riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">裁判所と原子力ムラにも癒着が 裁判官が天下り</span>

2015年12月26日土曜日

裁判所と原子力ムラにも癒着が 裁判官が天下り

 関電高浜3、4号機再稼働差止をした福井地裁樋口英明氏の仮処分決定に対する保全異議審で、林裁判長は「住民の生命が脅かされる具体的危険は認められない」として、運転差止めを取り消しました。しかしその言葉こそは、これまでの原発運転差し止め訴訟で司法が一貫して言い続けて来たものでした。
 2011年3月11日に福島原発事故が起きた直後だけには、さすがに判事たちもこれまで国や電力会社の言い分を100%取り入れてきた自分たちの態度を反省する素振りを見せましたが、それはほんのいっときのことで、いまや事故前どおりの彼らの姿勢に戻り元の木阿弥になりました。
 事故後に原子力規制委が作った新規制基準についての評価についても、新規制基準に合格した原発であれば何の心配もいらないという、絵にかいたような現状追認のものでした。
 
 高浜原発の再稼働では、基準地震動700ガルが安全であるかどうかが大きな争点でした。2008年6月に発生した宮城岩手内陸地震では4022ガルの地震動が観測され、2007年7月の新潟県中越沖地震では2058ガルが、阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災ではさらに大きな地震動が観測されている中で、福井地裁の樋口裁判長(当時)は、宮城岩手内陸地震での4022ガル程度の揺れは、日本全国のどこでもいつでも発生し得るとしました。しかし異議審の林裁判長は、700ガルを超える地震の発生は1万年~10万年に1回程度と算定しました。何やら10年前に「格納容器が壊れる確率は1億年に1回」と豪語した大橋弘忠東大教授の言葉が思い出されますが、樋口氏の見解とは実に驚くべき乖離です。
 林氏は国側乃至電力側の参考人の意見と余程共鳴しあうところがあったものと思われます。
 
 日本では起訴された人の99.6%が有罪になるといわれています。実に異常なことで、海外では60%からせいぜい80%程度です。これは判事と検事が一体となって裁判を行う「判検一体」のためで、法廷で判事は検事のいうことしか聞かないと言われます。これほど被疑者の人権を無視した在り方もありませんが、彼らにはこうしたいわば“かばい合い”に何の違和感もないようです。
 再審がほとんど認められず、控訴・上告してもまず判決が変わらないのも、彼らの身内同士のかばい合いがあるからだとされています。このこと一つを取っても日本の裁判は公正ではないことが分かります。
 
 さらには判事の人事は最高裁の事務総局が一手に担っていて、最高裁の意向に反した判決をした裁判官は一生浮かばれないとも言われます。現実に関電高浜原発3、4号機と大飯原発3、4号機の運転差し止め仮処分の決定を下した元福井地裁の樋口英明氏は、その後家裁に異動させられました。
 
 LITERAが「高浜原発再稼動容認の裏に裁判所と原子力ムラの癒着!」として、原発推進判決出した裁判官が原発産業に天下りしている実にも触れた記事を出しました。 
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高浜原発再稼動容認の裏に裁判所と原子力ムラの癒着! 
原発推進判決出した裁判官が原発産業に天下りの実態
LITERA 2015年12月25日
「住民の生命が脅かされる具体的危険は認められない」
 
 12月24日、福井地裁は高浜原発再稼働の差し止めを命じた仮処分決定を取り消し、再稼働に向け大きな一歩を歩み始めた。この訴訟に関しては今年4月14日、同裁判所において「新規制基準に適合したとしても安全性は認められない」などとして再稼働しないよう命じる仮処分が出され、それを不服として関西電力側が異議を申し立てていたもの。つまり、今回の福井地裁の決定は関西電力側の主張が通ってしまったということでもある。
 
 だが、この差し止め仮処分取り消しの背景には、裁判所の露骨な“原発推進人事”があった。4月の高浜原発再稼働差し止めの仮処分を決定したのは福井地裁の樋口英明裁判長(当時)のことだ。
 樋口裁判長は、「10年足らずの間に各地の原発で5回にわたって想定を超える地震が起きたのに、高浜原発では起きないというのは楽観的な見通しに過ぎない」と指摘し、福島第一原発事故後に定められた原子力規制委員の新基準についても「緩やかにすぎ、合理性を欠く」と判断。政府の原発政策に根本から異議を唱える決定だった
 
