riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

なかにし礼「天皇と日本国憲法」と玉三郎

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こんな題名なので政治の話ばっかりかと思ったら、

 

映画レミゼラブルを激賞

 

勘三郎丈、團十郎宮崎駿千住真理子藤圭子石川さゆり

韓流ブームの仕掛け人、原発さえなければ自死した酪農家などなど

 

最後には何と玉三郎

 

私が思ってることをさすがの文章で書いてくれています。

 

玉三郎丈への恋文、ああたまりません。

 

この世のものではないほどに美しく輝く

 

前人未踏の境地

 

もはや人の手の届かぬ所、

その頂点は雲のはるか上にあって仰ぎ見ることさえできない

 

あなたは酸素の希薄な、純粋透明なところにあって、

 

孤独に孤高に、姿美しく屹立している。

 

言葉ではいいつくせないほどの

 

濃密な確信があって、あなたの魂の中に厳然としてあり

 

その魂の命じるがままに演じている。

 

肉体は歌舞伎座にありながら

 

魂は高所、絶所の高みから、己を見下しつつ叱咤叱責しているのだ

 

しかしそんなとげとげしさを微塵も感じさせない

 

中略

 

日本古来の職人たちが作り上げた「美」を

 

わが身ににまとってこそ、

玉三郎は美を突き抜けて「神」になるのだ

 

この時玉三郎は日本の伝統芸術が日に日に廃れていくことを

感じて悲しむ、そしてわが身も我が芸も。

 

 

 

能の観世清和さんの息子自慢を聞いて

「良かった。未来につながる美の回廊ですからね。

ぼくの場合はもう橋掛かりが切れちゃってる」

 

(後を継げる人などいません!今観なければなりません)

 

この言葉は坂東玉三郎空前絶後の存在であることをゆくりもなくも

自証したのではないか

 

政治的発言もストレートで純粋ななかにしさん、

私はこういう方が大好きです。

 

政治的な方は優秀なレビューをお読みください。

 

トップカスタマーレビュー

形式: 単行本
なかにし礼が、こんなにストレートな安倍政権批判をする人であることに驚いた。
作詞家として数々のヒット曲を書いた人、小説家に転じて直木賞作家になった人、ということしか知らない。
政治について発言する人だとは知らなかった。
タイトルの「天皇日本国憲法」は、天皇万歳を叫び改憲を悲願とする安倍晋三自民党こそが天皇をないがしろにしている連中なのだという論法。
日本国憲法には昭和天皇の御名御璽があり、平和憲法の制定を国民とともに「深くよろこび」とした。その天皇の意をないがしろにしようとしているのが安倍や改憲論者だ、という。
また、平成天皇が80歳の誕生日(平成25年12月18日)に「占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法をつくり、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」と発言したことをひき護憲を訴える。
たしかに右翼的な政治家は「あなたのいってることは天皇の意に反している」と言われるのがきらいだろうな。もちろんその程度のことで翻意するような連中ではないが。
なかにし礼のよってたつ基盤は、左派でも社会主義でもなく、「満州で棄民された」よそ者意識だ。全編を通じて「満州ひきあげ者」の論理がつらぬかれる。
そこからしか語らないというブレのなさが、本書に力を与えている。
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例えばはじめの一章「天皇日本国憲法」中最後の項目「粉砕された民主主義」の最後尾にある文章が鋭く突き刺さってくる。
「私たち日本人は2013年12月6日、同じ日本人によって「侵攻」されたのである。・・・なのになぜもっと憤怒に燃えた目を国民は見せないのか。」
特定秘密保護法が成立したことへの著者の見解と怒りの言葉である。この強い言葉には心揺さぶられ、穏やかではいられなくなる。
この本は、著者なかにし礼の、戦時に子供時代を送った文化人として多くの体験に基づいた警世の書である。全五章、54項目の記事から成る。
話題が、いずれも著者の仕事等直接関わってきたことに基づいているので、そこから引き出される見解については、シャープに焦点の合った心地よさを感じながら読んだ。
もちろん、話題となっている多くのエピソードそのものも興味深く読むことができる。とりわけ、何度か出てくる「化外」という言葉が心に引っ掛かるのだが、「国」の統治の及ばない、あるいは「世間」からはずれた者たちへのまなざしを感じて心温まる思いがする。

ただ、全体を通して印象深く残るのは、著者の切羽詰まった、現政権に対する強い危機感である。

付記になるが、冒頭に挙げた著者の「国民」に向けられた苛立ちについては、たまたま今日(2014年4月10日)
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