riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

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 松本隆作詞

女はなぜ名前を変えるのか。この次あったらなんて呼ぼうか

誰もが抱く疑問  中日春秋 2015・12・17朝刊

夫婦別姓の闘い半世紀超 中日新聞 2015・12・15日夕刊



夫婦の別姓を認めず、女性のみ再婚禁止期間(六カ月)を定めた民法の規定について争われた二件の訴訟で、最高裁大法廷は十六日、初の憲法判断を示す。夫婦別姓訴訟の原告団長を務める富山市八人町、元高校教諭塚本協子さん(80)は半世紀を超える闘いを振り返り、「望むのは、別姓結婚も愛し合う二人の選択肢に、ということだけ」と朗報を待っている。
 「名前は私にとってどうしても譲れない。人生そのもの」。その思いは塚本さんの生い立ちが育んだ。
 生まれて二カ月後に長男だった父が病死。母の再婚は、家父長制の考えが強い祖父の猛反対に遭った。母は勤めと大家族の世話に追われた。寝る間もないほどの母に、しゅうとらがつらく当たる姿が目に焼き付いている。幼心に「私はお嫁さんにはならない」と誓った。
 十歳の時に姉も病死。はからずも跡取り娘となった。ただ、時代は戦後。小学校で民主主義教育を受け、男女平等を知った。高校では西洋の小説から女の生き方を学び、米国映画で自由恋愛を知った。卒業間近、家族から勝手に決められた婚約者を拒絶した。「私たちは家父長制の犠牲者」と気付いた。
 大学で恋愛し二十五歳で結婚。自分の姓への愛着に加え夫の理解もあり、当時は珍しい事実婚を選んだ。出産のたび、子どもを婚外子にしないために婚姻、離婚の届けを繰り返した。
 しかし、当時勤務していた女子高の校長から「夫婦同姓にしないとクビにする」と迫られた。「事実婚夫婦別姓が社会的に認められていない時代。みだらな関係のように周りから見られ、生徒に悪影響を与えると考えたのでしょう」
 その後は離婚届を出せず、姓を公私で使い分けてきた。生徒から「小島先生」と呼ばれた時は、仕事だからと自分をごまかした。机の下に潜って泣いたこともあった。体重も落ちた。事情を知った同僚たちが、「塚本」姓をもじったあだ名を付けてくれた時はうれしく、救われた気がした。
 「別姓、同姓、同性婚でも、全て多様な一人一人の生き方。国におせっかいはしてほしくない」。同じ思いを抱く人たちと二〇〇二年、選択的夫婦別姓を目指して市民団体を結成。一一年には「夫婦同姓の規定は、姓の変更の強制で権利侵害。多くの女性が職業上の不都合に直面するなど精神的苦痛を受けている」と国家賠償訴訟に踏み切った。
 提訴から五年。教職を退いた今も、家の表札は塚本と小島の二つを掲げる。「ようやくここまで来た。塚本の名で生き、逝きたい」。そして「子ども、孫たちには自由に姓を選べる世の中が来てほしい」と願った。






「判決の瞬間、涙が溢れた。本当に悲しい」夫婦別姓禁止「合憲」受けて原告が怒り

弁護士ドットコム 12月16日(水)16時55分配信
夫婦で別々の姓を名乗ることを認めない民法の規定は、憲法が保障する「婚姻の自由」を侵害しているなどとして、5人の男女が国に損害賠償を求めていた裁判で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断したことを受け、原告団参議院議員会館で会見を開いた。団長の塚本協子さんは、「判決を聞いた瞬間に涙が溢れた。本当に悲しく、辛いです。塚本協子で生きることも死ぬこともできなくなった」と悔しさをにじませた。

この訴訟は、民法750条が「夫婦同姓」を定めているため、日常生活でさまざまな不利益を被ったとして、原告5人が国家賠償とともに、民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」という規定を改正することを求めていた。

弁護団長の榊原富士子弁護士は「とてもとても残念。力が及ばなかった。落胆するだけでなく怒りも感じている」「最高裁の裁判官には、女性が3人しかいない。この構造こそが、性差別の問題を扱う裁判のときに、こうした結果に招いてしまうということを実感した」と判決を批判した。

一方で、今回の判決で、合憲と判断した裁判官が10人、違憲と判断したのが5人だったことについて、「今回の少数意見は、将来の多数意見になるはず」と希望を述べた。
弁護士ドットコムニュース編集部

京都の原告「私の名字、残したい」 夫婦別姓最高裁認めず

京都新聞 12月17日(木)8時43分配信
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 「多くの女性が働くようになり、家族のあり方は多様化している。社会の現実に合った判決を」と願った夫婦別姓訴訟の原告で、京都府南部に暮らす大学教員吉井美奈子さんの思いは届かなかった。16日の最高裁判決を夫と一緒に大法廷で聞き、「司法ならではの判断を期待したのにがっかり」と悔しがった。
 吉井姓への愛着は幼いころから。3人姉妹の真ん中で育ち、父が酔うたび「男の子がほしかった」とこぼすのを聞き、「誰かに家を継いでほしかったのだろう。私が名字を残せたら」との思いを抱いていた。
 2002年に谷正友さん(39)と結婚した際、大学院生として自分の氏名の論文や学会発表などの業績を積み上げるため、事実婚を選ぼうとした。だが配偶者控除や、夫の勤め先からの各種手当は法律婚が前提。若い夫婦には経済面の不安が大きく、やむなく法律婚を行って戸籍では谷姓となった。「晴れやかな気持ちはなかった」
 本人証明が必要な銀行口座は谷姓でしか作れず、自己喪失感に悩んだ。「もし災害や事故に遭い、戸籍名で発表されたら知人に探してもらえるのだろうか」。職場や日常生活は吉井姓で通すが、谷姓はほとんどの人が知らず、大学の事務担当者が戸籍姓での給与明細を金庫に保管したままだったことも。事情を説明する気苦労が絶えない。
 中学の同級生で当初から夫婦別姓に理解を示してきた夫から「法律を変えてほしい」と背中を押され、訴訟に参加した。すると多くの人から「私も夫婦別姓を希望している」と励ましのメールなどが届き、「原告以外の気持ちを代表しているんだ」と力づけられたという。授業を受け持つ学生らにも打ち明けると、「多様な選択肢がある方がいい」との言葉が返ってきた。
 最高裁判決は厳しい結果となったが、吉井さんは「3人の女性裁判官全員が違憲と指摘したのは1つの希望。自分の教え子や子どもが結婚する時、私と同じ思いをしないように、今後も声を上げ続けたい」と言葉に力を込めた。
最終更新:12月17日(木)8時46分

