<span itemprop="headline">益川氏科学者は軍事利用の恐れ、自覚を</span>
科学者は軍事利用の恐れ、自覚を 益川さんにインタビュー
益川さんは名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長を務める。子どものころ名古屋で空襲に遭った経験から、科学者が戦争にどう加担したのか強い関心を抱いていた益川さんは、科学者になってからも、米国で進められた原爆開発計画「マンハッタン計画」を主導した、物理学者ロバート・オッペンハイマーに注目してきた。
「科学者たちはナイーブ(うぶ)だった。自分たちがつくったのだから、言うことを聞いてくれると思ったが、政府はそういうものではない。米国の政治家は、広島、長崎が目標ではなく、原爆の開発を進めていたソ連を念頭に置いていた。米国は原爆を誇示する必要があった」と指摘した。
日本で最近、軍事技術の開発に向けて政府が大学や研究機関と連携を深めている。科学者に問われる責任については「自分だけの世界にこもってはいけない。世の中がどう動いているか、もっと知るべきだ」と強調した。