riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">井上ひさし・藤原竜也「木の上の軍隊」</span>


 
昨日は県美の「プーシキン展」
友人から又頂いたチケットで市美術館の上村松園
 
水谷一子針金アート展に行き、デパートも一寸見てから、
 
井上ひさしの「木の上の軍隊」を鑑賞という無謀なことをして、帰りの地下鉄ではついに気持ち悪くなりました。
 
以下の番組見逃してしまったのですが
 
番組では井上さんの死後、父の遺志をついで「木の上の軍隊」実現に奔走する娘と、井上さんが最も信頼を寄せていた演出家・栗山民也氏、若手作家の蓬莱竜太氏の創作の過程に密着。舞台の映像も交えながら、劇作家・井上ひさしさんが最期に伝えようとしたラスト・メッセージを探る。
NHKスペシャル『父の遺言~井上ひさし “最期の作品”~(仮)』」
2013年5月4日(土) 21:00~21:49 NHK総合で放送
 
ぴかちゅうさんの感想舞台中央にはガジュマルの大木の舞台装置がかなりの傾斜度で据え置かれている。アメリカ兵の掃討作戦から逃げて樹上に身を隠し、夜に下に降りて食料を調達するという日々を送る二人の兵隊。
本土からの軍人が上官(山西惇)で、島の志願兵が新兵(藤原竜也)。これは実話の二人の関係とは違うフィクションだが、その二人のやりとりで日本と沖縄の関係があぶり出されてくる。ガジュマルの精(キジムナー)の存在は沖縄では身近なもののようで、それを語りの女(片平なぎさ)として配置したことで彼らの心の声が代弁される。


舞台上にはヴィオラ奏者がいてBGMの三線の音とともに物語を彩る。語る女はチラシではドレスになっているが、沖縄の庶民の女の着物姿で髪を巻き上げて止めた姿が美しく、物語の中の音として「アー」と「オー」の中間のような声を長く発することがあるのだが、綺麗な声でそういえば片平なぎさは歌手だったっけと思い出す。
軍隊の上下関係をきちんと守ってしゃべっている時は二人とも標準語だが、新兵が本音でしゃべる時は沖縄の言葉のイントネーションになる。その藤原竜也の力まずに沖縄風にしゃべるのが耳にやさしかった。


上官が指揮していた隊の兵たちはみな撃ち殺され、昼は相手の野営地を観察しながら息を潜め、手持ちの食糧や夜に下に降りて死体をあさって得たものを少しずつ食べるが餓えにさいなまれる。
米兵の荷物にもやがて手を出すようになり、ある日の野営地のパーティで上官だけは終戦を悟るが新兵にはそれを伝えない。
野営地のごみ捨て場で拾ったものを平等に分けていたのを嗜好品はとってきたものが優先だとかなんとか上官が言い出す我がままやら、雑誌のグラビアのヌード写真で自慰をすることから艶話になったりするところでしっかり笑いをとりつつ、二人の人間性をあぶりだす。
米軍の野営地がどんどん大きくなっていくのをじっと見続けるスタンスの違いもあぶりだされる。新兵は上官がこの島が変っていってしまうのが悲しくないでしょうと鋭く指摘する。続きは上のサイトにとんでください。
 

藤原竜也、彼にあて書きされた「ムサシ」はテレビ鑑賞でしたが傑作。争うことの愚かさ。
藤原君の舞台は人気が高く今までも観たいと思っても完売などで生では初めて。
井上作品も演劇鑑賞会止めてからはほとんど見られず残念な思いしていましたが。今回は来てくれました、ありがとう!
 
藤原君は「この脚本に必死で食らいつき完成させお客さんに届けるだけだと思う」
頼もしいですね。
右はドラマ相棒の結構出来る課長役で御馴染 山西惇
 
大河ドラマや舞台アンナ・カレーニナにも出ているんですね。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
この話は沖縄伊江島での実話をもとに書かれました
伊江島のことは阿波根 昌鴻(あはごん しょうこう 1901年3月3日 - 2002年3月21日『米軍と農民 沖縄県伊江島』(岩波書店、1973年)を随分前に読んで知り尊敬しています。
沖縄県本部町に生まれる。17歳でキリスト教徒となり無教会主義に強い影響を受ける。成人して伊江島へ渡り結婚。1925年キューバ移民。その後、ペルーへ移り1934年に日本へ帰国。
帰国後は京都沼津で学び、伊江島に帰った後はデンマーク式農民学校建設を志し奔走する。建設中の学校は沖縄戦で失われ、一人息子も戦死する。敗戦後、伊江島の土地の約六割が米軍に強制接収された際、反対運動の先頭に立った。「全沖縄土地を守る協議会」の事務局長、「伊江島土地を守る会」の会長を務め、1955年7月から1956年2月までのあいだ、沖縄本島で非暴力による「乞食行進」を行い、米軍による土地強奪の不当性を訴えた。
 
沖縄は江戸時代には薩摩藩による搾取(サトウキビ)、明治から今も本土の犠牲になっていること。これで良いのか、本土だって一見勇ましそうに改憲を叫ぶ輩がいて危ない昨今。このままで良いのでしょうか。
占領されているのに二人の日本兵は飼育されているかのように太ってきてと笑いを取りながら
上官「この島は終戦の時間稼ぎに意味の無い戦場にされて犠牲になった事を知ってた」
 
井上ひさし「二人の兵隊が木になったらいいんだけどね」と謎の言葉
伊江島の島民は米軍との戦闘で1500人も死亡
 
集団自決(自決と言っても日本軍にそう仕向けられていて親が子を、子が老親に手をかけたのです。私も沖縄でガマと言われる真っ暗な洞窟に行ってきました)の現場も訪れていた井上さん
 
普段から米軍基地の存在で危険な状況の沖縄
 
伊江島の3分の1を占める米軍基地、金網が延々と続いて米軍機の爆音がとどろきいつ間違って墜落してくらかするかもしれない。現実に事故は今までに何回も起きている。
 
上官は本分を忘れていると批判する沖縄出身の新兵。
二人の魂は木にとどまりオスプレイを見ている?何も変わっていない沖縄を観続けなければならない…
 
ビィオラ徳高真奈美とか片平なぎさの声も良かった~
井上ひさし「二人の兵隊が木になったらいいんだけどね」
 
追記
一枚目の画像左側は熊谷守一の猫のキーホルダー、県美に寄贈された木村定三コレクションより