追記

夫婦別姓訴訟>なぜ5人の判事は「違憲」と判断したのか? 最高裁が判決文を公開

弁護士ドットコム 12月17日(木)16時42分配信
夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁大法廷は12月16日、「夫婦同姓の制度は我が国の社会に定着してきたもので、家族の呼称として意義があり、その呼称を一つにするのは合理性がある」などとして、憲法に違反しないという判断を初めて示した。15人の裁判官のうち10人が「合憲」としたが、その一方で、女性裁判官3人を含む5人が「違憲」という意見を表明した。

最高裁は同日夜、ウェブサイトで判決文を公開した。そこでは、夫婦同姓を定めた民法750条を合憲とする多数意見のほか、違憲と判断した少数意見も明らかにされている。5人の裁判官は、どのような理由で「民法750条は違憲」と考えたのだろうか。

●「婚姻の自由を侵害する」と考えた3人の女性裁判官

最高裁のサイトでPDFファイルで公開されている判決文は全部で31ページ。その後半16ページに、違憲と判断した裁判官の見解が記されている。

まず、女性判事である岡部喜代子裁判官は、女性の社会進出の推進や、仕事と家庭の両立策などによって「婚姻前から継続する社会生活」を送る女性が増加したのにともなって、「婚姻前の姓」を使用する合理性と必要性が増していると指摘。夫婦別姓という例外を認めないことは、多くの場合、妻となった者のみが、個人の尊厳の基礎である「個人識別機能」を損ねられ、「自己喪失感」といった負担を負うことになるとして、「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえない」とした。

そのうえで、個人識別機能への支障や自己喪失感などの負担から、「現在では、夫婦となろうとする者のいずれかがこれらの不利益を受けることを避けるためにあえて法律上の婚姻をしないという選択をする者を生んでいる」として、「夫婦が称する氏を選択しなければならないことは、婚姻成立に不合理な要件を課したものとして婚姻の自由を制約するものである」と記し、民法750条が「婚姻の自由」を定めた憲法24条に違反するとした。

最高裁の多数意見は、合憲とする理由のなかで、姓が家族の呼称であることを重視し、その呼称を一つにすることの意義を強調している。しかし、岡部裁判官は「離婚や再婚の増加、非婚化、晩婚化、高齢化などにより家族形態も多様化 している現在において、氏が果たす家族の呼称という意義や機能をそれほどまでに重視することはできない」と反論している。

また、多数意見は、婚姻時に夫婦のどちらかが姓を変えなければいけないという不利益が、婚姻前の姓の「通称」使用が広まることで一定程度、緩和され得るという点を、合憲の理由の一つにあげている。だが、岡部裁判官は「通称は現在のところ公的な文書には使用できない場合があるという欠陥が ある上、通称名と戸籍名との同一性という新たな問題を惹起することになる」と、その問題点を指摘している。

岡部裁判官はこのような理由で、夫婦別姓を認めていない民法の規定は違憲だと判断した。同じく女性判事である櫻井龍子裁判官と鬼丸かおる裁判官も、岡部裁判官と同意見であるとした。

●「婚姻における夫婦の権利の平等を侵害する」という見解

一方、木内道祥裁判官は「本件規定は、婚姻の際に、例外なく、夫婦の片方が従来の氏を維持し、片方が従来の氏を改めるとするものであり、これは、憲法24条1項にいう婚姻における夫 婦の権利の平等を害するものである」として、民法750条が違憲であるとした。

多数意見は、夫婦同姓制度が合憲であることの根拠として、同じ姓を称することで家族の一員であることを実感できるという意義をあげている。この点について、木内裁判官は「私は異なる意見を持つ」として、次のように記している。

「家族の中での一員であることの実感、夫婦親子であることの実感は、同氏であることによって生まれているのだろうか、実感のために同氏が必要だろうかと改めて考える必要がある。少なくとも、同氏でないと夫婦親子であることの実感が生まれないとはいえない」

このように述べたうえで、「同氏であることは夫婦の証明にはならないし親子の証明にもならない。夫婦であること、親子であることを示すといっても、第三者がそうではないか、そうかもしれないと受け止める程度にすぎない」と、多数意見の考え方に疑問を呈している。

違憲と判断したもう一人、山浦善樹裁判官は、違憲の理由は岡部裁判官と同じだとしつつ、15人の最高裁判事のうちでただ一人、国には民法750条を改廃しなかった立法不作為の責任があるとして、原告に損害賠償すべきだという見解を示した。

なお、最高裁の多数意見は、夫婦別姓を認めていない民法750条を「合憲」と判断したものの、選択的夫婦別姓の制度について「合理性がないと断ずるものではない」と指摘。「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と記し、夫婦別姓を認めるべきかどうかは国会での議論に委ねられるという見解を示した。

最高裁の判決文は、ウェブサイトで誰でも見ることができる。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/546/085546_hanrei.pdf