<span itemprop="headline">日本のマザーテレサ如月の華九条武子ものがたり</span>

何年ぶりの前進座公演観劇でしょう。前回は2008年の「法然と親鸞」

信心なく浅い知識だけど世界的な宗教の元々の教えは万民平等、非暴力、慈悲、愛に尽きるのではないだろうか。女性蔑視もない。

九条武子は京都女子大を作り、関東大震災の被災者救援に42年の短い生涯をささげた人。

その時彼女の歌集の印税でつくったあそか病院は今もある！

久々に舞台見ながら泣けて困りました。

貧しいゆえに盗みを働く女性、少女も登場しますがこのお姫さんはわけ隔てをしない。

関東大震災で築地本願寺は崩れることはなかったがもっと恐ろしい火災が起きた。油断し逃げ遅れた武子は、炎の中地割れに落ちてしまう。

その時一人の老人が現れまだやるべきことがあるだろうと助けられる。

阿弥陀様に生かされてると悟る武子。

翌年の初冬日比谷公園本願寺震災救護班のテントに割烹着姿の武子がいた。

歳末無料巡回診察も始めた。

不幸な少女や女性のための厚生施設六華園なども設立。

昭和3年高熱を発し生母や夫、兄、宗門の人、長屋の人に見守られて

南無阿弥陀仏の唱和の中浄土に旅たっていったのである。

惜しいことにこの震災のどさくさに労働組合員や大杉栄・伊藤野枝・橘少年（名古屋覚王山に橘少年のお墓があります。）や罪のない朝鮮人が井戸に毒を入れたとして多数虐殺されたことは話されなかった。

子供の時に見た「蟻の町のマリア」を思い出しました。彼女もやはり貧しい人に献身的に尽くし28歳という若さで亡くなっている。

北原怜子（きたはらさとこ、1929年 8月22日 - 1958年 1月23日）は、キリスト教の教義に基づき献身的な活動を展開した社会奉仕家である。「蟻の町のマリア（ありのまちのマリア）」とよばれた。東京都出身。

西本願寺第21代法主・明如（大谷光尊）の次女（母・藤子は光尊の側室で紀州藩士族の子女）として京都で生まれる。義姉・大谷籌子裏方（大谷光瑞夫人）を助けて仏教婦人会を創設し、1911年（明治44年）、籌子が30歳の若さで早世の際は本部長に就任、同会運営の重責を果たした。

幼い時はおてんばでお茶目ではあるが生母を母と呼べず哀しい思いをしたようです。

のちの京都女子大。

東山七条、京都府博物館の前の坂を上るとある女子大

キリスト教系の女子教育機関はあったが仏教系にはまだなかった。

パンフの最初に武子により発表された女子大趣意書読んで不覚にも

うるっと来てしまった。

前略

おおよそ、国民の開発といわば、男女ともにすべきが言をまたず

しかして開発はもとより教育にまたざるべからず。つらつら現今教育の設備ェ瘀見るに、男子に厚くして、女子に薄きことなきか

後略

男女不平等が当たり前の時代。

妻妾同居、女に学問は要らない、妻をなぐっても当たり前。

女に財産は渡らないなどなど

花子とアンで俄然脚光あびた柳原白蓮は武子の先輩歌人

白蓮は平民出身の美智子さんが皇太子妃になることを執拗に反対した。彼女も武子も正妻の子ではないのに。ここは不思議。

武子は才色兼備としてもてはやされ、柳原白蓮（大正天皇生母・柳原愛子の姪）、江木欣々とともに大正三美人と称された。

私生活では1909年（明治42年）、公爵家出身で正金銀行勤務・男爵九条良致（くじょう・よしむね）に嫁いだ。

武子は結婚後、良致の勤務先兼留学先（ケンブリッジ大学）・ロンドンに随行したが、渡英1年半で武子が帰国・良致はそのまま英国滞在という別居状態が十数年続いた。これには美貌・教養・家柄（大谷家は伯爵家）の誉れ高き武子に、良致がなじめなかったからではないか等、夫婦不和の憶測もあったが、武子は離婚どころか浮いた言動一つとらず、良致の帰国をひたすら待ちつづけた。1920年（大正9年）年末に良致が帰国し、夫婦同居が実現、武子・良致の間に子はなかったものの、関東大震災などを経て、武子自身の死までよき夫婦関係であったと伝えられている。実際には武子には幼なじみで秘められた恋人がいたが、表に出す事はなく、死ぬまで聖女としての姿を通した。Wikiより

武子の夫の不在が10数年とは、謎です。

白蓮と違い武子は帰国した夫と平穏にくらしたようです。

青踏の平塚らいてう・伊藤野枝

鹿鳴館の華から障害児教育に捧げた石井筆子など立派な女子もいる物である。

ドキュメント映画「無名の人」と常盤貴子主演の「天使のピアノ」に描かれている。

エリートの女性でなくとも女工さんで勇気振り絞りで組合運動した女性などなど。学ぶべき女性たちです。

浄化される舞台でした。

追記

肝心の武子の歌を載せていませんでした。

おおほひなる

もののちからに

ひかれゆく