riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">葉山嘉樹 セメント樽の中の手紙</span>



  


葉山嘉樹仲村さんに教えていただきました。

以前御紹介した 原健一著「葉山嘉樹への旅」 をようやく読みました。
葉山嘉樹文学碑
「馬鹿にはされるが真実を語るものがもっと多くなるといい」


葉山嘉樹の本は読んでないのでまず図書館で借りようと思ったら、ネットにありました。一部転載させてもらいました。
名作といわれるだけありますね。ショッキングな内容です。

角川から文庫本が出ています。
葉山嘉樹は過酷な労働現場や獄中生活を体験し、その現実に基づいて執筆していると言うことです。

今も派遣切りとか、ワーキングプア

敗戦後、平和憲法労働基準法教育基本法財閥解体出労働者の権利が獲得されたはずなのに、ずるずる盗まれています。

絵に描いた餅にならないようにするためには?
やはり声を上げていかなければ、そういう先駆者を応援しなければ。

私はNセメント会社の、セメント袋を縫う女工です。私の恋人は破砕器(クラッシャー)へ石を入れることを仕事にしていました。そして十月の七日の朝、大きな石を入れる時に、その石と一緒に、クラッシャーの中へ嵌(はま)りました。
 仲間の人たちは、助け出そうとしましたけれど、水の中へ溺(おぼ)れるように、石の下へ私の恋人は沈んで行きました。そして、石と恋人の体とは砕け合って、赤い細い石になって、ベルトの上へ落ちました。ベルトは粉砕筒(ふんさいとう)へ入って行きました。そこで鋼鉄の弾丸と一緒になって、細(こまか)く細く、はげしい音に呪(のろい)の声を叫びながら、砕かれました。そうして焼かれて、立派にセメントとなりました。
 骨も、肉も、魂も、粉々になりました。私の恋人の一切はセメントになってしまいました。残ったものはこの仕事着のボロ許(ばか)りです。私は恋人を入れる袋を縫っています。
 私の恋人はセメントになりました。私はその次の日、この手紙を書いて此樽の中へ、そうと仕舞い込みました。
 あなたは労働者ですか、あなたが労働者だったら、私を可哀相(かわいそう)だと思って、お返事下さい。