riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">ハンマースホイ展と小栗康平監督</span>


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「誰もいないから美しいのではなく、…だれもいないから美しいというべき部屋がある」北欧デンマークの画家・ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864~1916年)がインタビューで語った言葉である。

生前高い評価得ていたのに没後、急速に忘れされられていた画家がいま脚光を浴びている。

会場でも「暗いから嫌だ、朝日新聞は云々」と言ってる女性二人連れがいた。

でも私はこの地味な色調や静寂がなんとも落ち着いてその世界にひたったのだ。

フェルメールをはじめとするオランダ絵画を学んだ画家ハンマースホイ

でもフェルメールの華やかさや物語性とは異なる。

扉にノブやちょうつがいがなかったり、家具の脚が省略されていたり中心に人物がいなかったり、ドアだけだったり、物語や寓意を消している点がすぐれて現代的か。テーブルの脚の影が左右で違う方向に描くなんて、独創的というのか、なんというのか。

自画像にしても筆持った画家より右側に描かれたドアの方がが目立つかもしれない。よほど自信がないとドアだけの絵なんて書けないでしょう。

ハンサムな若い頃の画家とモデルになっていたその妻がアパートの窓から顔出してこちらを見ている写真にはドキリとさせられる。

学生の頃から異彩はなっていたハンマースホイ

王立美術アカデミーの教師は「奇妙な絵ばかり描く生徒がいる。私には理解できないが将来重要な画家になる」と言っていた。
鋭い。

画家の妹を描いた肖像画その視線が逸らされていると酷評され落選した!

3人の女性が視線を合わさず、まるで別々の場所にいるような不思議な絵もある。
女性の後ろ姿のちょっとゆがんでるような体勢になぜかひきつけられる。


当時のデンマーク産業革命がはじまりクレスチャンスボー宮殿もにぎやかだったというのに画家が描いた宮殿は人がいなくてひっそりしている。


描き過ぎないで考えさせる絵のようだ。

ロイヤルコペンハーゲンの蓋つきのパンチボールは実物も展示されていた。実物といっても画家のものではなかったと思うけど。そのころ、もう骨董だったそうである。


蓋物は予想外に大きくて立派だけれど絵の中の蓋物はゆがんでちゃんと蓋が閉まらないところなんて抹茶茶碗を想起する。

これは日曜美術館
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2008/1116/index.html
佐藤直樹さん(国立西洋美術館主任研究員)が茶室と話していたことから連想したのだが。

もう一人のゲストは映画監督の小栗康平さん
公式サイトhttp://www.oguri.info/
小栗康平さんと言えば『泥の河』『伽?塩子のために』『死の棘』『眠る男』

『眠る男』は韓国の名優アン・ソンギが寝ている。もったいないような気がする。シルミド」や「光州5・18」http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/23357231.html
やチェ・ジュウと共演した大統領役
が知的で素敵でした。

韓国俳優の魅力http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/17908493.html

韓国映画の魅力http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/17907825.html

最新作「埋もれ木」は録画が消化できないでいる。映画館で見るべきでした。

ちょうどBSの朝の番組「私の1冊」で小栗監督が「死の棘」を挙げておられた。

映画が100年かかってたどりついたことを100年前の画家が描いていたという興味深いお話。

「映画は動くものを写したいことから始まったが、今は語り過ぎないことで考えさせるところまで来た」


映画のいいところは日常的なテレビでなくて自分で観てあれこれ考えることにあると思う。

今の日本は、誰かの言うまま、に引きずられてひどい政治状況だ。
伊丹万作http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/22740142.html
が述べていたことにも通じると思う。だまされることの責任

産業革命の発展に懐疑を持ってこの静寂な世界つくった画家にめぐりあえて幸いだ。

以下は引用です。

1981年1月に、宮本輝原作の『泥の河』を監督。大阪の安治川に暮らす人々の生活を、幼い少年の視点から、白黒の画面で切なくも端整に描いた作品である。特に、油を飲ませた蟹にマッチで火を付けて遊んでいた少年が、友人の母が男に春を鬻いでいる所を目撃してしまう場面は、鮮烈である以上に、叙情的で実に儚い。子役の演技力も相俟って、高く評価された。同作により、1980年代以降の日本映画の鬼才として認識される事となる。外国語映画賞にノミネートされた第54回アカデミー賞では受賞を逃したものの、モスクワ国際映画祭では見事に銀賞を獲った。

1984年11月には、李恢成原作の『伽?塩子のために』(かやこ -)を発表。在日朝鮮人の少年の恋愛と葛藤と苦悩をリアルに描いた、青春映画である。これまでの日本映画と完全に異なり、在日の人の物語を極めて自然に描く事に成功し、賞賛された。この作品で、フランスのジョルジュ・サドゥール賞を日本人として初受賞した。

1990年4月、島尾敏雄原作の『死の棘』を発表。小説家・敏雄の不倫を知った妻が発狂すると言う私小説を映画化した、非常にショッキングなドラマである。原作者の島尾は、大島渚や篠田等からの同作の映画化の依頼を、頑なに拒否していた。ところが処女作『泥の河』を賞賛し、小栗には映画化を認めたのだ。松坂慶子の迫力溢れる熱演と岸部一徳の異様な存在感も手伝って、傑作として高く評価された。同年5月の第43回カンヌ国際映画祭では、見事に審査員特別グランプリ「グランプリ・カンヌ1990」と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。

1996年2月、役所広司主演の『眠る男』が公開。意識不明となって延々と眠る男を巡る、不思議なドラマである。群馬県が製作(全額出資)し、群馬県中之条町で撮影された異色作で、ご当地映画のパイオニアと位置付けられている。第47回ベルリン国際映画祭では芸術映画連盟賞を、第20回モントリオール世界映画祭では審査員特別大賞を受賞した。

2005年6月、『埋もれ木』