riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">「住民の同意なしに米軍基地をつくるのは”違憲”である」 憲法学者が沖縄で辺野古基地新設に警告</span>


2015年3月31日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた憲法学者・木村草太氏の講演会。普天間基地辺野古移転問題に関して同氏は、「住民の承認がないと基地建設はできない」とし、「国会、国民を巻き込んで辺野古新基地建設を議論してほしい」と訴えました。
※このログは沖縄タイムスの記事(憲法学者・木村草太氏の講演会「憲法と沖縄~戦後70年の内実を問う」)を転載したものに、ログミー編集部で見出し等を追加して作成しています。

【スピーカー】
憲法学者 首都大学東京准教授 木村草太 氏

【動画もぜひご覧ください!】
憲法学者・木村草太氏の講演会

辺野古新基地建設問題について

木村草太氏(以下、木村):なぜ今、沖縄で憲法を語る必要があるのか。それは辺野古新基地建設問題があるからだ。日本国憲法のもとで、この国は約70年間運営されてきたが、この問題について憲法の角度からアプローチすることは、辺野古の住民だけでなく、沖縄や日本にとって、憲法をどう使っていくのが一番いいのかを考える非常に重要な機会になると思う。

辺野古新基地建設問題については、行政不服審査法というあまり聞いたことのない法律が、新聞紙面をにぎわせている。そのほか、さまざまな分野の法律に基づいて、埋め立ての承認や、岩礁破砕の議論が進んでいる。

ただ、この問題の全体を指導する基本原則が何なのかという議論も必要だ。そもそも、新基地建設に賛成の方も、反対の方もいると思うが、どうも進め方がおかしいのではないかというのを双方が感じているように思える。

新基地を造るための法的根拠

辺野古について考える際、そもそも米軍基地を造りたい場合にどうするのかが問題になる。日本は法治国家なので、何か国が行為をするときには、必ず根拠になる法律や条例が必要になる。

今の米軍基地を造るための法的根拠というのは、政府、内閣、防衛大臣に非常にたくさんの権限を与え、責任を内閣にかなり押しつけるという状態になっている。

いわゆる日米安保条約第6条に基づく駐留軍用地特別措置法に基づけば、政府がここに必要ですと言えば、そこに基地を造れるし、政府が土地を所有してなくても、収用して基地を造れるという法律になっている。

ただ、住民や地元自治体から何の意見も聞かずに、政府が認定し、基地ができるという法律になっているが、それでいいのだろうか。

こういう仕組みだと、嫌なことを押しつける仕事を政府だけで引き受けなければならない。今は法律の根拠が非常に曖昧かつ抽象的で、国民や国会が基地建設の責任を感じることができる状況になく、問題だ。

住民投票の必要性

憲法95条に基づいて、地元の声について考えてみたい。

米軍基地のようにみんながいやなものをどこかに造るとき、多数決というのは賢明な手段ではない。沖縄県民、東京都民であっても、国民全体でみれば少数派なので、国民全体で多数決をとれば負けてしまう。

日本国憲法95条は、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票において、その過半数の同意を得なければ、国会はそれを制定することができない」とある。辺野古新基地建設では、この条文に基づく住民投票が必要に思える。

1997年に名護市で、海上ヘリ基地についての住民投票があったが、それとは違う住民投票だ。従来の住民投票は法的効果というのが非常に弱い。なぜなら、住民投票の結果が、市や国を拘束できないからだ。憲法で市長や内閣に与えられた権限を、住民の意思で拘束することが、権限の制限となってしまうからだ。これが一般的に住民投票をやるときの壁になる。

ただ憲法95条の住民投票はそうではない。住民の同意を得ないと、その法律は制定できないわけだから、法案が国会を通過したとしても、その後に地元住民の同意を得るプロセスが必要になる。

辺野古新基地建設問題については、まず国民全体で責任を引き受け、地元を説得するために、国民全体が努力しなければいけない。そういったコミュニケーションを生み出す制度づくりが必要だ。

安保法制をめぐる議論

関連して、憲法と安保法制という話もしておきたい。会場には、安保法制をめぐる議論を見て、危機感をもっている方も多いと思う。日本が行う武力行使、あるいはその支援の在り方は今、大きく変わろうとしている。

安保法制については三つの問題が同時に進み、複雑だ。これをまず整理すると、(1)日本自身の武力行使の範囲を拡大しようという議論(2)日本自身が外国に武力を使うという場合の限界を広げていこうという議論(3)外国がやっている武力行使に加わらず、後方支援を拡大しようという議論が進んでいる。

(2)は集団的自衛権とか存立事態(わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険な状態)の言葉で語られる話で、注目すべきは(3)。外国が自分たちだけの実力では治安活動を十分にできず、日本に手伝ってほしいと言ってきた場合にどうするかが議論されている。



転載元: 情報収集中&充電中