<span itemprop="headline">パッチギ！</span>

　写真は映画「パッチギ！」（突き破る、乗り越えるの意）公式ブログ　韓国での公開ポスター　　韓国映画も日本公開用に結末が異なるバージョン作るけれどポスターも感じ違いますね。先週、「パッチギ！2」を映画舘で観たのですがテレビで「パッチギ！」を観た友人のお連れ合いが良かったとおしゃったのでこの映画の話から…

　「パッチギ！」まずあの「イムジン河」のメロディーと歌詞が好きだったのに放送できない歌になってしまった私の青春時代（笑）

グループサウンズ、学生運動華やかな頃の京都舞台にウエストサイドストーリー、ロミオとジュリエット張りの話が展開。

今でも何かあると朝鮮高校の制服の女子のスカート切るという卑劣な行動を聞くがこの映画の冒頭も、日本人高校生が朝鮮女子高校生（沼尻エリカ、可愛い！）に嫌がらせをする場面。するとその兄の高校生の番長アンソン（高岡蒼佑、ウエストサイドのJ・チャキリスみたい。チャキリスがNHKドラマで演じたR・ハーンが好きでした）ら大勢が駆けつけ激しい乱闘シーンに。バスまでひっくり返して嫌だと思ったのだがナイフなど使わない。殺しあったりしない。ドンドン引き込まれてしまう。あの頃、京都に住んでいたのに世間が狭かった私は何も知らなかった。のちに高校生が朝鮮高校生は怖いと真顔で言っていたのを聞いたが、彼らの歴史を知れば気持ちはわかる。

　「日本は単一民族」と言った元首相は健在だが、これは違う。
元々日本列島には北や南から様々な人達が渡って来た。今の天皇自ら朝鮮からの渡来人とコメント。先進文化は人と共に大陸や朝鮮半島からもたらされた。先住のアイヌ民族もいるし中国系などの人達や、秀吉が連行させた陶芸のエキスパートの子孫もいる。日本が植民地にしたため土地奪われ日本に渡って来た朝鮮の人達やその後過酷な炭鉱労働や建設作業のため強制連行されて来た人たちの子孫もいる。

　井筒監督はそんな歴史を純愛あり、友情あり、の分かりやすいエンターテイメントに仕立ててくれた。
　のほほんとしていた高校生の康介（塩谷瞬）は好きになった女の子がフルート吹く朝鮮高校生だったので韓国語もギターもならい、家族にも会い、民族の河を渡ろうとする。こういう情熱は大事だと思う。アンソンの弟分の伯父（笹野高史・歌舞伎ニューヨーク公演、武士の一分と大活躍）にキツイ事言われたりもするが

「パッチギ！」原案の松山猛は「帰ってきたよっぱらい」も作詞。「イムジン河」は南北に分断された朝鮮でいつかまた人々が自由に往来できる平和な日が訪れることを祈って作られた歌、この歌に訳詩つけてザ・フォーク・クルセダーズに託したという。　　

　
　康介に「イムジン河」を教える青年にオダギリ　ジョー。坂崎幸之助がモデルらしい。
劇中、フォークルの「悲しくてやりきれない」を歌ってる。この曲も凄く好き。俳優が歌うのは味がある。昨日観たフランス映画「輝ける女」のなかでも俳優の歌が素晴らしい。

　あの「それでもボクはやってない」「硫黄島からの手紙」の加瀬亮がオックスの野口ヒデトを演じている！パンフレット見直して発見。なんという役者。全部違う人にみえる。

　余貴美子、キムラ緑子、前田吟、大友康平と豪華

　高校生たちのけんかも「わかってくれ」という叫びという。冒頭のけんかに恐れず多くの人に観て貰いたい映画である。０７・６