新潟からこんな提案がありました。みなさんで一緒にできれば・・と思います。(拡散希望

老朽化を理由に名建築が壊され消えていくことをいたたまれなく思っての投稿です。

1933年ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計により大阪の中心部建築された、大丸心斎橋店が解体建て替え工事のために本日12月30日をもって閉店するそうです。 多くの文化財関係者、建築関係者の皆様のご尽力にもかかわらず、このような日を迎えましたたことを、遠くからでありますが一市民として憂慮しております。 
 
ちなみに大丸自らがその価値について唱うページも本日現在まだ、生きています。http://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/vories/

ここでひとつご提案させていただきたいのです(新潟市でも耐震性を理由にして、旧會津八一記念館という小さな美術館が解体されようというところ、市民の声で守り抜いた経験からです)。 経済至上主義の中に置かれ、経営判断のうえで進められている計画は百も承知の上でのことです。 署名運動や様々な陳情もなされているようですが、大阪の古建築~近代建築、そして文化を愛する方々にとっては、辛い建物解体が刻々と迫ってきているようです。

営業最終日の本日も、20:30で閉店。 
閉店後、言わば「生かして!」の言葉を添えた愛の置き手紙を店舗前に置いてみるという、ささやかな思いを伝える活動です。
もしも管理する人がいて下さるのなら、ボックスキャンドルなどの灯火も出来るのではないでしょうか。
下の写真はフランスで起こったテロ後、同国各地のモニュメンタルな場所で、市民の手によって行われた平和を願う「愛の置き手紙」作戦でした(12月22日ローヌアルプス地方で撮影)。
 背景事情は全く違いますが、大丸心斎橋店の閉店から大晦日と新年の数日間、少なくともお邪魔どころか、穏やかに市民としての思いを伝える、ひとつの手法ではないかと思うのです。
小さな町の広場のモニュメントや建物の前には、地面にたくさんのメッセージが置かれ、その周囲にはペーパー・ウェイト代わりにキャンドルが取り囲んでいました。 しかもそれは平日の昼間にもかかわらずです。 
そこにとどまっていたわずか10分ほどのことでしたが、置き手紙とキャンドルはひとつ、またひとつとおかれて、手を合わせる方々が数名おられました。 キャンドルはケースに入れられたものも多く、安全上の配慮がなされていました。
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さて日本での話です。 この建物については、様々な方がこの建物の価値に気づいておられ、市民のみならずこころある建築家の間でも、保存の願いや署名活動が続けられております。 署名の届けられるまでの間は、水面下で解体の段取りが進むことでしょう。

幸いにして大丸心斎橋店閉店後は、大晦日とお正月明けまでの数日の空白期間があり、置き手紙が営業妨害になるとは考えにくいことです。 また管理する人がいればキャンドルと言うこともあるでしょうが、それは遠地から無責任なことは申し上げられません。  





この建物の保全につきましては、日本のまさに経済優先論理によって極度に疲労した社会の閉塞状況を切り拓くための、言わば市民の文化度が試されるという気がします。 個人的なことながら文化財を守り受け継ぐことの困難を痛いほど思い知らされた今年。 古民家や土蔵といった類でも、社寺仏閣でもありませんが、モダン建築としての大丸心斎橋店が、身近な文化財を市民で守るというひとつの転機となり、未来への流れを変える防波堤になりうるのではないでしょうか。 

本日2015年12月30日は午後8時30分で閉館とのこと。 数名の建築家および、街並み保全、まちづくりの関係者が「その時」を見守って下さるようです。

参考記事をいくつかご紹介しておきます。>>>

「関西のファンが悲鳴!大阪人のステイタス・大丸心斎橋店を無くさないで!」
http://matome.naver.jp/odai/2141095999714667401

天井や柱といった内部の装飾も見事な、大阪を代表するアール・デコ建築の傑作(大阪市HP) http://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/cmsfiles/contents/0000266/266754/Daimaru_Shinsaibashi_main_building.pdf#search='%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%A1%E3%83%AC%E3%83%AB+%E5%A4%A7%E4%B8%B8%E5%BF%83%E6%96%8E%E6%A9%8B%E5%BA%97'

大丸心斎橋本館、30日営業終了=米建築家ヴォーリズの代表作-大阪
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201512/2015122600090&g=eco

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151229-00000041-kyt-l25

壊して造り直す建築から、つくろい受け継ぐ建築へ・・・。

<今日、最後の日に心斎橋店を見逃された方へ>
1月16日、17日の2日間大丸松坂屋カード会員限定ながら、
館内見学ができるようです。パンフレットに掲載されていました。
カードのない方はすぐ申し込めば作れると思います。
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