<span itemprop="headline">井村コーチ徹子の部屋にご出演♪</span>
昔からシンクロ大好きです、スポーツも音楽付きでないと(笑)
16センチも外国選手より身長が低い選手たちをそう見せないための水着選び、
勝っても喜び方も知らなかった、エネルギーの出し方も知らなかった子たち
教育者のあり方、興味深々です。
“大切なのは心の教育”「シンクロの母」井村雅代コーチ スペシャルインタビュー
日本シンクロ界はかつては小谷実可子選手、奥野史子選手、そして立花美哉選手、武田美保選手など、それそれの時代でスターが存在してオリンピックや世界選手権でメダル常連国であった。それらすべての指導に携わったのは「シンクロの母」と呼ばれる井村雅代コーチである。
2004年のアテネ五輪終了後、日本代表のライバルとなるべく中国代表のコーチに就任したことにより、当時国内では批判の声が多く聞こえた。しかしそんな雑音を物ともせず、シンクロ未開の地であった中国代表に2008年北京五輪では銅、2012年ロンドン五輪では銀メダルを獲得させるに至った。http://physiqueonline.jp/specialist/trainer/page153.html
2004年のアテネ五輪終了後、日本代表のライバルとなるべく中国代表のコーチに就任したことにより、当時国内では批判の声が多く聞こえた。しかしそんな雑音を物ともせず、シンクロ未開の地であった中国代表に2008年北京五輪では銅、2012年ロンドン五輪では銀メダルを獲得させるに至った。http://physiqueonline.jp/specialist/trainer/page153.html
競技スポーツはメダルを獲ることだけが目的でない
— 日本代表チームは先日の仁川アジア大会で、かつて先生が指導されていた中国に次いで2位となり、オリンピックで金メダルも狙える位置にきたのではないでしょうか?
いやいや、今の日本はまだまだ、ごまかしごまかし…まずは本物にしないとダメです。去年はウクライナにも負けてるでしょ。ウクライナには勝てると思ったけど・・・。他にもロシア、中国、カナダ、スペイン、ウクライナ強豪国はいくつもあります。
中略
私は現実の中に入っていたから、コーチもやる気がなくて、ただやっているだけ。計画を立ててやっている最中でも、そうやってやめるから、もうビックリしますね。 いずれにせよマスコミの力は大きいですね。日本人ってマスコミに言われるがままになっていく。マスコミはダメな時は極端に叩いたり、逆に負けても「よく頑張った」なんて言うじゃないですか、そんなの嘘。本当の事を言わなあかんです。
そう、ストイックな子がいないの。『みんな仲良く』が好きだもん。ストイックな部分が消えてしまって、それはゆとり教育の失敗ですよ。
そしてさらに問題はゆとり教育の世代が親になっていく。それは最悪。ゆとりがゆとりを教育するということはもう全然ダメやと思いますよ。
だから今、日本選手に教えるには違うエネルギーが必要。練習が始まってもみんな一緒。ダラダラはやるけど、隣の子を抜いて私が行くとかは無いんですね。だから、私は競争の原理をプールに持ち込んだ。大変ですよ。一種目する毎に並べ替えるの。あんたは速い。あんたは遅いっていうことをはっきり示してやろうと思って。
オリンピックの時、演技が終わると選手たちとコーチはハグするじゃないですか。あのギリギリの中で泳いでいる選手とギリギリの中でトレーニングを指導してきたコーチって、あれこそ文化とか関係なくて思わずそうするんです。
でも、ロンドンの時、日本チームだけは知らん顔して行ったんです。コーチは待ち受けているのに選手はさっと行ってしまう。それをあとで聞いてみたら「私の中でコーチは存在していなかった」って言った。あー悲しい言葉やなと思って・・・。
それから6月にジャパンオープンに選手出した時、最近の子たちはどうやって出るのか観察することから始めたけど、どうするかと思ったら出番の前、選手同士で楽しい話をいっぱいしてるの。
