riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">祝松元ヒロさんの憲法くんが本に♪</span>

物言えぬ憲法を代弁 松元ヒロさん、ネタ「憲法くん」が絵本に
2017/1/27 夕刊

松元ヒロさん(阿久津知宏さん撮影)
 東京のコメディアン、松元ヒロさん(64)の得意ネタ「憲法くん」が絵本=写真=になった。もしも日本国憲法に体と心があったなら、なんと話しだすだろう-。そんな設定で二十年前に舞台にかけ、改憲論議の渦中にあっても、それ自体は物言えぬ憲法を代弁してきた。ごく平易に最高法規を語ってみせる。
 絵本『憲法くん』(講談社)は昨年十二月の刊行。松元さんのネタを基に、今年で施行七十年の憲法を擬人化し一人語りを展開する。
 「みなさんのおかげで、わたし、七十歳になりました。むかしの七十歳とはちがって、ごらんのとおり元気です。ピンピンしています」
 「みなさんは、憲法とは、国の力を制限するための、国民から国への命令書だということを、知っていますか?(略)わたし、憲法くんは、個人の自由がうばわれないように、国をおさめる人たちが、自分勝手な政治をおこなわないように、歯どめをかけているんです」
 自負を示して誇らしげ。ところがどよんと転調する。「へんなうわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか。わたしがリストラされるかもしれない、というはなし」。急激な改憲論議のありようを危惧する語りに入っていく。
 じかに演じると七分ほど。舞台を基に加筆して絵本にまとめた。巻末に憲法全文を付けた。
 コント集団「ザ・ニュースペーパー」出身の松元さんは憲法学者水島朝穂さんと「憲法くん」をつくり、一九九七年の憲法記念日に初演した。一回限りのはずが、予想外の好評で今も引き合いが絶えない。
 舞台では、憲法前文を立て板に水で暗唱する。作家の井上ひさしさんは岩波ブックレット『二つの憲法』(岩波書店)に、その姿に感動したと記している。
 「演じていると憲法が乗り移ってくる」と松元さん。「僕の気持ちと憲法はよく似ている気がする。憲法は壁をつくったり武器を持ったりせず、友達になろうよ、って言ってるんですよね。僕が好きな人はみんなそうなんです」「憲法は黙読するだけじゃだめ。口に出して自分の耳で聞くと、リズムと理路整然と理想をうたう美しさが分かる」
 亡き先達から芸人としての立ち位置を学んだ。パントマイムのマルセ太郎さんは「思想のないお笑いは見たくない」と言った。立川談志さんからは、庶民が思っていても言えないことを言うのが本当の芸人だと聞いた。
 たびたび共演した放送タレントの永六輔さん、「戦争だけはやめておけ」と語ったフォーク歌手の笠木透さんら、憲法九条に思いを寄せた近しい人が次々と彼岸へ去った。
 「憲法は戦争を知っている人たちから渡されたバトン。日本が危なくなっていますけど、『冗談じゃない、この憲法をなくしてどうすんだよ』と言うのが僕は芸人だと思っています」
 絵は武田美穂さん。千五百十二円。

 (三田村泰和)