riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">ハイビジョンスペシャル ロシア・小さき人々の記録</span>

戦争は女の顔をしていない。



ハイビジョンスペシャル ロシア・小さき人々の記録(初回放送:2001年)チェルノブイリ原発事故やアフガン戦争など、国家の犠牲になった市井の人々の悲しみと希望をつづるドキュメント。

再放送を観ました。素晴らしいドキュメントです。



チェルノブイリの祈り」も読みたいです。

記録作家アレクシェービッチさんが優しくインタビューしています。




日本も同様なことやってました。

土地や食料強奪、レイプ、生体実験、考えただけでも恐ろしい犯罪です。


チェルノブイリ原発事故では5人に一人が犠牲になったベラルーシ

引用開始
さらに、独ソ戦で生き残ったのに、スターリンの戦術指導の誤りを隠すため「人民の敵」にされ、その後「英雄」になって名誉回復するも、ソ連崩壊ですべてを失って自殺した男の話。妻には「休暇に出る」とメモを残し、鉄道の線路に身を投げた。「英雄にされるまで、夫は私のものだった」と妻。国家の都合で翻弄され続けた個人の悲惨である。
 次いで、アフガニスタン戦争から無事帰還した兵士とその母親の話。息子は戦場で精神を病み、帰国後凶悪な殺人を犯す。懲役15年。やっと息子は出獄したが、母のもとには戻らなかった。息子だけが生き甲斐で、ひたすら待ちつづけた母。
新興宗教に入信して、教祖とともに母を糾弾する息子。ついに母は精神病院に入院する。すべてをカメラは淡々と映していく。

そして、チェルノブイリ原発事故で現場に真先に飛び込んだ消防士の妻の話。重度の被爆をした夫を看病し、お腹の赤ちゃんを死産する。夫の死体は亜鉛の柩に。国家は「英雄」としてこれを扱い、妻のもとには返さなかった。同居する年
老いた祖父は、なぜ夫の看病をしたのかと彼女をカメラの前で追及する。1600レントゲンも被曝した夫に近づけば自らも被爆するのに、と。妻は再婚。そこで生まれた12歳の息子にもインタビューする。

下のサイトも詳しい

原子炉になった夫、チェルノブイリ消火に参加した消防士の死をみとった妻。

皮膚は亡くなり骨から肉が離れ、口からは肺や肝臓のかけらが出てくる…彼女は彼の口に手を入れてそれやらを出した。

貴女の夫は英雄だから遺体は返せない。国家の物
遺体は放射能が多いから、特別な埋葬。


彼女の赤ちゃんは生まれて4時間後死んだ。

娘の遺体も渡されなかった。


再婚した相手との子供も内臓を侵されている。

ベラルーシの汚染された村々を歩く良心的科学者の活動も描く。
汚染された牧草で育った牛の乳を飲み、病気になっていく貧しい家の子どもたち。あまりにも可愛いくったくのない笑顔が痛々しい。
貧しいから家の牛乳を飲むしかない。

汚染された土を掘り起こしているのに
防毒マスクは届いているが支給されない、パニックになるからだと!

私たちの身代わり、これは未来の事です

私たちも最悪の福島原発を起こした国の住民、罪があります。

こんな政府や東電をつぶせないとは。


少年兵が上官の暴力に耐えかね脱走
軍隊はいつでもこれです。

引用始め
息子をチェチェン戦争に送るのを阻止する「母親たちの会」。「人々の語り方には明らかに変化が生まれている。かつては『我々』だったが、いま最初に来る言葉は『わたし』。『わたしの家、私の生き方…』。独り立ちする個人があらわれはじめている」。このナレーション(渡辺美佐子)にハッとした。
 最後は、軍隊で虐待されている恋人を脱走させた恋人の話。化粧品店で働く普通の女の子だ。なぜ恋人を脱走させたのかと問われていわく。「チェチェンの戦争は政府には必要かもしれないが、ロシアという国には必要ないわ」。
 番組は最後に、それまで登場した人々一人ひとりがカメラを見つめるシーンを流しながら、ナレーションがかぶさる。

「これだけの被害者の声を聞いたのに、加害者はずっと姿を隠している。国家が
つくり出す神話。それが最も恐れるもの、それは生きている人間の声です」。

この番組の女性アナ石井かおるもいいこと言ってます。

アレクシェービッチさんの行動力と強い意志と勇気に胸をうたれた

アレクシェービッチさんは「小さな事実を葬っているのは国だけでない、私たちもそうだ

これは過去の話ではなく未来の物語だ。」と言っています。

目の前にフクシマがある、たとえ小さなことでもきちんと伝え歴史に刻む。一人の報道陣として私がやるべきことだと決意を新たしたと。

追記
チェルノブイリの祈りレヴュー
特に恐怖を持って印象に残ったのは、原発爆発後最初に現地に入った消防士が、放射線障害で死の床に臥している時、それを見舞った妻に「君はオレンジが好きだったよね。どうぞ食べて」と枕元のオレンジを勧める話。
すでに夫は高濃度汚染の結果、自らが放射性物質となっていて、体から発する放射線によって「オレンジ」は「オレンジ色」では無く「ピンク色」に変色していたこと。それを涙ながらに食べようとしたとき、そばにいた看護婦から「あなたは自殺志願者なの?早くここから離れなさい。ここにいるのはあなたの夫ではなく、放射性の物体なのよ!」と怒鳴られるシーンだ。

本書は、当時日本では知られることのなかった、現場の人々が何を思い、何を考え行動したのかが切々と伝わる好著だと思う。