<span itemprop="headline">花森安治「灯をともす言葉」</span>
暮らしの手帖の創刊者である花森安治氏の言葉集です。
新聞・雑誌・書籍に掲載された 氏の執筆・対談記事より
編集・抜粋したもの。
* 美について
* この国について
* 私たちの暮しについて
* 造ること、売ること、買うことについて
* 装うことについて
* ぼくの仕事、そしてジャーナリズムについて
* 戦争について
花森氏の激しく鋭い言葉
どの言葉も心に刻みたい、今こそ私たちは目駄目ないと、黙っていては
破滅しそうです。
この本はいつもそばに置きたい。
ぼくは
大マスコミというのは、
いまだかって、
そのへんの庶民のために、
命がけで闘ったことがない、と認識している。
だが、本質的に庶民の立場に立てないにしても、
少なくとも政府のお先棒かつぐ事だけは、
やめたらどうなのか、
そう言いたいんだ。
<くに>に、
政府や国会に言いたい。
<くに>を守らせたために、
どれだけ国民をひどい目にあわせたか、
それを、忘れないでほしい。
それを棚あげにして、
<くに>を守れといっても、
こんどは、おいそれとは
ゆかないかもしれない
政治のあり方をみて、腹も立たず、
しかたがないと、うすら笑いをうかべ、
ばかげたテレビ番組に、うつつをぬかし、
野暮なことはいいっこなしで、
暮らしているうちに、
やがて、どういう世の中がやってくるか。
<国をまもる>とか <国益>とかいいます、
そのときの<国>という言葉には、
ぼくらの暮しやいのちは ふくまれてはいないはずです。
国民を馬鹿にして、ぼくたちの毎日の暮しを
ないがしろにして、なにが民主主義、なにが議会主義であるか。
民主主義の<民>は 庶民の民だ
ぼくらの暮しを なによりも第一にする ということだ
ぼくらの暮しと 企業の利益とが ぶつかったら
企業を倒す ということだ
ぼくらの暮しと 政府の考え方が
ぶつかったら 政府を倒す ということだ
それがほんとうの<民主主義>だ
ぼくらの暮しを、まもってくれるものは、だれもいないのです。
ぼくらのくらしは、けっきょく、
ぼくらがまもるより外にないのです。
考えたら、あたりまえのことでしそのあたりまえのことに、
気がつくのが、ぼくらすこしおそかったかもしれませんが、
それでも、気がついてよかったのです。
皆さまも御一読されませんか。