<span itemprop="headline">ベルばら 私のミュージカル観劇人生 3</span>
宝塚といえば「ベルばら」初演時は劇画ファンのお気に入るかどうかとか、長谷川一夫が演出するとか社会現象となった。それより少女漫画に歴史大河ドラマ、しかも主人公は自分の意志で生き方を決めるキャリアウーマン、と言うのが時代にアピールしたのだろう。池田理代子先生は素晴らしい人物を造形したものだ。
私が初めて生のベルばらを観たのは花組の大浦みずき、残念ながら彼女の役はフェルゼン。オスカル姿は雑誌歌劇で観ただけ。似合うのになあ。彼女は何でも上手い、メーク、ダンス、芝居、歌、誰にも真似が出来ない、舞台に登場すると一瞬に彼女の世界、玉三郎と同じだ。宝ジェンヌの憧れの人。ニューヨークなどの海外公演も多くデートリッヒの再来とうたわれたりした。ダンスはフレッド・アスティアの如く流れるエレガンス。
ちなみにそのときの2番手の朝香じゅんも私の贔屓。巡り会わせが悪くトップになれなかったが山本周五郎原作の「ちいさこべ」の舞台化の主役など抱擁力が素晴らしかった。
雑誌歌劇で扮装したマリーアントワネットの美しさ!口跡も良かった。本来の役はアンドレだった。
漫画「ベルサイユのばら」は1972年連載開始。後にフランス革命のややこしい細かい歴史を学ぶのにこの漫画はよく助けてくれた。主役の一人は男装の麗人オスカル、しかも仕事を持つ女性。池田先生と時代が生んだ傑作だ。読めば(T_T) ウルウル
73年週刊「マーガレット」でオスカル、西城秀樹とコラボ?
74年に宝塚月組が「ベルばら」初演。
マリー・アントワネット役の初風はホントに大プリマドンナと思った。他にもばらの公女の潮はるか、榛名由梨のオスカル、実力ありましたね。後の公演ではにこれが「歌劇か」と思う歌唱力に派手すぎのメークや衣装にちょっとと感じたこともあるが美術家の森村泰昌が宝塚は日本の観たフランス、フェイクだからみたいな事書いていたので納得することにした。
ベル薔薇は宝塚の歌舞伎、アントワネットの「私はフランスの女王なのでぇーすかぁーら」とミエきるところは見せ場ですね。
生でないとその衝撃が味わえないのがアントワネットが断頭台を登り、一瞬にして華やかなフィナーレの大階段に変わるところ。コレは素晴らしい舞台効果。
録画のみの観劇ですが75年の今は琵琶奏者の上原まり、89年雪組の仁科有理のマリーが好きです。
トップにあわせて無理にアンドレやフェルゼンを主役にしてマリーとオスカルの対面場面もないベルばらにはついていけなかった。
生で観たのは90年花組大浦みずき、91年月組涼風真世のみ。
ベルばらのフィナーレのエトワールの歌が好きで録画からカセット!に移して楽しんだ。星組の久留米じゅん、花組の純名里沙、雪組の仁科有理の歌唱がお気に入り、ベルナールの一樹千尋、綾瀬るりのロザリーのデュエットは大好き。上手い人に光が当たらないと我慢できない私。下手な歌も聴かされた。
フランスで撮った映画も観ていない。歌舞伎役者の「俳優祭」のベルばらは特筆に価する。猿之助演出、今の福助のオスカル、爆笑。福助の喜劇は非常に面白い。
他にも男子高校生の「ベルばら」やバレエ、オペラ版もあったようだ。
この漫画のおかげでアントワネットの田舎屋も訪問、ルソーの「自然へ帰れ」に呼応した田舎屋は莫大な浪費になってしまったらしい。うるさい規則や服装にに縛られない田園生活に憧れるのは分かるが生涯1冊の本も読み通せなかったフランス王妃。ツワイクの伝記は彼女に好意的。あまりに母テレジアとの違いに歴史の皮肉を思う。今年の映画のマリー・アントワネットはお菓子やファションが好きなホントに普通の少女の悲しみをえがいていた。