riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">益川氏科学者は軍事利用の恐れ、自覚を</span>

科学者は軍事利用の恐れ、自覚を 益川さんにインタビュー

科学者の責任について語るノーベル賞受賞者益川敏英さん=23日、京都市
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 ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さん(76)は二十三日、本紙のインタビューで、科学技術は常に政府に軍事利用される恐れがあり、科学者にはその自覚が求められると訴えた。オバマ米大統領が二十七日、被爆地の広島を訪問することに関し、原爆を開発した米国の科学者たちが七十一年前、投下に反対しながら防げなかった例を挙げ、「科学技術が戦争に使われるのか、平和利用されるのかは紙一重。技術は一度、公になれば軍事利用はたやすくできる」と語った。
 益川さんは名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長を務める。子どものころ名古屋で空襲に遭った経験から、科学者が戦争にどう加担したのか強い関心を抱いていた益川さんは、科学者になってからも、米国で進められた原爆開発計画「マンハッタン計画」を主導した、物理学者ロバート・オッペンハイマーに注目してきた。
 オッペンハイマーは、米国が核を持てば「抑止力」になると信じていた。それは戦争を未然に防ぐ手段としてだった。しかし、当時の米政府は科学者の反対意見を押し切って日本に投下した。そのため、オッペンハイマーは原爆より威力のある水爆開発に反対。米政府からスパイ容疑をかけられ、研究者として活動できなくなった。
 「科学者たちはナイーブ(うぶ)だった。自分たちがつくったのだから、言うことを聞いてくれると思ったが、政府はそういうものではない。米国の政治家は、広島、長崎が目標ではなく、原爆の開発を進めていたソ連を念頭に置いていた。米国は原爆を誇示する必要があった」と指摘した。
 オバマ大統領の広島訪問について「大統領任期も終わりが近づき、平和の問題で業績を残したかった。原爆についても何か言いたかったのだろう」と述べた。大統領の広島訪問によって米国民の原爆使用への意識が変わるかどうかについては「政治だからそう簡単ではない。米国は巨大な軍事産業を抱えている」との見方を示した。
 日本で最近、軍事技術の開発に向けて政府が大学や研究機関と連携を深めている。科学者に問われる責任については「自分だけの世界にこもってはいけない。世の中がどう動いているか、もっと知るべきだ」と強調した。