riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">今中哲二講演会、学院倶楽部からのメール</span>

こんばんは。
はやいもので8月も終わります。

明後日金曜日、9月2日は学院倶楽部第56回例会です。
教務所1階議事堂で18:20より今中哲二講演会を行います。
原発事故から5年~チェルノブイリと福島の放射能汚染を考える」

今中哲二先生は、1950年生まれ。修士号を取得ののち、京都大学原子炉実験所の助手になられました。普通なら助教授、教授となるところ、研究職の最下位職種に留め置かれたということで、2016年3月に退職されるまでずっと「冷遇」されたことにお気付きになられると思います。

私は理科系の方面はよく分かりませんが、文科系ですと、たとえば東ドイツ社会主義経済を研究しているとなかなか採用してもらえなかったりという例もあったり、助教授(准教授)から教授に上がる際にも、審査があって、見えない差し障りもあったりするので想像ができます。文学部にもずっと助手(助教)という方を知っています。

もっとも、ご本人がそれでよしとすれば、俸給が少ないかわりに、義務も少ないので、まったく悪いわけでは決してありません。今中哲二先生の同僚だった小出裕章先生も、とても居心地のよいポジションにいると肯定的に語ってくれていました。

そんなことよりも、世間として理解しておくべきは、内容によって学問の世界も必ずしも公平、公正に評価されるとは限らない、そして、単なる位階の上下によって、判断してはならない、特に教養部がなくなり、大学院重点化になり、法人化された今は、とくにそうであるということです。

大学外の大学を見る目がまだまだ大学の現実に追いついていないと思われます。
中京大学の大内裕和先生(ブラックバイト、給付型奨学金)が、奨学金の理解について話されるのと同じことだですね。自分の当時の体験や知識で判断しているが、現実はすでにまったく変わってしまっているということ。


さてさて、今中先生には本日、チェルノブイリから帰国されたことと存じます。
現地の最新情報がお聴きできることと楽しみです。
もちろん飯館村をはじめとする福島についても、忘れかけている私たちにとって大切なお話があると思います。

放射能汚染は避けられないことを認識する。
またできるだけ放射能に汚染されないように気をつけるということ。

原子力発電所は絶対にもう動かしてはいけない、廃炉にしていかなければならない、そのことをはっきりしておきましょう。

その意味で、官邸前デモで皆が叫んだように「再稼働反対!」なのであります。

鹿砦社という出版社が出している『紙の爆弾2016年6月臨時増刊 NO NUKES voice』巻頭写真には、大宮浩平という写真家が次のように書いています。

「2016年3月11日、郡山市開成山公園野外音楽堂で行われた反原発集会に参加した。いまや福島県内には3・11は震災追悼の日であって原発反対の日ではないという雰囲気が漂っている。中には「3・11を反原発に利用するな!」と集会を批判する声もある。これが分断された福島の現実だ。」

写真を見ると、その反原発集会に参加した女性が掲げたプラカードには「再稼働犯罪 原発とめよう 原発反対」と書いてある。

再稼働反対ではなく再稼働犯罪なのである。

同じ雑誌に今中哲二先生のインタビューが載っていて、今中先生は、原発事故に「人災」を問えるシステムを、と主張されている。

確か、小出先生も、東電の勝俣会長や清水社長(当時)はじめ、原発推進に関わった人はすべて牢屋に入ってもらわなければならない、と何度も語っておられた。日本が法治国家であるならばそれは当然だと。

沖縄辺野古そして高江を見れば、もはや日本が法治国家でないことは、つい最近、アルジャジーラが取材に来て、もう世界中に知れ渡ってしまいそうな勢いなのである。知らぬは、沖縄以外の日本国民だけ、という有り様、五濁悪世なのである。

話がどんどんふくらんでいるかもしれないが、

地震津波原発事故から5年がたち、甲状腺がんが多発するようになって、

熊本地震があって中央構造線がいよいよ注目されるようになって(私も去年長野大鹿村中央構造線博物館見学してきた!)、

川内に続いて高浜が再稼働され(地裁判決では差し止めになったけれども上級審では反国民的判決が出されるのが、砂川事件以来の日本の司法の現状)、

伊方が再稼働され、9月には営業運転が開始されようとし、

霞ヶ関経産省前の脱原発テントは5年を前に8月21日(日)未明、人通りの一番少ない時間帯に、突如撤去され、しかも大手マスコミはリークで事前に知っていて、待機していて(知らせてねと言っていたテント住人には知らせず裏切って)、官僚の顔を撮ろうとした記者は排除され、

