riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">昨日の中日春秋、立派です。お読みください。</span>

ことわざに「三日先知れば長者」と言う。少しでも先を見通せれば、富を築ける。この伝で言えば、原子力ムラの皆さんは大富豪の集まりであろう。何しろ、彼らは何百年先、何万年先をも見通しているというのだ
原子力発電所を動かせば、危険な放射性廃棄物が出る。その「核のごみ」をどうするか。原子力規制委員会が決めた基本方針によると、地中深くに埋めて三百から四百年間は電力会社に管理させ、その後は十万年にわたって国が目を光らせるという
▼だが、東京電力福島第一原発の汚染水の管理すら満足にできず、規制委からもその管理能力を疑う声が出ている。そんな会社に、百年単位での管理力を期待するというのだから、理解に苦しむ
▼さらに頭をもたげるのは、十万年という時の流れと想像を絶する大地の動きに、どれほど謙虚に向き合っているのか、との疑問だ
▼地球物理学者・島村英紀氏の『火山入門』によれば、日本の面積は世界の陸地の0・25%なのに、陸地にある火山の七分の一が集中し、過去十万年間に大規模なカルデラ噴火が十二回は起きている。そんな火山の島の十万年後の安全を、どう見通しうるというのか
▼それでも、原子力ムラの皆さんは「数万年後も大丈夫」と言うのだろう。かつて「日本では、原発の大事故は決して起きません」と自信満々に言っていた、まさにその口で。

2016.9.7