<span itemprop="headline">フロリバンダの黄色のバラが咲きました~</span>
フランスの詩人の名前をもらった人気のバラ
「ばら」(訳井上究一郎)
酒にばら そそがなん、
そそがなん、酒にばら。
つぎつぎに 飲みほさん、
飲むほどに 胸深き
悲しみは 消えゆかん。
美しき 春のばら、
教えるよ、オーベール、
この時を たのしめと、
若き日の、青春の、
花の間を たのしめと。
咲くと見し、その日はや
色褪せて、散れるばら、
われらまた この齢
束の間に 衰えて、
人生の 春むなし。
酒にばら そそがなん、
そそがなん、酒にばら。
つぎつぎに 飲みほさん、
飲むほどに 胸深き
悲しみは 消えゆかん。
美しき 春のばら、
教えるよ、オーベール、
この時を たのしめと、
若き日の、青春の、
花の間を たのしめと。
咲くと見し、その日はや
色褪せて、散れるばら、
われらまた この齢
束の間に 衰えて、
人生の 春むなし。
きのうなり、プリノンと
ともに飲み、語りしは。
あわれ、今日 はや葬り、
いささかの 灰となり、
残れるは 名のみなる。
のがれえず、死のさだめ。
黄泉の舟 へだてなし、
王侯も、貧しきも。
時去れば、ばらよ、われ
汝をしも うたうまじ
ばらは園のほこりよ、
こよなく美し花、
すべてに秀する花。
そのゆえに キプロスの
すみれとも 称うべし。
ばらはアモルの花束、
借りて巣の手すさびよ。
ばらは 夜のひきあけに、
真珠もて かざられて、
その化粧 ほの白し。
ばらは神々の香り、
ばらは乙女のほこり。
高貴なる黄金よりも
よろこびて、その胸に
かざるなり、初花を。
ばらなくて なんの美ぞ
ばらありて 美あまねし。
ウェヌスは ばらの肌、
アウロラは ばらの指、
朝日子は ばらの額。
ニンフらは ばらの胸、
肱 脾腹 腰もまた。
ヘペは手に ばらあふれ、
色白き カリテスも、
その額 ばらに満つ。
われもまた ばらの冠、
こはわれの 月桂樹。
いざ 呼ばん、酒神を、
よき父を、飲ましめん、
百のばら 侍らせて。
うつつなし、バッカスは、
くれないの はなびらに。
ばらはそのつねの友。
葡萄棚、その下に、
櫬衣(シャツ) はだけ飲む夏も。
『続恋愛詩集』1555年
ともに飲み、語りしは。
あわれ、今日 はや葬り、
いささかの 灰となり、
残れるは 名のみなる。
のがれえず、死のさだめ。
黄泉の舟 へだてなし、
王侯も、貧しきも。
時去れば、ばらよ、われ
汝をしも うたうまじ
ばらは園のほこりよ、
こよなく美し花、
すべてに秀する花。
そのゆえに キプロスの
すみれとも 称うべし。
ばらはアモルの花束、
借りて巣の手すさびよ。
ばらは 夜のひきあけに、
真珠もて かざられて、
その化粧 ほの白し。
ばらは神々の香り、
ばらは乙女のほこり。
高貴なる黄金よりも
よろこびて、その胸に
かざるなり、初花を。
ばらなくて なんの美ぞ
ばらありて 美あまねし。
ウェヌスは ばらの肌、
アウロラは ばらの指、
朝日子は ばらの額。
ニンフらは ばらの胸、
肱 脾腹 腰もまた。
ヘペは手に ばらあふれ、
色白き カリテスも、
その額 ばらに満つ。
われもまた ばらの冠、
こはわれの 月桂樹。
いざ 呼ばん、酒神を、
よき父を、飲ましめん、
百のばら 侍らせて。
うつつなし、バッカスは、
くれないの はなびらに。
ばらはそのつねの友。
葡萄棚、その下に、
櫬衣(シャツ) はだけ飲む夏も。
『続恋愛詩集』1555年