riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">いのちの山河</span>





岩手県の山奥、豪雪・多病・貧困という三重苦を抱えていた沢内村が全国で初めて高齢者と乳幼児の医療費無料化の偉業を達成する。深沢村長と村人たちの闘いがみどころ。 監督・大澤豊キャスト・長谷川初範 とよた真帆 加藤剛 大鶴義丹 宍戸開 永野典勝 若井なおみ 阿部百合子 小林綾子 夏原遼 山下洵一郎 浅利香津代 頼三四郎製作・「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」製作委員会




みなさん、学校でこの条文を暗記しませんでしたか。
憲法25条
1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2. 国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

生存権保障は、GHQ草案にはなかったが、社会政策学者出身の衆議院議員 森戸辰男による発案で、25条として盛り込んだ。

憲法には当時の世界の人々の理想が盛り込まれています。
それを不断の努力で保持、進歩させていかなければ民主主義は達成しません。主人公は国民です。

この実話の主役は満州からようやく帰国し(満州重工業東辺道開発会社勤務だった深澤さん、現地の中国人を使役していて人民裁判にかけられたので帰国しても夜中にうなされます。幸い中国人の証言により許されたのですが)父親からは医者になれと言われていたのですが血をみるのがダメだったのでそれは無理でした。
父親役はこういう映画には短いシーンでも出てくれている加藤剛、「郡上一揆」「日本の青空」でもお目にかかれました。

随分前にこの無医村の話は聞いていました。死んだ子を埋葬するためには遠くの医者に死亡確認してもらわなければならないのです。死んだ我が子を背負って朝まで医院の前で待っていると他にもそういう辛い親がいて…やっと医者に診てもらえる時には死んでいるなんて。

もっとも貧しいといわれていた村が日本で初めてに乳児死亡率ゼロを達成
“生命村長”と呼ばれた当時の深澤村長は「人間を尊重するということは、人間の生命と健康を尊重することにはじまる」という信念をもって、生存権を規定した憲法第25条の精神を盾に、この老人医療無料化のみならず乳児医療無料化にも踏み切り、全国初の乳児死亡率ゼロをも達成したのです。

初めは夜間高校の英語教師を頼まれ、次に教育長に、さらに助役をと頼まれた深澤さん、助役では決定が出来ないと村長になり、多くの有能な人材を使ってどんどん改革を進めていくのです。たとえ妨害されても。

病に倒れた深澤氏を豪雪の中村民が出迎えるシーンは涙です。

映画の終わりには深澤氏の写真と音声が出ます。
深澤晟雄まさお氏は、59才という若さで亡くなりました。
深澤氏についての詳しいサイト
過酷だけれど美しい自然の中で奔走する人々、これが民主主義です。

深澤さんは人間は平等、格差はいけないとわかりやすい言葉で村民を指導しました。家族に遠慮して自殺するお年寄りにも深い同情を抱き65才以上の医療無料化に踏み切りました。
この後、日本の革新自治体が見習いました。
この小さな村から始まったことなのです。
希望を捨ててはならないと思います。

今の憲法を押し付けという方はこういう実践をどう思うのでしょう、ご自分も憲法の恩恵を受けているのです。

クレジットには各地方の協賛した9条の会などの名称が出るのですが愛知県は三件と、お粗末でした。私も映画完成してから知った有様ですが。


記録映画の『いのちの作法』も続けて観るつもりがこちらは来週からでした。
この映画館は一日に何本も上映していてスケジュールが難しいです。