<span itemprop="headline">法然と親鸞</span>
信心なく浅い知識だけど世界的な宗教の元々の教えは万民平等、非暴力、慈悲、愛に尽きるのではないだろうか。女性蔑視もない。
前進座の「法然と親鸞」を観た。http://www.zenshinza.com/stage_guide/hounen/2007hounen_midokoro.html
法然・親鸞は革新的な宗派を開いた。前進座も古い歌舞伎から飛び出した劇団。
法然は親を討たれたが敵を恨むなと諭され出家した。彼は当時の仏教のあり方に疑いを持たずにはいられなかった。
仏像を作り、寺や塔を建てなければ救われないなら貧しい民はどうすればいいのか。多くの書を読み深く学ぶこともできず、戒律を破らなければ生きていけないものは救われないのか。
「一切経、五千巻余を納める報恩蔵。法然はすでに全巻を五度読み返し、今は善導大師(中国唐代の僧)の観経疏(かんぎょうのしょ)を一心に読み耽(ふけ)っていた。「彼の仏の願(がん)に順ずるが故に(阿弥陀仏の御名を称えることが仏の願いにかなう)……」
阿弥陀仏の本願はすべての人々を救うというものである。
ひたすら「南無阿弥陀仏」を唱える専修念仏こそ「正行」でありそれで極楽往生できると主張した。
貧しい人や虐げられていた女性にも温かく接した法然。
法然は旧仏教側とは争うことなかったが、危険視され土佐に流された。
弟子の親鸞は越後に流された。彼は関東の農村に移りそこで罪を犯さなければ生きられない猟師、漁師、農民、武士に接し、師の法然を乗り越えていく。
弟子を一人も持たないといい、弟子や信者を「同朋」「同行」とか呼び、教団を組織せず、寺も建てなかった。
法然と親鸞はもともと興味ある偉大な人物であるし復活された梅之助さんの舞台を観ておきたかった。
膨大なせりふでお疲れなのか、梅之助さんはカーテンコールには出てこられなかった。
前進座は若い俳優も口跡よく頼もしい。嵐圭史さんの親鸞はぴったりである。
また、女優さんが活躍するのも前進座のよいところ。
初めて公然と妻帯した親鸞。妻恵信尼 はチャーミング な今村文美
薬草を作り村人に教え与えていた場面あり。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」でコゼットとエポニーヌ演じた白木美貴子は前進座出身。
昔の錦之助の映画では「玉日姫」との朝餉の場面がほのぼのと幸せ感にあふれていた。最近では玉日といわず恵信尼という。
親が贔屓した前進座http://www.zenshinza.com/を長い間観てなかった。
演劇鑑賞会に入ってた時は井上ひさしの「太鼓どんどん」や歌舞伎「かさね」を観た。
前進座の歩みはこちらhttp://www.zenshinza.com/infomration/rekishi/history.html
中村翫右衛門の戦前の映画「人情紙風船」を観て感心したことがある。今回法然を演じている梅之助さんの父で歌舞伎の保守的な風潮に反発して4代目河原崎長十郎らとともに1931年「前進座」を立ち上げた。「鞭の翫右衛門」といわれたほど厳しい人だったそうである。
中村梅之助さんは1930年生まれ。1970年7月から1973年9月までテレビ朝日系列で放映された「遠山の金さん捕物帖」で一躍有名になった。今回の舞台のためにトーク番組に出てそのメモ魔というぐらいの几帳面さにびっくりした。毎年新しい手帳にご自分の出演作品はすべて書き写されている。
息子さんは先日アップした「不撓不屈」
http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/folder/897111.html
「あかね空」
http://plaza.rakuten.co.jp/ribon5235/diary/200704250000/
にも出演されている演技派の中村梅雀。大河ドラマの家重で衝撃的な全国区を飾られたと思う。今は前進座を退団かな。