riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">陸にあがった軍艦</span>




 もう朝10時からの「ひめゆり」には間に合わない!夜中に異常な痒みで起きてコンビニまで走ったが痒み止めなし。家にもなし。ジンマシンだ。で起きられず家事、パソコンで時間も無し。昼からの「陸に上がった軍艦」には遅れないようにしなければ。今日はサービスディ。映画舘が遠い。

 

 海軍も今から見ればこんな阿呆なことを国民に強制していたのか。悲惨、憤懣やるかたないのに新藤さんの手にかかるとブラッラックユーモアのように見えてくる。

新藤監督は昔から乙羽信子をパートナーにして独特の映画、1950年にいち早く独立プロダクション・近代映画協会設立、だれからも束縛受けない自由な映画を作ってきた。信念の人、偉大な監督だ。

 母は若い頃から元宝ジェンヌの「百万ドルのえくぼ」とうたわれた乙羽信子に似ていると言われてきた。今は見る影もない。私は母に似ていない、目だけでも母に似ると良かったのにと子供の時散々言われた。ウンザリ。母も最近までもてた話をしていた。これにはもっと嫌気が差していた。



 新藤さんは結婚してからもずっと「乙羽さん」と呼んでいた。乙羽は元宝塚と思えないほど。泥にまみれ、醜い役もいとわない俳優だった。吉永小百合ひめゆりにも母役で出演。テレビ、映画に大活躍だった。監督と結婚できるまでには長い年月がかかり経済的にも大変だった。監督の人と作品に絶大な信頼があったのだろう。お二人とも見事な生き方だ。

 先回の大竹しのぶ主演の「ふくろう」が日本政府の棄民政策が鋭く描かれていて私の感性にはぴったりだった。エロチックな面もあるがこれは監督のサービス?らしい。嫌らしさはない。経費の関係だが舞台のような雰囲気も芝居好きの私にはうれしい。大竹がピタリとはまる役。いいですよ。観てください。伊藤歩のヌードも綺麗だ。

 新作「陸に上がった軍艦」は新藤さんの実体験をスクリーンで語るドキュメントと蟹江一平が演じるドラマで出来ている。最近このスタイルをよく観る。「ぼくもいくさに征くのだけれど」の竹内浩三のテレビ番組と同じ。真実味が増すようだ。

 監督は新藤組の助監督だった山本保博。デビュー作。



 1944年3月、当時松竹のシナリオライターだった新藤さんは32歳で召集。宝塚海軍航空隊に配属。18歳の兵長に「お前たちはクズだ。兵隊ではない。クズを兵隊にしてやるんだ」と罵られ理不尽な暴力の日々が始まる。今まで陸軍の凄惨なリンチを描く映画、ドラマは観てきたが新藤さんがいうような海軍の「弱兵」の話は珍しい。海軍までこんな馬鹿馬鹿しいことをやっていたのか。新藤さんたちは海軍と戦争しているようだった。



 左から二人目が新藤さん。出征当日、水谷美術監督たち友人との記念写真。

 45年8月15日、「宝塚のお嬢さん 盛装してお待ち下さい 8月15日正午訪問します」と空襲を予告するビラが舞い落ちてくる。なんと言う馬鹿にした文面だろう。

 呉海兵団に入った100名の兵は6人になる。新藤さんが生き延びてくれたおかげで儲けるために作る映画ではなく作りたいから作った映画が観られる。

 鉄カブトを盗んだ疑いで拷問され軍事裁判に掛けられ無罪となるも廃人同様になってしまう兵、妻子の前で何回も殴り倒される兵、木造の張りぼての戦車相手にコレも張りぼての手榴弾を投げつける訓練する兵、ハエを千匹捕まえて家族に面会できる兵など。



 「今日はお祭りですがあなたがいらしゃらないでは何の風情がありません」と妻が書いたはがきを胸に死んだ兵。この妻の言葉聞いてつらくならない人
はいないだろう。

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 新藤監督を演じたのはNHK番組「どんど晴れ」の板前役の蟹江一平。NHKの昼のトーク番組で観た彼はシャイな好青年。坊主頭の長身の彼は清潔感にあふれている。

 新藤監督は今までにも「原爆の子」「第五福竜丸」「さくら隊散る」などの核をテーマにした映画を作った。原爆投下の瞬間を映像にしたいとおしゃっている。
映画が当たれば次の映画が作れるとも。映画館にはパンフだけでなく全監督作品カタログも販売している。どうかこの映画を応援してください。