それでコールされるとパッと歩いて行く。えっ?と思ったけどそれが今の子なんだと思ったけど、演技は滅茶苦茶。上がるや否やサブプールに並べて「あなたたち何考えてるの?あの演技は何よ?出る前にあんな集中力でいい演技なんかできないって。あんな態度は絶対おかしい。自分と向き合いなさい」って言うた。それに対してあの子らが言ったのは「緊張するのが怖いからそのことを考えないようにした」って・・・ありえへん言葉でしょ。
考えろって。考えて精一杯のプレッシャーを抱えてこそ火事場の馬鹿力が出るんや。今度フリーの時、「こないだみたいな演技したら承知せんからね!」って、そのくらい発破をかけないといけない。どうやって試合に出るかから教えてあげなければならない。しなければならない事。アスリートとはどういうものか。JAPANって何やろ?JAPANの重みを感じなさい・・・そういう事を教える。
だから、普段の立ち振る舞いも教える。寒い時も背中を丸めちゃいけないとか。やっぱり格好いい選手、歩いたら人が振り向くような憧れの存在でいなければいけない。
普段の生活から意識するというか、試合の時だけちゃんとするなんて、残念ながら人間ってそんなすべて化けることはできません。舞台に上がっている以外の時も意識するのが大切で、いくら良い演技しても終わったら変な歩き方とかしてたらダメです。
そう、ストイックな子がいないの。『みんな仲良く』が好きだもん。ストイックな部分が消えてしまって、それはゆとり教育の失敗ですよ。
そしてさらに問題はゆとり教育の世代が親になっていく。それは最悪。ゆとりがゆとりを教育するということはもう全然ダメやと思いますよ。
だから今、日本選手に教えるには違うエネルギーが必要。練習が始まってもみんな一緒。ダラダラはやるけど、隣の子を抜いて私が行くとかは無いんですね。だから、私は競争の原理をプールに持ち込んだ。大変ですよ。一種目する毎に並べ替えるの。あんたは速い。あんたは遅いっていうことをはっきり示してやろうと思って。
オリンピックの時、演技が終わると選手たちとコーチはハグするじゃないですか。あのギリギリの中で泳いでいる選手とギリギリの中でトレーニングを指導してきたコーチって、あれこそ文化とか関係なくて思わずそうするんです。
でも、ロンドンの時、日本チームだけは知らん顔して行ったんです。コーチは待ち受けているのに選手はさっと行ってしまう。それをあとで聞いてみたら「私の中でコーチは存在していなかった」って言った。あー悲しい言葉やなと思って・・・。
それから6月にジャパンオープンに選手出した時、最近の子たちはどうやって出るのか観察することから始めたけど、どうするかと思ったら出番の前、選手同士で楽しい話をいっぱいしてるの。
それでコールされるとパッと歩いて行く。えっ?と思ったけどそれが今の子なんだと思ったけど、演技は滅茶苦茶。上がるや否やサブプールに並べて「あなたたち何考えてるの?あの演技は何よ?出る前にあんな集中力でいい演技なんかできないって。あんな態度は絶対おかしい。自分と向き合いなさい」って言うた。それに対してあの子らが言ったのは「緊張するのが怖いからそのことを考えないようにした」って・・・ありえへん言葉でしょ。
考えろって。考えて精一杯のプレッシャーを抱えてこそ火事場の馬鹿力が出るんや。今度フリーの時、「こないだみたいな演技したら承知せんからね!」って、そのくらい発破をかけないといけない。どうやって試合に出るかから教えてあげなければならない。しなければならない事。アスリートとはどういうものか。JAPANって何やろ?JAPANの重みを感じなさい・・・そういう事を教える。
だから、普段の立ち振る舞いも教える。寒い時も背中を丸めちゃいけないとか。やっぱり格好いい選手、歩いたら人が振り向くような憧れの存在でいなければいけない。
普段の生活から意識するというか、試合の時だけちゃんとするなんて、残念ながら人間ってそんなすべて化けることはできません。舞台に上がっている以外の時も意識するのが大切で、いくら良い演技しても終わったら変な歩き方とかしてたらダメです。
最後は見えないオーラで勝負は決まる
— シンクロも採点競技なので発するオーラが必要ですよね?
