riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

安冨歩「原発危機と東大話法」

  

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安冨さんの本は「誰が星の王子様を殺したのか」に続き2冊目です。
 
これも納得の本です、
 
「お偉い」教授の欺瞞に満ち、一般人を小ばかにする態度、物言い
 
プルトニウムを水と一緒に飲んでもすぐ体内から排出される」
 
こういうことがどうしていえるのか。
 
この本読んでわかりました。
 
原発事故ばかりではなく、今の日本に蔓延している現象です。
 
このままでは日本人は滅びるでしょう。
 
 
メモも取らず、本を返却してしまいました。
次は「満州暴走隠された構造」を読みます。
 
 
 
安冨さんもチェルノブイリの事故でで日本の原発事故を心配してはいたが、
やり過ごしてしまった反省から書かれたのではないでしょうか。
 
 
 
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Natural Born Runner
2012年4月11日
 平成21年度、文部科学省の科学研究費補助金の総額は527億円。原子力関係経費の総額は4557億円。

 つまり、原子力というたった一つの狭い分野に、科学全学問分野の研究費の9倍近い国費が流れ込んでいる。そんな金と権力にまみれた世界で、長年、正気を維持し、危険性を訴え続けた驚くべき学者として、武谷三男さん、高木仁三郎さん、小出裕章さんの3人が、この本にとりあげられ、その姿勢を称えられている。

 3人の中でただ一人ご存命の小出先生が、「私の気持ちを正確にお書きくださり、ありがとうございます。この本の書かれた根拠・意義に賛同します」というメッセージが帯に添えられている。

 フクシマ原発の事故が発生して一年以上の時が流れた。これまでに政府の原発関連機関で中心的に関わった東大の学者で責任を取ったものはいない。それどころか、そもそも自分たちに責任があると微塵も思っていないことは、事故後のインタビューその他の映像で見てきた通り。これらの人種に対して、開いた口が塞がらないと思っていたのは外部のみではなく、東大内部にもいた。

 この本の著者は、現役の東大教授の安富歩さん。彼の分析によると、「徹底的に不誠実で自己中心的でありながら、抜群のバランス感覚で、人々の好印象を維持し、高速事務処理能力で不誠実さを隠蔽する」のが東大に蔓延する「東大文化」であり、東大原子力の使うごまかしのロジックを「東大話法」として、いくつかの項目を「東大話法規則」として上げて、詳細に糾弾している。

 規則の一つ。東大の人が得意とするのは、ある問題について書かれたものを大量に読み、それをいくつかのグループに分けて他人の意見を整理して、自分は、問題の外側に立って「冷静に観察している」という「客観性重視」のポーズをとった論文を書くこと。

 ところが、こういう手際よく大量に生産されている正当的とされる学術論文は、どれもつまらない。なぜなら、「客観性」を志向するフリをしながら、結局のところ事態を「傍観」する事になっている創造性ゼロの論文だからだと著者は語る。

 問題は、つまらないという事では済まない。なぜならこれが「学術的」で「客観的」な方法という事になるとつまらないものを書ける「傍観者」こそが「専門家」であって、それができないものは「素人」という論理となり、たとえば、小出裕章さんのような正当な学問的視点を壊滅的に破壊する暴力となる。

 著者は、社会的「立場」と「役」を果たすことで消耗しきっている現代日本人の原発に対するおどろくほど無関心な態度は、実は、戦前の日本人と戦争の関係に非常に良く似ていると云う。今こそ日本人は「魂の脱植民地化」について真剣に取り組む事が必要だという。

 今回の原発事故のあと、原子力関係の「専門家」や「官僚」の言う事が信頼し得ないという事に気づいたのは、まぎれもなく正しい判断だ。しかし、それが、科学技術全体、権力機構全体への不信へとつながっていることこそが、今回の原発事故の最悪の結果。
特に、原発に反対する日本人の多くが、何も信じられない不条理の海に投げ込まれた結果、欺瞞と筋の通った話の見分けさえもつかなくなり、オカルトや陰謀論のたぐいを受け入れる非常に危険な事態が進行している、と著者は言う。

 まさに不誠実の引き起こした負の連鎖。
 
 
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