riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">長谷川正安さん、死去と映画「日本の青空」</span>





戦後憲法学を開拓された長谷川正安さんがお亡くなりになりました。
「」はasahi.comからの引用です。
「戦後憲法学を開拓した憲法学者で、護憲運動に長年携わってきた名古屋大学名誉教授の長谷川正安(はせがわ・まさやす)さんが13日、心不全で死去した。86歳だった。「お別れの会」は15日午後1時から名古屋市東区大幸2の1の28の葬儀会館ティア大幸で。喪主は長男憲(けん)さん。

 マルクス主義の立場から憲法研究の道に進み、憲法解釈だけでなく憲法史や外国法との比較など、業績は広範な領域に及ぶ。57年に著した岩波新書「日本の憲法」は77年と94年に全面改訂を重ね、ロングセラーとなった。他の著書に「昭和憲法史」「憲法運動論」など。

 名古屋大法学部教授、大阪経済法科大教授を歴任。89年から10年間、世界科学者連盟の副会長を務めた。 」

日本の青空
を観た時に先生のお話がありました。

憲法の勉強した時からお馴染みのお名前でした。
先生のご冥福をお祈りするとともに皆様にこの映画を知っていただきたいので再アップします。

 近所の大学祭で日本国憲法制定過程を描いた日本の青空を観た。昔、勉強したことが映像化されていた。ただ高橋和也の演じる鈴木安蔵治安維持法違反第1号で投獄されていたのは知らなかった。この法律はたとえば戦争が嫌だと心の中で思っても犯罪となる大変な悪法、この亡霊がよみがえってきているので憂慮している。

この映画の監督、大澤豊氏と憲法学者の長谷川正安先生のお話付き 
以前、監督の沖縄戦を描いた「GAMA-月桃を観たことがある。今回の映画は若い人に観てもらいたいのでドラマにしたと。月刊誌の派遣社員!が恋人(司法試験を受けようとする若者) と日本国憲法の原点を問う取材を通して鈴木安蔵を知る設定。

 鈴木は47歳まで職に付く(静岡大学教授)ことが出来なかった。1904年、福島県生まれ。京都帝大哲学科から経済学部に転部。民衆の立場に立つ憲法学を成立させる。

 妻(藤谷美紀)俊子はロシア語の翻訳家。「女が選挙権持っていたら戦争する人に投票しない」「戦争中は戦争反対なんて言えなかった」という俊子の言葉に安蔵が憲法草案に「男女平等」を入れた場面がある。子供が三人いて無職の、研究ひとすじの夫では大変な苦労されたでしょう。彼女の実家も開明的だったらしい。調べたい。

 長谷川先生も憲法は誰が作ったかはそんなに大事な事ではないと。イギリスは13世紀のマグナカルタから始まり、フランス革命他世界各地の民主化の闘いで生み出され結集したもの。特に日本は多大な戦争の被害を諸国民に与えてしまったのだから平和憲法なくしては許されなかった。特に日本は多大な戦争の被害を諸国民に与えてしまったのだから平和憲法なくしては許されなかった。

 明治の青年たちが外国からルソーなどの文献取り寄せ学習し各地で憲法草案が作られた。映画の中でも自由民権運動や五日市憲法植木枝盛などの憲法草案作成過程を子供たちがドラマ仕立てにしていた。それらの運動や草案は明治政府により抹殺され、国民には秘密のうちにドイツ憲法を手本とした君主権の強い大日本帝国憲法が作られてしまった。明治初期から日本は台湾や朝鮮への出兵、日清、日露、シベリア出兵、日中戦争、太平洋戦争と戦争にあけくれた。これでは豊かになれるはずもない。

 戦後日本が奇跡の復興とげたのも平和憲法あっての事。9条という歯止めなくしたら、子供たちの未来を奪ってよいのだろうか。

 鈴木安蔵だけでなく各政党や、
高野岩三郎(加藤剛)の共和制の憲法草案もあった。鈴木中心の憲法研究会の案が英訳されGHQ案に取り入れられた。
日本政府案はほとんど大日本帝国憲法と同じ内容だった。戦前の日本に住んでいたベアテさんは日本女性の惨めな境遇に心痛め男女平等を取り入れた。彼女はまだ不充分と涙浮かべて主張したが日本の保守階級は抵抗した。
押し付けられたと思ったのはそういう特権階級。あの当時新憲法を国民がどんなに歓迎したか。秘密のうちに作られた憲法を押し付けられた戦前と違い議会で審議、通過している。

 憲法前文の格調の高さをぜひ多くの人に読んでもらいたい。



 写真は「日本の青空」公式サイトより。
イ・ビョンホンの吹き替えでもお馴染みの高橋和也

数年前、憲法に男女平等を明記した24条等に尽力されたベアテさんを主人公にした演劇、ジェームス三木の「真珠の首飾り」を鑑賞したことがある。ベアテさんはその時、とても若かったのに日本の頭の古い連中を向こうにまわして大健闘してくださった。大変感謝している。演劇パンフレット、探さなければ。ベアテさんは今も凄くチャーミング!


転載元: 猫と薔薇、演劇、旅ファン