<span itemprop="headline">OECD34ヵ国で死刑全面推進は日本だけ (植草秀一)</span>
日本国憲法第36条の条文を日本国民は知っているか。
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
日本には死刑制度があり、現実に死刑が執行されている。
国家権力といえども、憲法を踏みにじることは許されない。
このことを周知したうえで調査を行えば、結果は逆転すると考えられる。
死刑制度について、日本弁護士連合会は次のように記述している
(2015年6月25日付「死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し、死刑制度の廃止についての全社会的議論を求める会長声明」より一部抜粋)。
「死刑の廃止は国際的な趨勢であり、世界で死刑を廃止又は停止している国は140か国に上っている。
死刑を存置している国は58か国であるが、2014年に実際に死刑を執行した国は更に少なく、日本を含め22か国であった。
いわゆる先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は、日本・韓国・米国の3か国のみであるが、韓国は17年以上にわたって死刑の執行を停止、米国の19州は死刑を廃止しており、死刑を国家として統一して執行しているのは日本のみである。
こうした状況を受け、国際人権(自由権)規約委員会は、2014年、日本政府に対し、死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告している。」
日本弁護士連合会は10月7日、福井市で開かれた人権擁護大会で、
「2020年までに死刑制度の廃止を目指し、終身刑の導入を検討する」
とする宣言を採択した。
日弁連が死刑制度の廃止を明確に打ち出すのは初めてである。
採択されたのは
「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」。
「企業献金は全面禁止する方向に持っていくのが、正しいと思っている」
「そのような状況で、最高裁が、『アレ』をやれるわけがない。
だから、本当は、適法性がない=『違法』なのだが、『アレ』はやれなかった。」
日本において「三権分立」は機能していない。
裁判所は政治権力=行政権=内閣の下部に位置する権力機関の一翼に過ぎない。
米軍駐留が憲法違反であることを示した砂川事件の伊達秋雄判決(1959年3月)に対して、最高裁長官田中耕太郎は当時の駐日大使ダグラス・マッカーサー2世と密会して、跳躍上告されたこの事案について、同年12月に原判決を破棄し地裁に差し戻した。
まさに、最高裁が権力の「狗(いぬ)」として、裁判を行った象徴的な事例を残した。
1980年代には4件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)の死刑事件について再審無罪が確定している。
さらに、2014年3月、袴田巖死刑確定者が約48年ぶりに東京拘置所から釈放され、再審開始が決定され、死刑と拘置の執行が停止された。
えん罪がいくらでも生み出される危険が放置されて、死刑が次々に執行されることが許されるわけがない。
そして、犯罪の刑罰のあり方として、「死刑」が本当に正しい選択肢のひとつなのか、日本の全市民が考えるべきときが来ている。
犯罪の存在は、国家による殺人を正当化する理由にはならない。
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