riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">古田新太主演「藪原検校」</span>





戯曲読んだ時もおおーっと思いましたが、みるみる引き込まれました。
こんなすざまじいエネルギーの舞台を録画したまま放置していたとは、
これで井上さんがお亡くなりになって7作もお芝居をテレビ鑑賞。
初演は1973年主役高橋長英、相手役太地喜和子です。 これもテレビ鑑賞したはずですが全然覚えていません。

普通の人でも身分差別が当たり前の時代、飢饉や年貢の厳しい取り立てなどで生きにくいのに、盲人ですからさらに過酷だったでしょう。
戦争中もお国のために兵隊にもいけないからとさらなる差別受けたり空襲警報も聞こえない人は、苦難の連続だったでしょう。

塙保己市 のように学問で世に出た立派な方もいますが藪原検校はその対極なような人。でも彼も初めから悪人だったわけがなく、親の因果が子に報いなどの世界です。

この盲人の世界も厳しい階級社会、それがお金で買えるとわかれば高利貸し、その他なんでも悪事を働いてでものし上がろうとする人も出ても無理ないかもしれません。

冒頭の赤崎郁洋のギターと壤晴彦の語りからこれはすごいぞと思わせます。
壤晴彦さんは狂言大蔵流茂山千五郎(現茂山千作人間国宝)に師事。その後劇団四季を経てフリー。さすが、ミュージカルの舞台を見た記憶があります。
初演のギターは井上さんのお兄さんだったそうです。津軽三味線をギターでということで、いいですね。赤崎郁洋のギター、素晴らしい。
宇崎さんの音楽もボブディランみたいなところがあって頭に入ってきます。
とんでもない罪悪を歌っていくのですが面白く笑わせます。
膨大な台詞と歌詞。

極悪人になっていく主役は愛嬌魅力一杯の古田新太、劇団新感線の新作も観たかった!
舞台では非常に色っぽい田中裕子
塙保己市に段田安則、里芋食べるところも上手い。「ロマンス」や美術番組でのあの漂々とした感じも好きです。みなさん芸達者ですよね。

組曲虐殺」で特高刑事演じた山本 龍二さん、役によってはこんな色気が。180㎝の長身。桐朋学園芸術短期大学演劇専攻卒業。青年座。基礎がしっかりでしょうね。

文学座の神保共子もお馴染み。

段田さんが首切り役人やった後又すぐ別人として登場!早変わりです。
父と暮らせばの梅沢昌代、娼婦になる時は綺麗です。
佐久間検校などの六平直政も面白いです。27、8才とか笑えます。
最後の場面などは王女メディアを連想する蜷川ワールドの赤いリボン!

以下は引用です。
藪原検校公式サイト
天保十二年のシェイクスピア』で2005年の演劇界を席巻した最強のスタッフが再結集!
江戸三部作の一作目として1973年の初演以来再演を重ね、エジンバラ演劇祭をはじめ、世界各地で絶賛された井上ひさしの傑作に、蜷川幸雄が新演出で挑みます。

因果な宿命を背負い盲人として生まれた杉の市は、晴眼者を見返すために悪行の限りを尽くし成り上がっていく。一方、知性と品性を磨くことこそ晴眼者と対等の場に立つための唯一の道と説く塙保己市。盲太夫という語り手により進行する残酷なユーモアと風刺満載の物語です。

杉の市(後の2代目藪原検校)に古田新太、塙保己市に段田安則、そして杉の市を愛するがゆえに自分の亭主を殺すお市に田中裕子、物語の語り部を務める盲太夫に壤晴彦。佐久間検校などに六平直政、杉の市の母、お志保などに梅沢昌代、初代・藪原検校などに山本龍二松平定信などに松田洋治、強請られる寡婦などに神保共子、その娘などに景山仁美、そしてギター奏者に赤崎郁洋。個性的で魅力あふれる最高のキャストを得た、この春最大の話題作!

時は今から二百年ほど遡る江戸中期の享保、塩釜の地。 小悪党の魚売り七兵衛は、醜女だが無類に気立てのよいお志保を嫁にもらい一旦は改心するが、女房のお産の金欲しさに行きずりの座頭を殺して金を奪う。が、生まれてきた男の子は盲だった。「座頭をひとり減らしてまたひとり殖やしただけだ」とめぐる因果の恐ろしさに、七兵衛は自害する。生まれた子は、塩釜座頭・琴の市に預けられ杉の市という名前をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三で女を知り、師匠の女房のお市にまで手をつける始末。ある日、難癖をつけて金を巻き上げようとする佐久間検校と言い争ううち、検校の結解(けっけ=目明きの秘書のこと)を刺してしまう。別れを告げに寄った母の家で、誤って母を刺し、駆け落ちしようとお市と共謀して師匠琴の市を殺すが、お市は瀕死の琴の市の返り討ちにあう。
一人になった杉の市は師匠から盗んだ金を携えて江戸に向かい、門下生になるために学者・塙保己市の元を訪れる。晴眼者以上に品性を磨くことを目指す塙保己市が、万事が金と考える杉の市を弟子にするわけもない。
その後、藪原検校に弟子入りし、貸し金の取立てで見る間に頭角をあらわす杉の市。そして二度目の主殺しをし、念願だった二代目藪原検校の襲名披露の日、彼の前に立ちふさがる影が………。

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2010-04-11
井上ひさしが当時流行っていたアングラ演劇を、
彼なりに咀嚼して造り上げたもので、
最初に木鐸の響きと共に、
場内が深い闇に包まれるのですが、
その辺りは寺山演劇のパクリに近いのです。
また、井上ひさし氏の実兄が、
客席の最前列で生ギターの伴奏を奏でるのですが、
その趣向は、つかこうへいの常套手段でした。

上のご意見はどうなのでしょうか。寺山もつかこうへいも苦手なのでわかりません。宝塚出身の大浦みずきが、寺山のレミングに出ていたので観たのですが私にはさっぱり理解出来ませんでした。

友人に寺山修司の「ひとりぼっちのあなたに (1965年)」をもらったのですが、後で高い値段が付いたらしいです、今は復刻盤出来たのでそれほどでないでしょう。しかも私のその詩集には友人自作の詩まで書き込まれていますから。

追記
今、桐原良光著「井上ひさし伝」を読んでいるのですがその中に「頭痛肩こり樋口一葉」(これは生で観ることが出来ました。)ではつかこうへい先生に演出の手ほどきをしてもらったとあり、その後に又いい話がありますが前次回です。