうすると絶対に漏れてはいけない。そんなことは不可能」

 

「(高速増殖炉は)ものすごくリスクが高い。核大国のフランスもアメリカも撤退した」「機械がちょっと壊れてひっかかっているだけの話なのに、何もできないなんて『設計』じゃない」

地元の人はどう考えているのでしょうか?

【地元の人】「怖いね、何かあったらどうなるのかと」「凡ミスがあったらダメ、ああいうところは。国の産業のためにやっているから、頭からダメとは言わないが、お金の使い方としては、どうにかならないのか」「心の中の不安はありますが、日本に資源が入らないとなると、(核燃料を)再利用していかないとダメじゃないかな」


落下した装置だけを引き抜くのは難しいため、もんじゅでは装置が入る筒ごと引き抜こうと、十数億円かけて工事の準備作業が進められています。



原子力機構は、装置についたナトリウムが反応して燃えないよう、包み込む筒に空気が入らないガスを入れていて、安全に引き抜けると説明しています。

 

高速増殖炉研究開発センター・近藤悟所長】「みなさんにお約束していますが、安全最優先でやっていきます。『何かあったら立ち止まる』というのが基本的な考え方です」

これまで9000億円を超す事業費をつぎ込み、実用化は40年も先という「夢の原子炉」もんじゅ
引き抜きが成功しても、今後のあり方についての議論が必要になりそうです。
ニュースアンカー

「核抑止力に相当するものをもんじゅによって日本は持っている」
TBS「News23
 
プルトニウムは軍事転用も可能なので)
「外交上の隠れたパワーになっている。
核抑止力に相当するものをもんじゅによって
日本は持っているという側面があることは確か」
(元原子力委員会委員九州大学大学院吉岡斉教授)
エネルギー資源のほとんどない日本にとって、資源が増殖するという
夢のような技術が喉から手が出るくらい欲しいのはよく理解できる。
しかしそれは原理的に可能というだけであって、
実用化できるかどうかは別の問題だ。
そして技術的に極めて困難であることは、
日本を除く先進諸国が増殖炉から早々と撤退したことからも分かる。
それでも尚、日本が高速増殖炉を推進したいいくつかの理由がある。
一つは、資源の乏しい日本にとって極めて魅力があるということ。
しかも“国産”のエネルギー源となる。
また、“クリーンエネルギー”などと称して、原発の増設を進める鳩山政権にとって、
核燃料サイクルの確立は急務の課題でもある。
原発の国内での増設だけでなく、海外への原発“売り込み”においても、
高速増殖炉や再処理技術の確立は急務を要する。
この間、海外への原発の“売り込み”において、韓国やロシアに
“敗北に次ぐ敗北”を喫している日本は、
使用済み核燃料の引き受けなどの、“売り込みサービスセット”などをも
“セット販売”しないとロシアやフランスとの販売競争に勝てない。
そういう観点からも、もんじゅ再開を急いだのだ。
更に、元原子力委員会委員九州大学大学院吉岡斉教授の述べているように、
プルトニウムを大量に保持しているということは、
潜在的核兵器保有国であるということでもある。
宇宙ロケットという名のロケットは、大陸間弾道ミサイルに転用可能であり、
プルトニウム処理技術は、いつでも核兵器への転用可能を意味する。
日本の技術力をもってすれば、いつでも好きな時に、長距離核ミサイル所有国となれるのだ。
もちろん、現在の日本は、内外の諸事情により、核兵器保有国にはなれないが、
国際情勢の緊迫化や、国民意識の変遷によっては、
“いつでも核兵器保有国”になりうるのであり、
そういう潜在的核兵器保有国ということは、
現在でも国際政治においては、「外交上の隠れたパワー」となっており、
鳩山政権もまた、自民党政権と同様、そういう“カード”を保持しておきたいのである。
潜在的核保有国であり続けるためには、
大量の兵器級プルトニウムを所有していることに対して、
国際社会に対する“口実”が必要なのであり、
もんじゅ廃炉にすると、その“口実”がなくなってしまう。