riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">室井佑月 日本国民は「売られてゆく子ども」?</span>

 
 8月末には国会を中心に各地で反対デモが起きた安保法制。作家の室井佑月氏は安保法制を約束した日米の関係に憤慨する。
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 参院平和安全法制特別委員会。9月2日に共産党の仁比議員が質問に立ち、自衛隊制服組トップ・河野統合幕僚長が、去年の12月に訪米した際に、米軍幹部と会談した内容が記された防衛省の内部の資料を出した。その資料によれば、会談で河野氏は「安保法制は 来年夏までに終了する」と米軍幹部に約束しちゃってる。安倍首相も今年の4月にアメリカにいって、「今年の夏まで」、そう約束してきた。

 国会で話し合いもせず、国民に説明もなく、首相と防衛省の制服組が、アメリカと勝手に約束してきていいものなのか。しかも内容は、国民のための憲法を我々はむりくり変えられます、ってことだし。

 相手は強国。約束を破ったらペナルティー視され、その先また大きな課題をごり押しされるんじゃないかと懸念してしまう。

 先々週、あたしは「もうアメリカの脅威の話は避けて通れないんじゃないか」と書いた。こういうことを書くと、「中国に攻められてもいいのか」とか、「中国の思うツボだろ」とかいい出す人がいる。けど、アメリカにいわれるまま自衛隊を他国へ出すということは、この国の守備が手薄になり本末転倒だ、という専門家だっている。両方が脅威という議論はアカンのか。
 安保に反対するなといわれても、つり上がる軍費は国民の税金から徴収だし、自衛隊員の危険だって増える。この国がテロに巻き込まれる危険だって。
 やはりそれらのマイナスを乗り越えてもというのなら、アメリカはどういう国なのか、この国との関係はどうなっているのか、政府は国民にほんとうの話をしなきゃならないと思う。

 アメリカと固い同盟で結ばれているはずのこの国は、なんで盗聴までされ、あの国から盛った金額で軍機などをいつも買わされているの? 友達価格というならまだわかるけど。

 その説明をしてくれないと、知りもしない親の借金のかたに、売られてゆく子どもみたいな気分になる。法律では相続放棄すればいい話だが、法律なんて関係ない怖い人が相手なのか。それとも、親が自分で子を育てる能力がないと判断し、金持ちの篤志家を見つけ、子を預けることにしたのか。とりあえず、運命に身を任せるしかない子であるあたしは、事情くらい話してくれよとは思う。

 そうそう9月6日のNHK日曜討論で生活の党の山本太郎議員が、
「安保法案は長年ペンタゴンが日本に望んでいたものだ。米国のニーズだと(中谷防衛大臣が)国会で答弁しましたが、米国は建国以来93%戦争を続けてきた国。戦争で経済を回してきた国。狂気の戦争法案は廃案にするしかない」
 と発言した。説得力ある。でも、こういった意見の反論はいつまでたっても「そんなことあるわけない」だ。そんな一言で納得できるか? てか、そこを丁寧に話さずして、この国の根本的な話は無理じゃね?

週刊朝日 2015年9月25日号


転載元: しあわせの青い鳥