riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">玉三郎のシネマ歌舞伎</span>


 ようやく観ました。予告編は菊之助の「怪談」だけですぐ幕あく。歌舞伎座のざわめきの中に自分もいるような感じにしてくれる。観客から思わずどよめき。映画舘なのに。

 歌舞伎の豪華絢爛さがまず目に飛び込んでくるのがいいですね。満開の桜、紅白の幕、大勢のお坊さんにお囃子。能からこの舞踊が出来たようにお坊さんが狂言の笑いのパートをになう。知っていても笑える。そして菊之助白拍子花子の登場。可愛いらしさ満点。私は残念ながら生でこの舞台を観ること出来なかったので玉三郎が又花道から出るのかと思ったらすっぽんからせり上がるのだった。この花子は清姫の怨霊なんですね。陽と陰でもある。

二人の花子が姉妹のように並び立った時、こみ上げるような感じに、この舞台創るまでの精進!着物着るだけ、かつらだけでも慣れるのは大変。結婚式のかつらの重さに首がめり込むよう様だった私。

 めくるめくようなというのはこういう事なのか、菊之助観ていると思えば玉三郎に変わる、二人が一人に、一人が二人に。又、鏡に映る様にして豪華な、着物、帯、かんざしまでも息が通うように。玉三郎ほど衣装を美しく魅せてくれる役者を私は知らない。自前の衣装。その職人に通う玉三郎をテレビで観た。

 恋人安珍に裏切られ、彼女の一方的な思い込みで迷惑でしょう。安珍を追いかけた清姫が恋の執念で大蛇となって鐘にまき付き、中に隠れていた安珍を鐘もろとも焼き尽くしたと言う紀州道成寺の伝説が能になりさらにこの舞踊劇になったという。だから鐘をにらむ時や終わりに鐘に登ってみえきる時の玉三郎の怖い顔がたまらなくいい。昔の人はよほど女性が恐ろしかったと見える。それだけ女性をいじめていたのだろう。ファムファタールとか。歌舞伎は女性が始めたが女性は禁止となり男性のものとなったからしかたない。歌舞伎だけのことではないけれど。

 最近、川本喜八郎のアニメ「道成寺」を鑑賞。短いものですが印象強い。人形の花子のなまめかしさ、ここでは未亡人の設定。迷惑そうな安珍、無残なその最後。シネマ歌舞伎とあわせて観劇されることをお勧めする。現代に生きるならコレを見逃すと惜しいですよ。