国は責任取らない!スベトラーナ・アレクシエービッチとフクシマの番組
昨夜のスベトラーナ・アレクシエービッチとフクシマの番組、
やはり観てすごく悲しいけれど事故で哲学的になった立派な庶民の姿に感銘受けます。これを大きな抵抗につなげなければなりません。
nyaさん、教えてくださりありがとうございます~
アレクシエービッチの著作、出演番組はどれも言い表せないぐらいの
静かな衝撃受けます。
彼女自身被爆し、妹を失い、妹の娘を養女としています。
7時からの放送で前半は前に放送したチェルノブイリ事故の被害者のインタビュー。
消防士の妻、その夫(原子炉になった夫を看病)
生まれてすぐ死んだ娘(泣き柄も奪われる)息子、祖父の話も胸がえぐられる思いになります。
貧しいゆえに汚染された牛乳を可愛い子供たちに飲ませ続けている親たち
避難はしたが戻ってくるお年寄り、彼らが亡くなると村も消滅する、
これはフクシマも同じです。
後半の一時間は更に哀しいアレクシェイビッチのフクシマ訪問。
2015年ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチ。「核と人間」「国家と個人」の問題を考え続けてきた彼女は、昨年11月に福島の原発事故の被災地を訪ね、人々の声に耳を傾けた。前編では、チェルノブイリ原発事故の被ばくで苦しむ人々を訪ね、埋もれていた声を記録する取材に密着。後編では、福島の被災者を訪ね、人々の心の叫びに耳を澄ます。2つの原発事故から浮かび上がった思索とは。
【出演】ノーベル文学賞受賞作家・・・スベトラーナ・アレクシエービッチ
【語り】清水紘治
【出演】ノーベル文学賞受賞作家・・・スベトラーナ・アレクシエービッチ
【語り】清水紘治
津波だけなら漂ってその後救助されたかもしれないが、
見捨てざるをえなかった命はどれほどいたか。
現実を観なければ。
もっと原発関係者は責任感じてほしい。
今も避難所で野草の種の天日干凍み餅や野菜を作る
江戸時代の飢饉を乗り越えた食べ物、
こういうものをさわっている時は愉しい菅野榮子81歳
これですね、救いです。浄化。
畑を借りて農作業している。
不自由さの中にも好きなことしなければ放射能の中で暮らせない
居場所をもがれたまさに根こそぎ折られた花
しかし
これも私の人生、行きなければ
彼女の生命力に心が震えたアレクシェービッチ、私も同様です。
避難所が閉鎖されたら帰宅して野菜作ると。
立派で大家族で幸せに暮らしていたのに。
飯館の厳しい気候が私を育ててくれた
土と太陽があったからここまでこられた
これをちぎってしまったのが放射能
自死された酪農家と隣家の女性、
壁に描かれた遺書「原発さえなければ」は
板打ちつけて観られません。
102歳で自死したお年寄りの家族の女性
新築して魚屋を再開する夫婦、子供たちや孫は帰れない、
当たり前です。
買い物に車がなければ千円の物買うのに6000円のタクシー大が必要。(私は生協にお世話になっています)
偉い先生が大丈夫と言ったから皆戻ってきた。
これは明日の私たちの姿です。
飯館に帰る菅野さん、
村や国や企業が安全と安心をどれだけ担保に入れるか、
これからが戦争だ!
「国は人命に全責任を負うことはしない」 アレクシエービッチさん、福島で思う
原発事故に遭った人々の証言を集めた「チェルノブイリの祈り」などの著作で知られる、ベラルーシのノーベル文学賞作家でジャーナリストのスベトラーナ・アレクシエービッチさん(68)が二十八日、東京外国語大(東京都府中市)で名誉博士号を授与され、学生との対話に臨んだ。今回の来日で福島第一原発事故の被災地を訪ねた感想を語り、「明日すべての原発を止めることは不可能でも、何ができるかを考え始めることはできる」と述べた。
アレクシエービッチさんは二十三日の来日後、福島県を訪れて原発事故の被災地を視察。事故で住居を追われた人々の話を聞いた。福島市出身の同大二年、茂木颯花(もぎさやか)さんに「福島で何を思ったか」と尋ねられ、「チェルノブイリ事故と同じで、国は人の命に全責任を負うことはしないと強く感じた」「全体主義の長い文化があった我が国と同じく、日本社会には抵抗という文化がないようにも感じた」と答えた。
現在のロシアの覇権主義的な姿勢について聞かれると、「国民の意識の軍事化が行われている。恐ろしい時代になっている」と警鐘を鳴らした。若者へのメッセージとして「どんな状況であっても、人間らしさを失ってはならないと理解してほしい」と語りかけた。
アレクシエービッチさんは対話に先立ち、「とあるユートピアの物語」と題して講演。市井の人々の言葉をすくい上げ、記録文学を執筆してきた半生を振り返り「一人の話は個人の運命だが、百人の話は歴史になる」「私の仕事は命についての対話と呼びたい」などと語った。
対話を終えた茂木さんは本紙の取材に「原発が再稼働されるなど、現状に絶望的な気持ちだったが、励まされたような思い。『小さい人』一人一人の証言をまとめた彼女の作品を、すべての人が読むべきだと思う」と話した。(樋口薫)
◆アレクシエービッチさん 学生との対話詳報
東京外語大で行われたノーベル文学賞作家アレクシエービッチさんの講演と学生との対話の詳報は以下の通り。
学生「福島で何を思われましたか」
学生「私は原発をなくさなくてはならないと思うが、それは可能か」
学生「ロシアで『アフガニスタン侵攻は正しかった』との再評価が進んでいると聞き、危惧しています」
学生「私はウクライナ人ですが、ロシアとの関係を良くするために何ができるでしょう。また、あなたの本は両国にどんな影響を与えていると思いますか」
ア「あなたは芸術にグローバルな役割を求めていますが、私は宗教や芸術はより繊細なレベルで機能するものだと思います。一人一人の人間の心を和らげるとか、人生を評価するとか。私はアフガニスタンで死体を見ました。ひどい光景、非人間的な光景でした。あなたのような若い人に言えることは一つ。どんな状況であっても人間であり続けること、人間らしさを失わないことだと思います」
ア「人は意外に多くのものに救われています。例えば愛。自然や音楽、毎朝コーヒーを飲むというルーティンの行動にも、偶然にも。さまざまなつらいことがありますが、人生は興味深く、生きるのは面白いと私は思います」
◇講演要旨
私の本には普通の人が登場し、「ちっぽけな人間」が自分の話をします。ささいなこと、人間くさいこと。いつも日常の言葉から文学を作ろうとしてきました。どの本も五年から七年かけ、五百人から七百人の人生を書き込みます。私は見過ごされた歴史を追う、魂の歴史家です。