<span itemprop="headline">玉三郎の昆劇BSTBSで放送中♪</span>
驚異の蘇州語で歌唱、ソプラニスタと舞、うっとり~♪
バラはお正月のダブルディライト
ブラボー♪夢で出会った人に恋ごがれて、悲痛なお顔に~
以下はasahi.comより
昆劇は600年前に蘇州で発祥した。「牡丹亭」は16世紀末に明代の劇作家・湯顕祖(とうけんそ)が書いた55幕もある大作。玉三郎は2005年から蘇州を訪れ、昆劇のけいこに励んだ。物語の中核をなす場を選定した玉三郎版「牡丹亭」トライアル公演が、08年に京都・南座と北京で上演され、玉三郎は3場に出演。今回、初めて東京で上演される「牡丹亭」では全場面を演じる。
玉三郎は「86年に国立劇場で『牡丹亭』の来日公演を見て、感銘を受けた。それまで京劇のイメージしかなかったが、昆劇こそが中国の本当の音楽だと思った。昆劇の音楽は、シルクロードを渡ってきたさまざまな楽器を蘇州の貴族たちが集め、自国の楽器と共に演奏して成立したもの。その音楽に魅力を感じた」と語る。
「最初は日本語でやるつもりだったが、蘇州に行ったら『一節歌ってみたら』と言われて、蘇州語でやることになってしまった。蘇州語はとがった音や巻き舌があり、母音が七つもある。マスターするのが大変でした」。昆劇では大半を歌で語るが、「高い音は歌舞伎の発声に似ている。女形の経験が役に立った」と言う。
「牡丹亭」は夢と現実が交錯する甘美な恋愛物語。花園にまどろむ杜麗娘(とれいじょう)が麗しい若者・柳夢梅(りゅうむばい)と出会って恋をするが、すべては夢であった。杜麗娘は夢の恋が忘れられずに衰弱、自画像を描き残して亡くなる。3年後、旅の途中に杜家に立ち寄った柳夢梅が杜麗娘の絵姿を見つけ、記憶の中の人が現実にいたことを知る。絵姿に語りかけるうちに杜麗娘はよみがえり、2人は晴れて結ばれる。
「不滅の名作だと思う。夢の中の物語に対して女が命をささげてゆく題材に心ひかれた。当時は身分制度があり、深窓の令嬢と書生とでは結ばれないが、死んで再生して結ばれるところに詩情がある」
これまでも近代劇やバレエとのコラボレーションなど活動の場を広げてきた。
「歌舞伎は、明治以降は伝統として枠がしっかりしてきたが、元々は文楽や能などいろいろなものを取り込んできた演劇。外のことを知るのは僕にとって大事なことで、やってみないとわからないところがある。それと照らし合わせて歌舞伎に戻る。その振幅の中で自分を見つめてきた」