悲しすぎる、胸が痛い「ぼたん雪が舞う時」
BSNHKで放送されました、犬HKと言われるのに、こういう舞台を放送するのは良心が有る人がいるからなのでしょう。
とても胸が痛い舞台です。日本はなんて愚かなのか。
映画や「風が吹く時」の絵本も出来ました。
最近見た「チルドレン」はこれほど、辛くなかった、
なぜなのか。庶民の話だから?
歴史から、事故から学ばないで悲惨な事故を繰り返す。
もう絶望的なほど。地球が吹っ飛ぶ前に憲法も奪われて
惨めな封建時代に戻るのでしょうか。
どうして天罰は下らないのか、私たちが立ち上がらなければ。
原発事故の重大さを訴える人を押さえつけ、世界に大嘘振りまいても真実はにじみ出す。
思い出話よりもう少し原発の事を入れたほうがいいのでは。
見捨てられる庶民。
(たかぎ・とおる)さんの新作です。上演時間は約1時間30分。
A、B、Cの合計3組の上演があり、私はA組(演出:齊藤理恵子)の初日を拝見。それぞれに出演者と演出家が異なるという、ガチンコ勝負の企画です。くわばらくわばら!
3組の夫婦による「ぼたん雪が舞うとき」
2018/08/22 (水) ~ 2018/09/02 (日)
会場:小劇場B1(東京都) 出演:横堀悦夫(A組)、津田真澄(A組)、山野史人(B組)、岩倉高子(B組)、平尾仁(C組)、井上夏葉(C組) 脚本:高木達 演出:齊藤理恵子(A組)、伊藤大(B組)、黒岩亮(C組) チェルノブイリ原発事故が起こった1986年、 青年座は、当時の米ソ対立に... → CoRich舞台芸術!で詳細を見る! |
これを踏まえ、今回は、2011年の東日本大震災による原発事故をモチーフにした
新たな創作劇『ぼたん雪が舞うとき』を上演する。
全国各地に多数の原子力発電所を有する日本。
原発がある街、どこでも、いつでも、だれにでも起こりうる出来事を
青年座の3人の演出家、3組のキャストによって競演する。
新たな創作劇『ぼたん雪が舞うとき』を上演する。
全国各地に多数の原子力発電所を有する日本。
原発がある街、どこでも、いつでも、だれにでも起こりうる出来事を
青年座の3人の演出家、3組のキャストによって競演する。
ある日、未曾有の大地震が起こった。津波によって原子力発電所が損壊。
すぐさま半径20㎞~30㎞圏内の住民に屋内退避指示が出された。
夫婦は、政府の指示を忠実に守り、電話も電気も水道も止まった家の中で、
二人だけの避難生活を始めることになった。
これは、立入禁止区域に取り残された夫婦の一週間を描いた物語である。
≪ここまで≫
すぐさま半径20㎞~30㎞圏内の住民に屋内退避指示が出された。
夫婦は、政府の指示を忠実に守り、電話も電気も水道も止まった家の中で、
二人だけの避難生活を始めることになった。
これは、立入禁止区域に取り残された夫婦の一週間を描いた物語である。
≪ここまで≫
親しみやすい笑いがいっぱいですが、時は2011年3月、舞台は東京電力福島第一原発から30km圏内の地域だとわかっていますから、不穏な空気が常にうっすらと漂っていて、悲しい気持ちが自分の中に存在し続けます。東日本大震災発生から数日間に、自分に起こったことも思い出しながら拝見しました。
概要にあるとおり、アニメ化もされたレイモンド・ブリッグズさんの絵本(漫画)「風が吹くとき」と同じと言っていい構成でした。これから何年経とうと、私たちは思い出して、記憶しておかなければなりません。こういうお芝居は上演という形で次世代へと受け継がれていくといいと思います。
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ここからネタバレします。
屋内退避の指示が出て、自宅で待機し続ける初老の夫婦(横堀悦夫&津田真澄)の数日間を描きます。夫は糖尿病予備軍で右耳が少し不自由。妻は心筋症を患い薬の服用が欠かせません。夫婦は完全に孤立しているのですが、電気もガスも電話もなく、本人たちは気づくことができません。
フランス人と結婚した一人娘は今、一歳の娘をフランスで育てています。電話がかかってきても、夫の携帯の電源が切れてしまい、娘の怒号は届きませんでした。屋内退避ではなく避難命令が出ているのに、夫婦は知らないのです。ラジオには電池がなく、町内放送も途絶えてしまっています。
古いアルバムを取り出してきて思い出すのは、祖父母や自分たちの青春時代。やがて娘夫婦と孫との将来へも思いを馳せます。過去や未来を想像して楽しんでも、部屋からは一歩も出られません。同じ避難生活でも、放射能汚染があるのとないのとでは、全然違ってくるのだなと改めて思いました。たとえば小さなことですが、トイレを我慢するとか、室内でするとか…。
1週間分はあったはずの心筋症の薬が切れて、もう4日も経ってしまいました。「新鮮な空気が吸いたい」と訴える妻に応えて、夫が窓を開けると、ぼたん雪がはらり。でも本当はぼたん雪ではなく、原発から飛び出した放射性廃棄物かもしれない…。取り残され、棄てられた市民が弱り、被曝させられていくのは「風が吹くとき」と同じです。とても胸が痛みますし、他人事とは思えません。
横堀悦夫さんのギター弾き語りは観客サービスでしょうか(笑)。平凡で幸福な人生をあらわすエピソードは、私には少々多すぎました。あの数日間を俯瞰できるような演出がもうちょっと欲しかったですね。
場面転換時に暗転するのではなく、むしろ明るい目の照明で転換を見せたのは、私好みの演出でした。引用終わり
場面転換時に暗転するのではなく、むしろ明るい目の照明で転換を見せたのは、私好みの演出でした。引用終わり
原発事故の事、私が一番わかりやすく感動出来たのは下の一人芝居です。