riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">演出家 坂手洋二さん  ズバリ的中している言葉です。坂手氏のブログから『日本のジャーナリズムを殺したのは「平和国家日本」を消滅させた安倍である』</span>



イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件は、拘束していたジャーナリストの後藤健二さんとサジダ・リシャウィ死刑囚(ヨルダンで収監中)の交換期限とした29日日没(日本時間29日深夜)から2日以上が過ぎ、膠着状態と思われていた。
1月31日深夜(日本時間2月1日未明)、「イスラム国」は後藤さんが殺害される様子を映したビデオ映像を「日本政府へのメッセージ」としたインターネット動画サイトに公開した。
後藤さんとみられる男性がひざまずき、横にはナイフを持った黒ずくめの男が立っているという。
英語で、安倍政権のこの間の動きを批判し、日本が「イスラム国」と戦う連合に参加したことを理由に後藤さんを殺害すると語り、最後に後藤さんの首にナイフを突きつける場面で映像が暗転。その後、男性の遺体が映し出されているという。
映像の左上には、「イスラム国」のメディア部門のロゴが映し出されていることから、信憑性は高いという。
動画の中のメッセージは以下の通り。

「日本政府よ。
邪悪な有志連合を構成する愚かな同盟諸国のように、お前たちはまだ、我々がアラーの加護により、権威と力を持ったカリフ国家であることを理解していない。軍すべてがお前たちの血に飢えている。
安倍(首相)よ、勝ち目のない戦争に参加するという無謀な決断によって、このナイフは健二だけを殺害するのではなく、お前の国民はどこにいたとしても、殺されることになる。日本の悪夢が始まる」

直後の会見で安倍総理は強い口調で「政府として全力で対応してきた」と言うが、それは本当だろうか。アメリカ政府に「身代金を払うな」と言われて逆に安心して対応をサボり、ヨルダン政府に甘えてきただけではないか。もちろんヨルダン政府にはいかなる瑕疵もない。事態が膠着していたのではなく、日本政府がちゃんとした外交策を持っていなかったのは、誰の目からも明白である。解決に向かわず、かの地にいろいろなパイブを持つ人たちを遠ざけてきていたことも、既に知られている。
安倍総理は「非道、卑劣きわまりないテロ」というが、彼らを挑発したのは日本側だ。

イスラム社会で言えば、安倍総理イスラエルと手を組むことを世界に宣言したことが決定的だった。
パレスチナ人民は、決してテロリストではない。
パレスチナの一般市民に対する空爆を繰り返す国際法違反のイスラエルこそ「テロ国家」なのである。それは最大の親イスラエル国であるアメリカに逆らえない日本以外の国々が基本的にコンセンサスとしていることである。
報道によれば、イスラエルのネタニヤフ首相は今年になって同国がパレスチナ自治政府のために徴収している税金の送金を凍結することを決めた。イスラエルは1990年代にできた取り決めで、パレスチナが課す関税などを代行徴収し、毎月送金しており自治政府の重要な財源になっていた。凍結を決めたのは次回の送金分約5億シェケル(約150億円)で、自治政府職員の給与遅配などの影響が出る。
イスラエルの非情な収奪は、パレスチナ国際刑事裁判所(ICC)加盟手続きを進めたことへの報復措置だという。空爆などだけではあきたらず兵糧攻めにしているのだ。
パレスチナ自治政府のアリカット交渉責任者は送金凍結について、「パレスチナの財産の白昼における強奪であり、政府ではなく海賊が行うにふさわしい行為だ」「これは戦争犯罪であり、われわれがICCに加盟申請したことの正しさを証明するものだ」と激しく非難している。
日本政府による「人道的支援」というなら、反「イスラム国」の「間接的軍事後方支援」に二億ドルを支払ったりするのでなく、例えば困窮するパレスチナの生活者たちをこそ救うべきなのだ。
しかしイスラエルを訪問した安倍総理は、最悪の演説をした。
外交については殆ど幼児に近い。パレスチナ自治政府に対して、国際司法裁判所に提訴するという公明正大かつ合法的な手段を、不穏当だとした。
安倍総理イスラエルで、ユダヤ教のキッパを被ってのお祈りなど公開し、経済連携強化を宣言し、「イスラエルと日本は同盟を組んだ」ととられても仕方のないだけのことをした。
これはそもそも日本国憲法の「政教分離」に反している。
政府は先の1月9日の閣議で、総理大臣の靖国神社への公式参拝について、「宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、憲法の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」などとする答弁書を出したが、これを理性ある人は詭弁と呼ぶ。
戦没者の追悼」を宗教と切り離して行うなら、神社以外の別な方式を設けるのが世界的な常識である。
総理大臣に私人としての信教の自由が保障されているとしても、公職の立場でユダヤ教のキッパを被ってお祈りするような宗教的な行いは断じて許されるべきではない。避けるのが筋である。
そうしてこの国はあからさまにアラブのイスラム教徒を自分から敵に回したのだ。あの瞬間日本はテロの対象国への道を一気に推し進めた。
安倍総理は「国際的なテロへの取り組み」というが、「反パレスチナ」を表明した以上、イスラム社会に対して宣戦布告をしたのは、どう言い逃れをしようと、安倍総理の方なのである。
安倍政権は「テロや暴力に屈しない」という言葉を軽々しく使うが、パレスチナイスラエルへの反撃を「テロ」と認識する国は極めて「政治的」な判断の上でそうしているだけである。
岡村善文国連次席大使の国連総会での「イスラム国」への宣戦布告がそれに追い打ちをかけた。