もの凄いある。私、必ず言うのは試合は試合の前から始まるって。それは絶対です。へにゃへにゃで来て、演技がうまいから点が出るって言ったら、そう言うものではない。
人間ってすごいと思うのはオーラが見えるんです。立花・武田で金メダル争っていた頃、最後はオーラの勝負だって言ってきて、スピンがまっすぐ回るとかは当たり前。最後は何だっていうとオーラという見えないものと争っているんだって。
— 立花さんや武田さんのようなトップ選手にはもともとオーラがあったのでしょうか?
小さいころからカリスマ性を兼ね備えた子はいるけど、人を説得するだけのオーラというものは、その子がどんな事をしてきたか、どんな事で自信をつけてきたか、そして心の感動みたいなものをどれだけ経験してきたか、たくさん綺麗なものに触れ感動してきたか
・・・そういうのは怖いけど出ますよね。
私が以前、心がけさせたのは、本物に触れさせることです。
別に何でもいいの。見せかけのものじゃなくて、本物を見せました。本物をやっている人は皆本気です。だから、それを見た時に凄いと思い感動する。例えば舞台を見たりすることは自分への投資
。服やバッグを買うでもない。自分の中に見えないものに対して投資をする。今の子、自分へ投資することも知らなくて、今から思ったら、よく5位くらいで止まっていた。もっと落ちてもよかった。8位くらいに落ちてもよかった。それが何で5位で止まったかというと、日本は昔強かったから。
— 日本がかつてのレベルを取り戻すにはどうしたらよいでしょうか?
最近はマスコミが「なでしこ」とかフィギュアに行って、シンクロを取り上げてくれないので、何らかの形で取り上げてくださいと言うてます。メディアに取り上げられれば、やりたい子が増える。増えてきたら底辺が拡大して強い子が育つと。
日本は何でもブームに流されるからマスコミの力は大きいです
そんな状況を見ると、戦争が美化されたのもわかるよなって思って
、ずっと日本人ってそうやって誘導されてきたよなって。大きな国であれば、いろいろな考えの人が出てきて賛同しない人も出てくるけど、日本は国が小さいので反対の人の数が少ないから、みんなドーっと行っちゃう。
数少ない人が、あれおかしいよねと言っても大勢派に反対するにはエネルギーがいるから疲れて反対しなくなる。さらに今は子どもの数が少なくなっているから各スポーツで取り合いなんですね。だからそこに厳しさっていうものが欠けてくるし、ちょっと負のスパイラルぎみかな・・・。
— シンクロ界でもかつての小谷選手や立花選手、武田選手のようなスターがいるといないでは大違いですね?
大違いです。普及に対して全然大違い。実可ちゃん(小谷実可子選手)はバランスからして、こよなく魅力的な綺麗な子だった。世界の人が見たときに綺麗と思う綺麗さ。エキゾチックさもあり、オーラもありました。
確かに彼女のおかげで日本にシンクロは普及しましたね。その後に立花とか本当に強い子が出てきた。一時私らの時はお家芸とまで言われたくらい。だから、2001年世界一になった時なんか、テレビの視聴率37%ゴールデンタイムでいって、号外まで出ましたからね。また、そんな時が来たらいいですけど、ちょっと根性入れ替えなきゃ。
何より心のトレーニングが大切
— 今日、井村先生の話を聞いていると技術的なトレーニングよりも、むしろ心のトレーニングが大切ということがわかりました。
そう。心のトレーニング。それがなかったら粘れない。いいとこまで行っても越えられないの。持ち物はシンクロだったら脚が長いほうがいいし、背も高い方がいい。
だけど、いっくら脚が長くても綺麗でも、ふにゃふにゃな気持ちの子はダメ。そんな子いっぱいいるよね。もったいない。先天的に持ち物の良い子で、心さえあればいいのにという子を今までに何人も見てきました。
でも、その子にとっては越えられないんだもん、心は・・・。子どもが育つ中でどんな人と出会ったか、どんな信念を持った親に育てられたかっていうのはその子の運命よね。子どもは親を選べないから気がつけばその親の子になっている。一本筋の通った親に育てられれば、子どもはそうやって育っていくし、やっぱり心が一番大事やね。
