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山本太郎語る「れいわ新選組が、重度障害者を国会に送り込んだ理由」

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山本太郎語る「れいわ新選組が、重度障害者を国会に送り込んだ理由」

8/4(日) 8:00配信
現代ビジネス
実は練っていた「秘策」
 「山本太郎としては負けた。でも『れいわ新選組』としては勝った、という結果になったと思います。1議席が2議席に増え、政党要件を獲得できたことは大きかった。

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 政党になったことで、メディア露出も増えますし、他の党と比べれば額は少ないですが、助成金をいただいて活動を拡大できる。次期衆院選を戦うにあたっても、選挙区と比例区の重複立候補が可能になりました。これでやっとスタートラインに立てた、と思っています」

 今回の参院選、最も注目を集めたのが山本太郎と、彼が率いる「れいわ新選組」であったことは疑いないだろう。

 山本自身は、前回当選した東京選挙区ではなく全国比例で出馬し、個人名では2位に40万票近い大差をつける約99万票を獲得したものの落選。その理由は、党・団体内で優先的に当選させる候補者を決められる「特定枠」候補として、2人の重度障害者を指定したためだ。

 参院選公示前の6月に行ったインタビューの時点では、この「秘策」は伏せていた。選挙後、改めてその真意を山本本人に聞いた(以下、「」は山本の言葉)。

 「決まっていたけど、言えなかったんですよね。公示前日に、私は東京選挙区ではなく比例で出ます、そして特定枠に舩後靖彦さんと木村英子さんの2人を立てます、とサプライズ発表をするつもりだったので。まあ、僕が落選したのは予想外で、一緒に受かるつもりでいたんですが(笑)」

 当選した舩後は難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者、木村は脳性麻痺を伴う重度身体障害者で、ともに移動には大型電動車椅子が必要。実は、両者には早い段階で立候補を打診していたという。

 「特定枠で重度障害の方に立候補していただきたいということは、かなり前から考えていました。アプローチしたのは、舩後さんは1ヵ月前くらい。木村さんは、私が2013年の参院選で当選したときに支援してくださった。それで3年ほど前から、『いつになるかわからないけれど、新しい政党を旗揚げする時には立候補してほしい』と話していました」

 だがネット上では選挙後、「国会の改修費用や介助のための費用をどうやって負担するのか」「障害者に十分な議員活動ができるのか」といった批判が噴出し、国会議員も巻き込んだ論争を招いている。

 「木村さんは、以前から障害者政策に関する活動に取り組んでいて、厚生労働省との交渉などにもあたってきましたから、政治家としての適性があることはわかっていました。

 ALS患者の舩後さんについては、コミュニケーションができるのか、という点に疑問を持たれる方が多いと思います。全身麻痺で話ができず、呼吸器をつけて、胃ろうもしていますから。でも舩後さんは、以前から介護事業所の副社長を務めて実際に経営にも参画していますし、もちろん頭脳も明晰です。

 私が重度障害者の方に立候補していただきたいと考えたのは、『生産性で人間の価値を測るような世の中は、もうやめよう』と訴えたかったから。ただ、生産性という観点から言っても、2人は非常に優秀なんです。むしろすごいのは、そんな2人が能力を発揮しなくても、国会にただいるだけでも、周りがどんどん動くということですよね」
強行採決はできなくなる
 8月1日に召集された臨時国会では、舩後・木村両議員が急遽設置されたスロープを通って登院、本会議場に入った。2人の初登院の様子は、今回当選した議員たちの中で最も大きく報じられている。「れいわ新選組」は選挙期間中のみならず、選挙後にもメディアと世論をジャックしたというわけだ。

 「極端に言えば、2人が国会の場にいてくれるだけでもいいと私は思っているんです。実際、初登院する前から、すでにいろんなことが変わり始めたんですから。

 もちろん、障害者に関わる制度改革など、これから議員として取り組まなければならないことはたくさんありますが、質問などの事前準備をしっかり行えば、コミュニケーションの面でも問題ないと考えています。

 舩後さんの場合、事前に予定していない言葉のやりとりは文字盤を使うことになるし、それには当然時間もかかる。でも、舩後さんが何を言いたいのかわかるまで、他の議員がじっと待つということも、障害者への合理的配慮に含まれるはずです。

 それこそが、国会に重度障害者が入るということの意味なんです。

 これまで、『国会議員は健常者である』という前提で作られてきた国会審議のリズムやペースを、これからは2人に合わせていくのが当然になると思うんですね。法案を急いで審議して無理やり通す、というようなことも、もうできなくなる。スローダウンするしかない」
「政治は数、数は力」を疑え
 第二次安倍政権下では、数々の法案がいわゆる「強行採決」によって通されてきた。しかし2人の重度障害者の存在が、国会のしくみや採決のあり方そのものを根本的に変えてしまうかもしれない、と山本は言う。

 「選挙の後、テレビなどの『街の声』でも『政治家って激務でしょ? 耐えられるのかしら』といった声を伺いましたが、耐えられるような国会運営をするしかないよね、という話です。今の国会が、障害者が参加できないような制度設計になっているんだったら、そっちを変えればいいじゃないですか。

 それに激務と言っても、仕事の中身にもよる。私から見ても、国会には暇そうな先生がたくさんいらっしゃいますんで(笑)。

 私なんかは一番小さな会派でしたから、朝、委員会に入っても、質問できるのは最後なんです。その間も質問内容を調整し続けていて、居眠りする余裕なんてなかった。でも、大きな党の所属で、ただ出席しているだけの先生方は、他人の質問を聞くだけで、あとは自分で持ち込んだ資料を読んだりしている。何もやることがなくなると、居眠りする。そういう議員の仕事を『激務』と言うのは違和感があります。

 うちは小さな組織なので、どうしても2人の登板回数は多くなってしまうでしょう。でも、本人たちの体調が優先、無理はしないでほしいと伝えています。国会に出られない時もあるかもしれないけれど、自分優先でいいと。むしろ、それに配慮するのは国会の責務である、そういう認識に日本全体が変わっていけばいい」

 田中角栄はかつて「政治は数であり、数は力だ」と言った。しかし今「れいわ」が展開している政治は、そんな古い政治のあり方とは真っ向から対立する。

 「確かに政治は数です。でも、数ではない部分で動くこともある。それを2人が教えてくれたと思うんですよね。数としてはたった2議席だけど、この『2』はケタ違いなんですよ」