Re:新藤兼人監督(08/17) 薔薇豪城さん
りぼんさま、お元気ですか?昨日はホホエミさんのところで褒めてくれてありがとう!でも、ほんとにほんとにPCできないんですよ~。
 乙羽さんと新藤兼人監督のこと、良く知らなかったのですが、午後の遺言状で、末期ガンの乙羽さんが、普通は歩けないのに、最後のシーンを撮ったという話を聞き、どうしてそこまでと、お2人の歴史を読みました。2人の映画人生は2人の共同作業だったんですね。
 りぼんさまは他人から見れば、きっとどこか、お母様に似ていて、美人だと想像しております。(2007/08/17 02:42:37 PM)
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Re[1]:新藤兼人監督(08/17) ribon5235さん
薔薇豪城さん
>りぼんさま、お元気ですか?昨日はホホエミさんのところで褒めてくれてありがとう!でも、ほんとにほんとにPCできないんですよ~。
> 乙羽さんと新藤兼人監督のこと、良く知らなかったのですが、午後の遺言状で、末期ガンの乙羽さんが、普通は歩けないのに、最後のシーンを撮ったという話を聞き、どうしてそこまでと、お2人の歴史を読みました。2人の映画人生は2人の共同作業だったんですね。
> りぼんさまは他人から見れば、きっとどこか、お母様に似ていて、美人だと想像しております。
-----
薔薇豪城さん、ありがとう。あれほどPCやっておられるではありませんか。
友人が母に小言を言われ実家から逃げ帰ると言います。あの年代の女性はキツイ。それなのにその母に性格が似てきはしないかと嫌になると言います。
私は父に似ているので困ります。(2007/08/17 05:17:33 PM)
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Re:新藤兼人監督(08/17) さなえさん
最近まで(記憶は定かではないけど6月か7月?)、日経新聞の「私の履歴書」で新藤監督の自分史が連載されていました。ととも面白かったのでお勧めです。少々前に午後の遺言状の公開で舞台挨拶なさって、そのときの話も面白かったですよ。ところで蕁麻疹はもう大丈夫ですか?(2007/08/17 07: 48:40 PM)
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Re:新藤兼人監督(08/17) 永遠のホホエミさん
最近までもてた話をされるお母様、素敵じゃないですか!過去を嘆き悲しむお年寄りよりずっとお幸せだと思います。わたしは年を取ったら何を自慢するんでしょうね。(2007/08/17 08:18:06 PM)
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Re[1]:新藤兼人監督(08/17) ribon5235さん
さなえさん
>最近まで(記憶は定かではないけど6月か7月?)、日経新聞の「私の履歴書」で新藤監督の自分史が連載されていました。ととも面白かったのでお勧めです。少々前に午後の遺言状の公開で舞台挨拶なさって、そのときの話も面白かったですよ。ところで蕁麻疹はもう大丈夫ですか?
-----
有難うございます。日経新聞ですね。探してみます。

ジンマシンは2日かかりました。ぼこぼこで痒くて疲れました。夜、鯖食べたのでちょっとやめたい、原因は不明ですが。この時期多いそうです。胃腸が弱ってなることもあるそうです。さなえさんこそ暑い金沢で熱中症、大丈夫ですか。(2007/08/17 08:32:03 PM)
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Re[1]:新藤兼人監督(08/17) ribon5235さん
永遠のホホエミさん
>最近までもてた話をされるお母様、素敵じゃないですか!過去を嘆き悲しむお年寄りよりずっとお幸せだと思います。わたしは年を取ったら何を自慢するんでしょうね。
-----ホホエミさんはお連れ合い、研究、かんかん君、二胡、教え子と何でもあるでしょう。
(2007/08/17 08:34:50 PM)


Re:新藤兼人監督(08/17) KUMA0504さん
この映画は岡山に着たら何とかして見に行きたいものだと思います。
午後の遺言状」はあの小さいシネマクレールが久々にいつも満員になったことでよく覚えています。しかもほとんど年寄りの方。
乙羽信子の渾身の演技はあの布団を持ち上げるシーンだと聞きました。病人とはまるっきり思わせないあの元気な姿‥‥‥。後で聞いて唖然としたものです。(2007/08/18 09:57:51 AM)
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Re[1]:新藤兼人監督(08/17) ribon5235さん
KUMA0504さん
>この映画は岡山に着たら何とかして見に行きたいものだと思います。
>「午後の遺言状」はあの小さいシネマクレールが久々にいつも満員になったことでよく覚えています。しかもほとんど年寄りの方。
乙羽信子の渾身の演技はあの布団を持ち上げるシーンだと聞きました。病人とはまるっきり思わせないあの元気な姿‥‥‥。後で聞いて唖然としたものです。
-----
乙羽信子の俳優魂ですね。杉村春子も亡くなりました。この日も満席の会が多く喜ばしいのですが大変でした。娯楽作はあちこちで長く上映してますが私はこのような単舘場雁行ってます。「日本の青い空」のようにそれもできない映画もあるのですから。(2007/08/18 04:13:55 PM)
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