防衛省は日本の防衛関連企業から武器を購入した開発途上国などを対象とした援助制度の創設を進めようとしている。武器購入資金を低金利で貸し出すほか、政府自ら武器を買い取り、相手国に贈与する案も出ている。政府開発援助(ODA)とは別の枠組みだ。
これは、日本の戦後の平和を保ってきた武器輸出三原則を損なうものであり、いますぐにでも武器輸出を原則認める防衛装備移転三原則をこそ破棄するべきなのだ。
日本を「戦争ができる国」にしようとしている現政権の舵取りは、世界中が承知しているところだ。

安倍総理は今朝も「テロリストを決して許さない。罪を償わせるために国際社会と連携していく」と言っているが、空疎で無内容なのは今に始まったことではないが、翻訳されて世界に配信されることを考えてほしい。これはさらなる戦争宣言である。
そもそもこの事件の発端は、安倍総理こそが「「イスラム国」がもたらす脅威を少しでも食い止めるため」「「イスラム国」と闘う周辺各国に支援を約束する」と言ったことなのだ。「イスラム国」は「戦争」を仕掛けられたと解釈したのである。
そもそも「イスラム国」は、「イラクの聖戦アルカイダ」が前身であり、アメリカが仕掛け日本が支援したイラク戦争から生み出されたのだ。
テロとの戦い」などという言葉には何のリアリティも実態もない。安倍のエジプトでの演説も、日本がアメリカの尻馬に乗り、イスラム社会への差別を深め、シオニズムに与したと受け取られたというだけのことだ。
ほんとうに迷惑だ。これから日本人の海外活動は著しく妨げられる。中東に関わる友人たちの命に関わる。

安倍政権がこの件を集団的自衛権行使実行に結びつける? そんな屁理屈は通るはずもない。断固として拒絶すべきである。理性あるジャーナリズムの皆さんには、うかうかそうした論議に乗っからないでもらいたいものだ。

とにかくはっきりしているのは、ジャーナリストとして自立した活動を保障されるべき後藤健二さんを殺したのは「平和国家日本」を消滅させた安倍政権であるということだ。
日本のジャーナリズムを、日本という国が殺したのだ。
外交力ゼロも罪だが、日本を戦争当事国にしてしまった政権の罪は、かつてないほどに重い。
引責辞任は当然のことである。
そしてこの国が憲法に従い、ほんとうに平和を望むなら、国としての軌道をただし、日本が「平和国家」であり続けることを一刻も早く世界に示すしかない。

後藤さんについての報道への批判など世間は喧しいが、そうしたことよりも、安倍政権が既に何十個目かの、ほんとうに致命的なミスを犯したことを明確に認識すべきだ。

これらは私の「私見」ではない。世界の目はそう見ているはずだ。

悔しさと虚しさに耐えながら記す。
「国」の都合で失われていい命など、ない。


転載元: 北海道は素敵です!!