riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">「李香蘭」と「マドモアゼル・モーツアルト」私のミュージカル観劇人生 3</span>



 日本のオリジナルミュージカルと言えば音楽座、いずみたくのイッツフォーリブス、ミュージカル座、宝塚、OSK、四季、東宝などの心に響く舞台を観てきた。

 
音楽座はいつもオケ付き。

土居裕子の1988年初演の「シャボン玉飛んだ、宙までとんだ」はいたく感心した。

前から雑誌ミュージカルでも評判だったがこの「シャボン玉…」で初体験した。

その後も、モーツアルトは実は女だったという設定の漫画が原作の「マドマアゼル・モーツアルト、コレは面白いですよ。メンデルスゾーンの姉だったか作曲しても女では発表できないから弟の名で。コレは「嵐が丘」などのブロンテ姉妹と同じ。
 
「星の王子様」リトルプリンス夏目漱石原作の坊ちゃんの「アイ・ラブ・坊ちゃん」遠藤周作原作の「私が・捨てた・女」の「泣かないで」「とってもゴースト」など作り手のヒューマン精神発露の舞台を観ることが出来たのは幸せ。土居さんのオペラで鍛えた美しい歌声と可愛い容姿!

ミュージカル座の「ひめゆりにも出演し素晴らしかった。



 四季のオリジナルミュージカルでは「李香蘭が私の中ではベスト。

中国大陸への悲惨な加害の歴史が美しい音楽で展開する。野村玲子の香蘭や保坂知寿川島芳子…宝塚の男装のようでかっこいい!この二人の歌!

 戦時中、敵国日本に協力した漢奸=祖国反逆罪に問われた李香蘭を許す中国の裁判長のオペラの歌唱はこの劇にぴったり。

この舞台のビデオを何回か観ているうちに今は著名なスターの岡幸二郎の姿を発見した時はうれしかった。

 満州事変、日本が作った偽りの満州国建国、抗日ゲリラが逃げ込んだ平頂山の村の3000人の住民を銃殺、国際連盟脱退、日本の貧しい農民を満蒙開拓団として送り込む、敗戦時には彼らは見殺しになる。盧溝橋事件などが描かれる。


 李香蘭山口淑子は戦後アメリカでも活躍し有名な芸術家イサム・ノグチと結婚、のち司会者、政治家にもなった。その彼女の戦前の姿を知り原作も読み、BS「心の旅」で彼女の命の恩人のロシア人女性も知ることが出来た。香蘭は忙しさもあり自分の愛する中国を侮辱する映画に出でいたことも分からなかったという。

 中国で捕虜になった日本兵は食事もちゃんと与えられ許されて帰国することが出来た。シベリアでの過酷な強制労働の挙句亡くなった日本兵や東南アジアで捕虜虐待の罪で死刑に処せられた韓国兵・日本兵との違いはあまりに大きすぎる。

 四季はシベリアでの悲劇を描いた「異国の丘」、BC級戦犯描いた「南十字星もミュージカルとして上演した。戦争を知らない若い方には必見の舞台。特に「李香蘭」はスピーディに日本の侵略の様子が理解できる。

 「李香蘭」は中国でも上演。四季の俳優は「何か投げられてもしかたない」と覚悟したらしいがさすが大人の国、歓迎してくれたそうである。劇中の印象的な歌、「松花江上」の「9.18」チュイパ。満州事件の引き金となった柳条湖事件。この日を境に故郷を追われた人々の望郷の歌。確か、北京語で歌われたはず。