riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">松下竜一</span>




 昨夜、NHKの「こだわり人物伝」城山三郎を見ていて1945年8月16日に特攻した中津留大尉が出てきた。

この人を私は松下竜一の「私兵特攻」」を読んで知ったことを思い出した。

 図書館の松下の黒い装丁の立派な全集を片端から読んだことがある。何がきっかけだったか。

 この作家を大変尊敬するのに思い出せない。

ヒットしたらしい「豆腐屋の四季」」のテレビ番組も知らなかった。

「泥のごときできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん」


 

 私が持ってるのはこの「豆腐屋の四季」と「ルイズ 父に貰いし名は」「砦に拠る」」での3冊だけで松下先生に申し訳ない。ルイズは伊藤野枝大杉栄の遺児。

 ネツト観れば応援サイトもある。私もお金持ちだったら100セット全集買って図書館などに配るのに。貧乏を題にした本は売れて納税したのがニュースになったらしい。

 最愛の奥様も写真あります。とても感じの良い方。

 松下先生は病身なのに九州電力豊前火力反対闘争などの行動派。」「草の根通信」もある。

 ハンセン氏病患者の「楡山のうたびと」

 下筌ダム反対闘争を貫いた「蜂の巣城」室原知幸氏の物語「砦に拠る」

 「風成の女たち」「怒りていう、逃亡にはあらず」「狼煙を見よ」

 「疾風の人」「五分の虫 一寸の魂」など差別や公害、権力への抵抗、人間愛にあふれた感動作ばかり。


  拙ブログ8月25日に米良美一、8月29日に松下竜一の事を書いた。私が夢中で聴きまくった歌手、読みあさった作家である。この2人が朝日土曜版に載った。

 土曜版の「愛の旅人」で松下竜一と妻の洋子さんの話。本にも洋子、洋子と出てきた。松下さんは「洋子病」といわれるぐらい洋子さんを愛し講演旅行でも3日も持たずに帰宅。毎日3時間も一緒に散歩、誕生日にはお互い花を贈り、毎年旧婚旅行に行っていた。

 「我が愛を告げんには未だ稚きか君は鈴なる小鋏つかう」

松下さんが高校生の洋子さんに贈った歌。結婚の引き出物は35首の相聞歌

 生まれた直後に高熱で右目を失明、母の急死で大学進学を諦め豆腐屋を継ぐ。肺の難病で絶対安静なのに午前2時に起きて日が暮れるまで「言葉を持たぬ野獣のように暗い目をして」働いた。作家になっても病身なのに火力発電所反対運動をしたりハラハラしながら読んだものだ。

 この松下青年のたった一人の理解者が洋子さんの母ツル子さんだった。新聞は2ページ、書斎や仲むつまじい夫妻の写真も載っている。

 処女作「豆腐屋の四季」のドラマで松下さんを演じた緒形拳さんは会った瞬間、
兄弟と思うくらい似ていたそうだ。

 緒形さんはダム建設反対闘争を描いた松下さんの「砦に拠る」の映画化を考えている。この作品は大好きであるし緒形さんが演じたらピッタリ。カンパでもしたい。

 「横顔が神々しかった。孤高の闘士で、やるべき事をすべてやって燃え尽きた、いい生涯だった。僕の中で松下竜一はまざまざと生きている」という緒形さん。。

 福岡県で米軍基地反対運動をする渡辺ひろ子さんは今も松下さんの遺影を基地のフェンスにかけて座り込む。志は引き継がれている。大尊敬する作家である。