riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">『NEWS23』膳場貴子と岸井成格が最後の放送!「直接圧力はなかった」という岸井に代わり鳥越俊太郎が官邸のやり口を暴露</span>



TBS『NEWS23』番組サイトより


 

膳場貴子キャスターとアンカーの岸井成格氏が、昨日25日の放送をもって『NEWS23』(TBS)を降板した。本サイトは昨年11月に岸井氏と膳場キャスターの降板、さらに岸井氏の後任が朝日新聞特別編集委員で保守派寄りの星浩氏であることをスクープしたが、ついにその日が来てしまったのだ。
 そんな2人の最後の挨拶は、じつに含みのあるものだった。

「さまざまな立場からの視点や、健全な批判精神を大切に考えて、みなさまに未来を考える材料を提供できたらと取り組んでまいりましたが、いかがでしたでしょうか」(膳場貴子

 「報道は変化に敏感であると同時に、やっぱり極端な見方に偏らないで、そして世の中や人間としての良識・常識を信じて、それを基本にする。そして何よりも真実を伝えて、権力を監視する。そういうジャーナリズムの姿勢を貫くとうことがますます重要になってきているなと感じています」(岸井成格

 しかし、金曜日は放送時間が短いため、特集コーナーもなし。先日、『報道ステーション』(テレビ朝日)が緊急事態条項の危険性、ヒトラーと安倍首相の符号を指摘するという渾身の特集を放送したが、それとくらべると食い足りなさが残ったのは事実だ。しかも最後の最後に星浩氏が登場、「みなさんの思いをしっかりと引き継いでいきたい」と語ったが、保守寄りの記者だった星氏に期待などできそうにない。
 安倍政権への最後の一撃を期待していた本サイトとしては残念な放送だった『NEWS23』。しかも岸井氏は、最後の放送の前日に日本外国特派員協会の会見に出席。会見は高市早苗総務相の「電波停止」発言に絡んだものだったが、その席で岸氏は政権からのメディア圧力について、このように語っていた。
「私に対して、直接、間接の政権側からの圧力は一切ありません」

 この発言に対し、ネトウヨは「本人が圧力はないと認めました!」「アベノセイダーズ涙目w」と沸き返ったが、この岸井氏の発言を額面通り受け取ってしまう頭の悪さにそれこそあきれ返ってしまう。

 本サイトでは繰り返し伝えてきたが、膳場・岸井氏降板の背景にあったのは、言うまでもなく安倍政権の圧力だ。『NEWS23』に対して安倍政権はかねてより非常に強い不快感を示しており、さまざまなチャンネルを使ってゆさぶりをかけていた。

たとえば、2014年に安倍首相が『NEWS23』に生出演した際、街頭インタビューのVTRに「厳しい意見を意図的に選んでいる」と難癖をつけ、その後、自民党が在京テレビキー局に「報道圧力」文書を送りつけるという問題が起きたが、その後も自民党や官邸は、政治部記者などを使って同番組に圧力をかけつづけていた。
 そうした圧力は、安保法制審議中に文化芸術懇話会の弾圧発言が問題になったこともあり、一時は、おさまっていたが、同法が成立した直後から再び活発化。自民党の「放送法の改正に関する小委員会」の佐藤勉委員長がテレビの安保法制報道は問題だとして、「公平・公正・中立は壊れた。放送法も改正したほうがいい」と露骨な恫喝発言をするなど、またしてもTBSテレビ朝日への圧力を強めはじめた。
 しかも、自民党および官邸は、膳場キャスターと岸井氏を徹底的にマーク。というのも、膳場キャスターは14年の総選挙特番で安倍首相に対して報道圧力問題について問い質したことに激怒したといわれ、一方の岸井氏は、自民党側は“保守色が強い記者”と認識していたにもかかわらず、そんな岸井氏が安保法制に厳しい姿勢を貫いたことで「裏切りだ」と怒り倍増。政治部を通じて「岸井をなんとかしろ」という声をTBS幹部に再三届けてきたという。
 さらに、そんななかで岸井氏を個人攻撃する「放送法遵守を求める視聴者の会」による意見広告が産経・読売新聞に掲載されたわけだが、これも仕掛人は極右思想の安倍応援団の面々だった。

 つまり、岸井氏は「圧力は一切ありません」と言うものの、TBSにはいろんなかたちで“官邸の怒り”が伝えられていた。その結果、岸井氏と膳場キャスターは降板させられたのだ。
 事実、岸井氏とともに記者会見に出席していた鳥越俊太郎氏は、政権側からのメディア圧力、なかでも菅義偉官房長官の“手口”を、このように語っている。少々長いが、重要な話なので紹介したい。

「菅官房長官が恐ろしいのは、オープンでの台詞ではない。大臣と記者との間ではオフ懇、オフレコの懇談会というが必ずあるんですね。『これはオフレコですよ。書いちゃだめですよ』と言いながら、本音を言う、と。記者も本音が聞けるから一応、オフ懇を受け入れているわけです。
 その場で、たとえば『昨日の『NEWS23』の岸井さんのあのコメントはちょっとね、いただけないよね』『あれ、ちょっと困るよ』というようなことをつぶやくわけですね。そうすると、それはオフ懇ですから表には出ませんけども、記者はちゃんとメモをして、それを上司に上げるわけです。その上司はさらに上の上司にあげて、それはどんどん上に上がっていきますから、『どうも、政府筋は岸井キャスターのコメントに嫌悪感を抱いているらしい』という空気がバッと広がるわけですね。
 これはTBSだけじゃなくて、他の局もみんなそうですけども、そうすると、現場がまず反応するわけです。『ここまで言うとまた言ってくるんじゃないか』と。『この人を出したらヤバイんじゃないか』とかね。人選とか、街頭で話を聞くときもできるだけ穏当な人の話を聞くとか。それから、問題の設定でもできるだけ柔らかめにするとか。こういうふうに萎縮をしていくわけです。毅然として切り込んでくという姿勢がだんだんなくなる」


こうした実態を岸井氏も知らないはずがないと思うが、4月からTBS専属のスペシャルコメンテーターに就任することが決まっているため、岸井氏は「直接の圧力はなかった」という言い方で、TBSを悪く言うのを控えたのだろう。
 しかし、「直接の圧力はなかった」というのは、イコール報道が歪められていないということではない。局の上層部は常に政権の意向を忖度し、それを人事というかたちで反映している。
 現場の人間は、もっと注意深く、政権とメディアの間で、何が起きているかを凝視しなければならない。


 (田部祥太


転載元: しあわせの青い鳥