押しつけでない、ほどよい日本人らしさで戦う
だから得点については歩留まりがあるの。もう一つ上で世界となったら、それだけでは勝てないの。日本らしさだけではダメで、それだけだと文化の押しつけになるの。世界のいろんな文化の人に愛される日本の良さを知らなきゃダメだし、日本だけでは苦しい。それは独特な文化だから。
北京五輪の後なんか、メダル獲れなかったから全員辞めちゃったのね。ゼロですよ、ゼロ。それはあかんでしょ。9人いて9人辞めちゃった。結局、弱かったら自分に希望がもてないから辞めていくけど、今年は正直もっと辞めていくと思ったら1人しか辞めなかった。ということは来年は今年のままで戦えるということです。達成感があって、ちょっと自分がやれる感があって、課題があったらやれるもんね、人間って。
リオを考えながら、どこかで東京ってものを考えていて、さらに東京も考えながらその次もちょっとだけ見据えて、試合で目標を達成させ、やりがいを感じさせてあげること、それが何よりでしょうね。そしたら選手は続けるでしょう。東京でメダル獲れなかったらシンクロやめたほうがいいね、イギリスみたいに(笑)。
リオを考えながら、どこかで東京ってものを考えていて、さらに東京も考えながらその次もちょっとだけ見据えて、試合で目標を達成させ、やりがいを感じさせてあげること、それが何よりでしょうね。そしたら選手は続けるでしょう。東京でメダル獲れなかったらシンクロやめたほうがいいね、イギリスみたいに(笑)。
<指導者としての実績>
1984年・ロサンゼルス五輪 元好三和子・木村さえ子組でデュエット種目銅メダル
1988年・ソウル五輪 小谷実可子・田中京組でデュエット種目銅メダル
1992年・バルセロナ五輪 奥野史子でソロ種目銅メダル
1996年・アトランタ五輪 チーム種目(8人制)銅メダル
2000年・シドニー五輪 デュエット種目の立花美哉・武田美保組、チーム種目それぞれ銀メダル
2001年・世界選手権福岡大会 立花・武田組デュエット種目で世界大会初の日本人金メダル
2004年・アテネ五輪 デュエット種目の立花・武田組、チーム種目それぞれ銀メダル
2008年・北京五輪 中国代表、チーム種目銅メダル
2012年・ロンドン五輪 中国代表、デュエット種目銅メダル、チーム種目銀メダル
1984年・ロサンゼルス五輪 元好三和子・木村さえ子組でデュエット種目銅メダル
1988年・ソウル五輪 小谷実可子・田中京組でデュエット種目銅メダル
1992年・バルセロナ五輪 奥野史子でソロ種目銅メダル
1996年・アトランタ五輪 チーム種目(8人制)銅メダル
2000年・シドニー五輪 デュエット種目の立花美哉・武田美保組、チーム種目それぞれ銀メダル
2001年・世界選手権福岡大会 立花・武田組デュエット種目で世界大会初の日本人金メダル
2004年・アテネ五輪 デュエット種目の立花・武田組、チーム種目それぞれ銀メダル
2008年・北京五輪 中国代表、チーム種目銅メダル
2012年・ロンドン五輪 中国代表、デュエット種目銅メダル、チーム種目銀メダル
- 井村 雅代(いむら まさよ)
1950年8月16日生まれ。大阪府出身。シンクロナイズドスイミングの指導者。元選手。選手として日本選手権で二度優勝し、公開競技として行われたミュンヘンオリンピックに出場。大阪市内の中学校で保健体育科の教諭を務めた後、シンクロ指導者となり、1985 年(昭和60 年)から「井村シンクロクラブ」を創設、競技者育成を行う。1978 年(昭和53 年)から日本代表コーチに就任し、世界的な選手を次々と育てた。長年、日本のシンクロナイズドスイミング界を牽引して基礎を築いてきた指導者としての実績や功績の大きさから「シンクロ界の母」と例えられる。
- TEXT & PHOTO :
- Yasu Nakajima
さすがいいこと言いますね。
同世代なので共感します。学校で民主主義教えられました。
憲法も勉強はやはり大事、戦争なんかすると何もかも出来なくなります。
井村コーチがシンクロ野選手の頃はおとなしい少女だった。
やはり教師に励まされて大きくなったのですね。