<span itemprop="headline">「休暇」</span>
久々に骨のある邦画を観た。
日本の死刑は国際的にも非難浴びているが国民は知らされないことが多い。
チャップリンも「独裁者」で一人殺せば犯罪だが戦争で殺せば勲章と皮肉っている。
この映画は多くの方に観てもらいたい。
「生きることにした。人の命とひきかえに。
希望を奪われた死刑因と彼らの未来を奪う使命を託された刑務官の苦悩。」
「休暇」を観た。http://www.eigakyuka.com/
死刑制度残しているアメリカでは「デッドマンウォーク」という映画があった。
被害者も見ている中で薬物注射。電気椅子も非常に酷いらしい。
冤罪のローゼンバーク夫妻」も犠牲となった。
日本では大島渚の「絞死刑」がある。両方とも、考えさせられる力作映画だった。
「絞死刑」は在日の未成年の犯罪をモデルとし、刑を執行しても息吹き返してしまいまた執行するという残酷なもの。あのころの大島作品はすばらしかった。
実際に絞首刑はなかなか絶命せず苦しむということだ。
刑場に引かれていくとき、非常に抵抗する人もいるらしい。当然だろう。
死刑にしても被害者、家族は救われないし冤罪だったら、取り返しがつかない。
「休暇」は刑を執行する刑務官の苦悩、葛藤も描く。ウツにもならないではすまない。
物語りは淡々と進むのだが後からもじわじわ考えさせられる。
西島秀俊演じる金田、この名前にも意味があるのだろう、未来を失った青年は独房で黙々とモノクロの絵を描いている。
その生気を失った演技が迫真的。これは演じていてもつらいだろう。
彼はNHKドラマでhttp://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/18487209.html「ジャッジ 島の裁判官奮闘記」で逆の役を演じていた。
独房の隅に金田が殺害したであろう老夫婦が現れる。
雑誌から切り抜くのも布団かぶって寝るのも禁止。
今、偶然、城山三郎の「落日燃ゆ」を読んでいるがそのような場面が出てくる。
死刑執行が間近いのを絶対に悟られてはいけないのだが、刑務官も人間なので、音楽を聴きたいという金田にラジカセを貸そうとして悟られてしまう。
後に刑務官は「金田は立派な最後だった」と言わせているが執行直前、神父が読み上げた聖書は
耕す土地、子孫の話で矛盾、欺瞞だ。
国家が犯罪者を殺す。死刑には疑問持つ。
厳罰は犯罪を減らせない。
刑務所看守の平井は〔小林薫〕子連れの女性と結婚するが、父のため有給休暇を使い切ってしまい新婚旅行にも行けない、はそんな折り、彼は絞首刑を執行された死刑囚の体を押さえる“支え役”を務めれば7日間の休暇が与えられることを知る。
この金田・平井、2人の対比に定年まじかの刑務官や新人の姿。
結婚する平井が支え役することを反対する上司(大杉漣)
結婚相手(大塚寧々)の自然に平井の心を包んでいく様子に救われる。
子役の男の子が可愛い。
http://movie.blogmura.com/
転載元: 猫と薔薇、演劇、旅ファン