 ところが、裁判所はこの樋口裁判長を原発裁判にかかわらせないような人事を発令する。
 きっかけは樋口裁判長が、1年半前の14年5月、大飯原発の運転差し止め訴訟で原発の運転を認めない決定を下したことだった。その後、樋口裁判長が高浜原発の運転差し止め仮処分を担当することになると、裁判所は2015年4月1日付で、樋口裁判長を、名古屋家裁に異動させることを決定したのだ。
「彼ほどのベテランなら通常高裁に異動してもおかしくないはずですが、家裁への異動になってしまった。関係者の間では、懲罰人事、今後、原発訴訟に関わらせないようにするための“左遷”だと囁かれました」(司法記者)
 
 高浜原発の差し止め仮処分申請については、樋口裁判長が裁判所法28条に基づく「職務代行辞令」を利用して、名古屋地裁への異動後も引き続き審議を担当、再稼働を差し止める仮処分を決定したが、恣意的な異動命令に屈さない、裁判官としての人生をかけた大仕事だったと言える。
 だが、その樋口裁判長もさすがに、今回の異議申し立ての審議には関わることはできなかった。裁判所の“原発推進人事”は見事に功を奏し、新たに赴任した林潤裁判長によって、高浜原発の再稼動差し止めは覆された。
 しかも、今回決定が下されたのは高浜原発だけではない。同じく12月24日、福井地裁の林潤裁判長は、大飯原発の3、4号機を再稼働しないよう求めた住民の申し立てについても退けた。樋口裁判長が下した決定について控訴審で審理が継続されている中でのことである。ようは外堀を埋めたわけであり、これで高浜、大飯の2つの原発が再稼働されることがほぼ決定的となった。
 
 もちろん、こうした人事を使った原発後押し判決の背後には、政府の意向がある。
「司法の独立なんていうのは建前にすぎなくて、今回に限らず、法務省は権力側に都合の悪い判決を出した裁判官に報復のような人事をするんです。例えば刑事事件で無罪判決を出したり、行政訴訟で住民側を勝訴させた裁判官は必ずと言っていいほど地方の支部家庭裁判所に異動させられる。今回のケースもまさにそれに当たるでしょう」(司法関係者)
 
 しかも信じられないことに、裁判所には直接、電力会社や原子力産業との癒着構造があるのだという。
 その典型的な例を「週刊金曜日」2011年6月3日号でジャーナリスト三宅勝久氏がレポートしている。記事によれば1992年、伊方原発福島原発設置許可取り消しを求めた裁判で「国の設置許可に違法性はない」と電力会社側に沿った判決を下した味村治氏(故人)が、退官後の98年、原発メーカーでもある東芝の社外監査役天下りしていたという。
 味村氏は東京高検検事長内閣法制局長官を歴任し、最高裁判事となった人物で、いわば司法のエリート中のエリート。しかも味村氏の「原発は安全」との味村判決が、その後の原発建設ラッシュを後押しする結果となった。
 
 原発企業に天下ったのは味村氏だけではない。同じく三宅氏のレポート(「週刊金曜日」2011年10月7日号)でも司法関係者の原発企業天下りが紹介されている。
 
・野崎幸雄(元名古屋高裁長官)          北海道電力社外監査役
・清水湛  (元東京地検検事、広島高裁長官)    東芝社外取締役 
・小杉丈夫(元大阪地裁判事補)               東芝社外取締役 
・筧栄一 (元東京高検検事長)                東芝社外監査役・取締役 
・上田操 (元大審院判事)             三菱電機監査役 
・村山弘義(元東京高検検事長)          三菱電機社外監査役・取締役 
・田代有嗣(元東京高検検事)           三菱電機社外監査役 
・土肥孝治(元検事総長)              関西電力社外監査役 
 
 ようするに、樋口裁判長とは真逆に、原発容認の決定を下したりなどすれば、裁判官たちには天下りというご褒美があるということらしい。これでは、司法の独立どころか、裁判官や検事までが原発企業の利益共同体、原発ムラの一員だったということではないか
 そう考えると今回の高浜、大飯原発再稼働容認の決定は何ら不思議ではない。ほとんどの裁判官の頭の中にあるのは、下手な判決を出して政府ににらまれ、左遷されたくないという思いと、自分が得られる地位や経済的な恩恵だけなのだ。
“福島の教訓”などどこ吹く風で、再び原発大国への道を進んでいく安倍政権と、それを止めるどころか、自らも原発利権漬けになっている裁判所──。この国の腐敗はもはや末期的だ。 (伊勢崎馨)


転載元: mimiの日々是好日