riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">プーチンからの柔道の誘いを断った安倍首相の甘さ by小林信也氏</span>

 数年前、武道が必修化された。柔道もそのひとつだ。柔道が日本以上に盛んと言われるフランスでは柔道の死亡事故はほとんどない。日本では、死亡事故や重大事故が頻発している。それでも政府は「武道」を必修にし、事故が続発し、問題が提起されても子どもたちを危険にさらし続けている。


講道館を訪問、柔道場に一礼して入る・プーチン大統領。 右は全日本柔道連盟山下泰裕副会長=12月16日、 東京都文京区(代表撮影)
 安倍首相は、自分でやったこともない柔道を推進している。やったこともない柔道を評価し、子どもたちに強いているのだ。

 私は初心者ながら武術を学ぶひとりとして、日本が「武道必修」を打ち出し、子どもたちが日本の身体文化に触れる機会を与える潮流は歓迎すべきと思う。だが、現在の武道が、かつての武術とは「似て非なるもの」になり、形骸化している現実を知れば、歓迎はできない。

 日本の政治家の多くが口先だけで、実際に自分が体験し実践しない事柄を「いい」とか「ダメ」とか判断している。

 プーチン大統領はどうやら違う。自ら実践している凄みを感じる。だから、日本の首相や政治家は、会話以前の段階で相手にされていない感じがした。

 かつて明治維新のころ、維新の志士たちはほぼ全員が剣の修行を重ねる文武両道の人だった。物事の判断は、頭で考えた知識や打算ではできない。理屈だけで判断すれば、武道必修が招く死亡事故の多発のような問題を引き起こす。東京五輪招致もしかり。

 日本で生まれた柔道を愛してくれるプーチン大統領。そのプーチン大統領の誘いを断った安倍首相の根本的な甘さと勘違い。日本のメディアも国民もその重さ、失礼さに気づかない、軽いやりとりにしか感じない鈍感さ。柔道の誘いにも応じない首相に「北方領土を返せ」と言われても、「あなたは日本の何を知っているのか。私の方がよほど柔道の修行を通じて日本の精神を学んでいる」、内心笑われても当然ではないか。

 訪日前から、「日本に好感を持っている」というメッセージを送って来たプーチン大統領に形だけの歓迎しか表さなかった日本政府の「心のなさ」が今回の訪日時、ロシア側の冷たさの一因になったのではないか。スポーツを愛し、スポーツを人生や社会を学ぶ重要な手がかりにして来たスポーツライターはそう感じる。


転載元: 情報収集中&放電中