riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">井上ひさし「組曲虐殺」その2</span>






録画した井上ひさしの「組曲虐殺」を見ました。
三時間の大作ですがあっと言う間に観ることが出来ました。最後まで出筆の意欲なくさなかった井上さんですが、この作品を書けたからいいんだよも言われたそうです。

やはり素晴らしい出来です。拷問のシーンはリアルにはありませんが新たに怒りや悲しみがこみ上げてきます。

初めて多喜二の遺体の写真観た時の衝撃、モノクロですからまだ見られますが。その時は多喜二がもっと壮年の人と思ったのですがわずか29才だったのです。残酷に断ち切られた尊い命!

どうして国家というものはこんな酷い事が出来るのですか。
反戦柳家の鶴彬もそうでした。



その後の日本は自国民も他国民にも塗炭の苦しみを与える戦争へ。

写真は今月のミュージカル誌の井上芳雄のページです。
読んで涙、ぜひ早く舞台の録画観なくてはと思いました。

井上芳雄エリザベートモーツアルト、などで活躍しているさわやかで歌唱力のあるスターです。
この作品では多喜二を演じています。その歌と演技は今までに見たことがないぐらい激しいもので感心しました。

井上ひさしが亡くなったその日に小樽文学館で多喜二のデスマスクと対面していたそうです!

彼にとり井上ひさしは色々な贈り物をくれるサンタクロースか天使みたいだったそうです。

この舞台の多喜二は井上先生の姿そのもの。

この作品が最後になったのも象徴的です。

「♪本棚に彼がいる限り
  カタカタまわる
  胸の映写機」     

この歌は印象的です。




写真右の男性はこの舞台で素晴らしい生演奏された 小曽根真 とお連れ合いでこの舞台で多喜二の妻役の神野美鈴 、歌と演技、いいですね

高畑淳子のさすがの演技!「地下活動ゆるくないなあ」 という台詞にぐっときます。
病と闘いながら命を削って生み出した台詞です。

石原さとみ、「多喜二君絶望するな!」 、ほかの方の演技もみせます。涙だけでなく笑いもあります。

井上さんは人間は悲しい、笑いは人間に備わっていないので作り出さなければと。

小林多喜二井上芳雄 「後に続く者を信じて走れ!」
姉・佐藤チマ=高畑淳子
婚約者と妻の間だった田口瀧子=石原さとみ
同志であり妻となった伊藤ふじ子=神野三鈴
特高・古橋=山本龍二 特高・山本=山崎 一

井上先生の故郷山形でコンサートされた時の写真。

詳しいあらすじなどはぴかちゅうさんの記事でご覧ください。
特高の二人を悪として単純に描くのではなく彼らの貧しい生活や多喜二に感化されるシーンもさすがです。

蜷川幸雄さんのコメントを以下、引用。
「9日死去した作家、井上ひさしさんについて、演出家の蜷川幸雄さんは「昨年、僕が井上さんの戯曲『ムサシ』を演出した際にはお元気だっただけに、驚いている。新作を書いてくれることにもなっていたので残念。井上戯曲の根底には激しい怒りのマグマが燃えている。虐げられている弱者の、強者への怒りを、さまざまな笑いにまぶして書いてきた。敗戦、戦後の時代の流れとともに得たもの、失ったもの、大切にしてきたものなど、いろいろと考え、怒りを持続させてきたのだろう。5月からの『ムサシ』のロンドン、さいたま、ニューヨーク公演が、追悼公演になってしまった。井上さんがこの作品に込めた『報復の連鎖を断ち切りたい』という切実な思いを、世界へのメッセージとして伝えていきたい」とコメントした。」

再放送のお知らせ
BS2 5月10日(月)午前0:40~3:55(9日深夜)