riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">車谷長吉の「悩みのるつぼ」</span>





写真は映画「赤目四十八瀧心中未遂」です。
毎週原作者車谷長吉の「悩みのるつぼ」にははっとさせられる。

教え子が気になってならない教師には
「出来てしまえばいい」
世の多くの人は、自分の生はこの世に誕生した時に始まったと考えていますが、実はそうではありません。生が破綻した時に、はじめて人生が始まるのです。従って破綻なく一生を終える人は、せっかく人間に生まれてきながら、人生の本当の味わいを知らずに終わってしまいます。気の毒なことです。
あなたは自分の生が破綻することを恐れていらっしゃるのです。破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、はじめて人間とは何かということが見えるのです。あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女性と出来てしまえば、それでよいのです。そうすると、はじめて人間の生とは何かということが見え、この世の本当の姿が見えるのです。

今日の相談者は「夫の両親と同居を続けいずれ面倒をみることをしなければならないのか、その理由がわからない」

人は他の生き物を殺し、それを食うて生きています。深い原罪があります。

義父母の看取りをするのがいやならば逃げ出す以外道はありません。逃げ出せば、今よりさらに苦しい思いをしなければならないでしょう。人間としてこの世に生まれてきたことには一切の救いはありません。救いを求めるさもしい心はありますが。だから人は四国お遍路に行ったりするのです。行ったけれど作家である自分には救いがないことが分かった。作家は人間悪をえぐりだす人です。

一番救いを感じたのは、お遍路さんが通る山道を小さなスコップなどで補修している人に会ったことです、後で隠れて土下座して拝みました。
あなた様を含めてご一家の方には救いはない。それを覚悟なさるのがよいと思われます。

潔いというか、グサリ深いというか。「救いを求めるさもしい心」!

友人たちもお遍路に行ってるのにそんな気持ちから程遠い私はさらに罪深い。

車谷長吉直木賞受賞作「赤目四十八瀧心中未遂(2003)」は非常に痛ましい女性と青年のお話です。車谷さんの自伝的要素があるそうです。
汚い狭い部屋で一日中、焼き鳥のクシを作る青年。

実の兄にさらに売られていく在日の女性。
狭い映画館が満員でした。主演の寺島しのぶが受賞したからでしょう。寺島のヌードシーンもあり寺島さんはお母様にも反対されたのですがこの本読んだときに読者カードに感想書いて出したぐらいだったのです。

最近寺島さんはベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞。
寺島しのぶさん、おめでとう~♪
同映画祭の演技部門では、1964年に「にっぽん昆虫記」など2作で左幸子さん、75年には「サンダカン八番娼館 望郷」で田中絹代さんが同じ賞に輝いており、日本人では35年ぶり3人目の快挙。

寺島さんはその前に『赤目四十八瀧心中未遂』『ヴァイブレータ』での熱演が認められ、第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞等、国内外問わず10以上の映画賞を受賞する。結婚間近と目されていた市川染五郎との突然の破局などの話題も相まって全国的な知名度も得た。大胆なラブシーンについては、母の純子から猛反対を受け、絶縁寸前まで追い込まれた。

2008年にはシアタークリエ私生活の演技で平成20年度(第63回)文化庁芸術祭賞(演劇部門・関東参加公演の部)優秀賞を受賞する。これは傑作喜劇でした。

寺島さんを初めてみたのはお母様と共演した大河ドラマ琉球の風
親の七光りと思ったのですが、今は美しく立派になられました。随分前玉三郎の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」や樋口一葉を演じた膨大な台詞の永井愛作「書く女」にも感心しました。