<span itemprop="headline">「川内、何とかします」と言った安倍首相の真意を追及すべきだ</span>
天木 直人 | 外交評論家
「川内、何とかします」と言った安倍首相の真意を追及すべきだ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20140719-00037524/
きょう7月19日の最大のニュースはこれだ。
朝日と日経が小さく報じていた。
すなわち、安倍首相は18日夜、視察に訪れた福岡市内で九州電力会長ら九州の財界人と会食した際に、原発の早期再稼働要請に応えるかたちで、「川内、は何とかしますよ」と答えた、というのだ。
この安倍首相の発言は、安倍首相と会食後に石原進JR九州相談役が取材に応じて明らかにした、というのだ。
これは聞き捨てならない発言だ。
朝日と日経が小さく報じただけで、それで終わりにしてはいけない。
他の主要紙も後多い調査報道をしてこの安倍首相の発言を問題視しなければいけない。
なにしろこんな重要な問題について、安倍首相が、国民に向かってではなく、一部の九州財界人に対して、本心を明らかにしたのだ。
川内原発を再稼働させるとコミットしたのだ。
これは大失言であり、大問題となる発言だ。
じつは同様の政治的発言は菅幹部長官も行っていた。
それをスクープ報道したのが発売中の週刊フライデー8月1日号である。
すなわちフライデー今週号は、「安倍自民 原発再稼働ゴリ押し全ドキュメント」という特集記事を掲載し、その中で、菅官房長官の次のような驚くべき言葉を暴露している。
ある政権幹部が、集団的自衛権の問題で安倍政権の支持率が下がるのは確実だから、原発再稼働は見送ったほうがいいと進言したのに対し、菅官房長官はこう反論したというのだ。
「再稼働をズルズル引き延ばしていくと、いつになっても再稼働出来ない。福島第一原発で汚染水が漏れたりするかもしれない。そうした事を考慮すれば、『再稼働は先送り』なんて悠長なことは言えないだろう!」
この一言で政権内部の慎重派の声はかき消され、そして安倍首相は菅氏の意見を聞きいれ、年内の再稼働を決めたと、フライデーの記事は書いているのだ。
このフライデーの記事をきょうの朝日、日経の記事とあわせ読むと、安倍首相は川内挽発の年内再稼働を決めたということだ。
それが「何とかしますよ」という安倍首相の発言の真意であると考えれば、すべてに合点がいく。
それにしても、先週号のフライデーが安倍政権のNHKクローズアップ現代への恫喝をスクープ報道したと思ったら、今度は菅官房長官の原発年内再稼働発言だ。
安倍政権にとってこれ以上ない痛烈な批判記事を立て続けにスクープ報道している。
NHKへの圧力スクープ報道は世論の大きな反発を招いた。
それに慌てて菅官房長官は、事実無根のひどい記事だと、フラッシュの記事を切り捨てた。
はたして今週号の週刊フライデーの、「原発再稼働ありき」の菅官房長官の発言について、世論の反発はどこまで広がるのだろうか。
それに慌てて、安倍首相や菅官房長官は、今週号の週刊フライデーの記事は事実無根のひどい記事だと否定するのだろうか。
大手メディアはまったく役に立たないが、週刊フライデーはこのところ大健闘している。
もはや週刊誌や雑誌の中にこそ、権力を批判する真実の情報公開があると考えたほうが良い。頑張れ週刊誌、雑誌、そうエールを送りたい
(了)
転載元: 天地の超常現象