そして、一方で、参院選後の7月24日には、メルマガでもお知らせした通り、NNNがアメリカ・ロードアイランド原発計画が住民避難計画が不十分なことを理由に撤回されたことを放映し、

8月26日の深夜には、なんと、あの「アベさまのNHK」が「解説スタジアム」という番組を放映し、普段は頼りないNHKの解説者たちが、ほぼ一様に原発反対、原発政策は不可と断言するような事態にもなり、

また翻って、参院選と同じ時に新しく選ばれた元テレビ朝日の三訓園知事が、川内原発停止を九電に要請し、一応断られ、

また柏崎刈羽のある新潟県では反原発では頼もしかった泉田知事が不可解な4選出馬撤回宣言を出したり……。


………そんななかで迎える9月2日、今中哲二講演会でございます。
夜間開催ゆえ、土曜日や日曜日開催に比べて時間的にやや窮屈かもしれませんが、その分、集中力を高めて有意義な聴講、質疑応答になればいいなと思っております。2015年5月、本山生協4階ホールでのおしどりマコケンの時のような、あんな感激的な幻想的な質疑応答、思い出します。

21時半からは金山ホテルの9階、「かやかや」にて懇親会を行います。
ぜひ今中先生と直接お話しできる機会ですのでご参加ください。


今回は放射能汚染の講演会です。
ですが、核兵器廃絶も、中央リニア問題も、TPPも、消費税も、新基地建設も、憲法改悪も、日米安保もみなつながっているという認識のもと、濁世のあらゆる問題に迫ることで、浄土を見いだしていきたいと思います。


阿満利麿(注解)が『無量寿経』(ちくま学芸文庫)において述べています。
無量寿経の主張は、平和への努力を放棄せよ、ということではなく、人間の悪行の現実を見よ、ということ、そしてユートピアの実現を阻んでいるのは原因は何かをよく考えよということだ、と。「三毒五悪」という人間とその社会の実相が見えてくる、その悪行をどう乗り越え、何を希望として生きていくのか、それを考えよ、ということだ、と。
ヒューマニズムの無力を自覚しない限り、現実には絶望と無力感に終わってしまうのだと言います。
これは、平川宗信先生の指摘とまったく相通ずるものだと思いました。

宗教者は政治や経済、社会のことに口を出さなくていい、知らなくていい、というのは、植民地根性をたたきこまれた人の言い草です。

大垣教区のお坊さんによれば、教義よりも儀式にというのが、昨今の教団の流れだそうですが、それって、仏教が否定した相手のバラモン教みたいなものではないでしょうか?
もちろん、宗教である以上、儀式を否定するものではありませんし、それは大切だと分かっていますが、儀式以外を決して等閑視していいわけではないでしょう。

ミャンマーでは2007年、仏教のお坊さんが先頭に立ってデモしていました。信頼されているからこそのことでしたよね。
アメリカの公民権運動でも凶弾に倒れたドクター・キングも牧師、キリスト教の「お坊さん」。

世俗の利害から距離を置ける立場である宗教者こそ、その役割を発揮すべきであります。

世俗の利害にどっぷりと浸かっていては、もはや宗教者と呼べないのではないでしょうか。


というわけで日付が変わってしまうといけませんので、ここまでにいたしますが、

明後日、金曜日9月2日は18時10分頃から主催者挨拶で、18時20分より19時50分まで今中哲二講演会、20時から30分間、質疑応答、そして再稼働反対、であります。

参加費は1000円です。
十分な謝礼交通費宿泊費のため懇志も受けつけております。
正覚、いやもとい、少額でかまいません。
講演会依頼に採算ぬきでお応えいただいたお気持ちにできるだけ報いたいと思います。

日ごろお世話になっております皆様方、そしてはじめてお目にかかる皆様方、多数のご来場を心よりお待ち申し上げております。
周りのかたへのお声掛けもぜひよろしくお願いいたします。
今は、マスコミよりも口コミの時代です。


お気を付けてお越しください。
お帰りの際もどうぞお気をつけてお帰りくださいませ。


では、おやすみなさいませ。



おしまい