riboni5235’s diary

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<span itemprop="headline">戦争法案関連…集団的「自衛権」って、海外に自衛隊を出すってだけの話ではない!</span>

2015-08-27

戦争法案関連…集団的「自衛権」って、海外に自衛隊を出すってだけの話じゃねえか

集団的「自衛権」と聞かされると、なんか、素朴な感覚として、

それは「自衛の話」…と受け止めてしまいそうですが、

集団的自衛権というのは、「自衛権」と称しつつ軍隊を海外に出して

特定の国と一緒に武力行使する…という「外への攻撃(他国への攻撃)」がその実体でありまして

これは自衛の名の下に行われる「攻撃」に他なりません

(だからホントは「集団的自衛権」ではなく、「集団的攻撃権」と呼んだ方が、実体に近いんです)


とすると、集団的自衛権を行使する…というのは、

日本に攻めてきたわけでもない国と戦うために自衛隊を海外に出す…という話になるんですけど

そんなことが、なぜに「日本の安全」に繋がるというのか、ぼくにはさっぱりわかりません


この点、安倍たちの言い分は、集団的自衛権を用いて「敵を叩けば平和になる」というもんで

安倍はそれを「積極的平和主義」と詐称してるようですが、

これは「先制攻撃によって敵を殲滅すれば敵がいなくなって平和になる」というメチャクチャな理屈で

本来は、「積極的殲滅主義」(あるいは「積極的戦争主義」)と呼ばんとあきません


でも、確か、集団的自衛権っていうのは、

密接関係国がどこかの国や組織から「攻撃された場合」に発動されるもの…と

考える人がいるかも知れませんが、では、アメリカが中東に軍事介入した際に、

どこかの国や組織から攻撃を受けたら、それは、「アメリカが攻撃された」ってことになるんでしょうか

…って、そんなアホな話はありませんよね

(そやかて、先に他国の領土に軍隊を出してることが「先制攻撃」なんですから)


だから、アメリカを第一の密接関係国として想定する日本の集団的自衛権

どこまでいっても「アメリカの海外での軍事行動を日本が手伝う」という形で発動されるわけでして

そんなことがなんで「日本の自衛権」の話として出てくるのか、

およそ、ぼくの頭では理解不能です


…なんてことを日々考えてたら、ちょうどよい「識者の論考」が朝日新聞大阪版の夕刊に載ってまして、

その記事は全国版にも、朝日デジタルにも載らないもんだから、こらもったいない…ということで

全文転載で、みなさんにご紹介します

(寄稿) 中東から見る集団的自衛権の議論  日本の米国追随 誰も歓迎しない (朝日:2015.8.26)

内藤正典・同士社大大学院教授(専門は現代イスラム地域研究)

 中東から見ると、日本での集団的自衛権の議論には現実離れしているところと、日本の安全保障上のリスクを高める懸念とがある。現実離れというのはホルムズ海峡の機雷掃海の話である。政府が当初から引き合いに出していたホルムズ海峡は、中東産原油への依存度が高い日本にとっては生命線である。だが、現在、ホルムズ海峡に機雷が撒かれるという差し迫った危機はないし、世界中でその話をしているのは日本だけである。

 海峡周辺の国で米国にとって潜在的な敵国はイランだが、オバマ政権が主導してイランの核開発について合意に至ったことを考えれば、イランがホルムズ海峡のあるペルシャ湾を火の海にするはずがない。それどころか、核問題での合意でようやく経済制裁が解除され、石油の輸出ができるという時に、機雷を撒く話など当のイランにとっても馬鹿げた話である。

 日本の安全保障にとって危険だというのは、集団的自衛権行使の相手が米国だからである。イラク戦争を例にあげれば、今日の中東の大混乱に、あの戦争が関係していることは言うまでもない。イラクに戦争を仕掛ければ、国が簡単に分裂することは最初からわかっていた。北のクルド勢力は米国に協力して事実上の独立を達成しようとしていた。フセイン政権時代に抑圧されたシーアは、人口では最大だから政権に大きな影響力をもつことは明らかだった。半面、フセイン政権下で利権を独占していたスンニー派が、いわば天国から地獄に突き落とされることも容易に想像できた。

 実際、戦後にイラクは見事に分裂した。スンニー派の中から自称「イスラム国(IS)」という凶悪な集団が登場して、イラクとシリアを蝕んでいることは周知の通りである。「イスラム国」が台頭すると、米国は最大の脅威だとして有志連合による軍事介入に踏み切った。イラクだけでなく、米軍が軍事介入した国は、アフガニスタンにせよリビアにせよ、どれ一つとして介入の結果、安定と平和がもたらされてはいない

 米国は、イスラエルの望みを決して拒まないから、パレスチナの人々の権利は奪われたままである。ガザにいたってはイスラエルが攻撃するたびに膨大な市民の犠牲を出しているが、米国をバックにつけているため、国際社会は有効な手立てを講じられない。

 集団的自衛権は、隣家の味を火事を消しに行く話ではない。米軍が軍事行動に出ている出先で自衛隊が支援することになる。米軍が、現在もっとも積極的に軍事介入しているのは、中東・イスラム世界である。中東の人間もイスラム教徒も米国のすべてを嫌っているわけではない。だが、市民の命を奪う軍事介入に限って言えば、米国を支持する市民はいない

 世界のメディアは、集団的自衛権の内容はほとんど報じていない。日本が平和主義から転換することをもっぱら伝えている。中東・イスラム世界の市民は、日本が米国の軍事行動に追随することを誰も歓迎しないだろう。

この中東の専門家が言うように、日本の集団的自衛権の議論?は

まず、その想定が「現実離れして馬鹿げたもの」です

さらに、日本の集団的自衛権が中東・イスラム世界で常時軍事行動をしているアメリカを念頭に

発動することが予定されていることからすれば、

現在、中東・イスラム世界からアメリカに向けれれる(当然の)敵意が

戦争法案成立後の自衛隊の中東派兵によって、日本にも向けられる…ということになるでしょう

(→これは、日本の安全保障上のリスクを軽減するのではなく、高めることです)


とすると、結局、集団的自衛権を行使しないと日本の安全が保てない…と説明することそれ自体が

「現実離れして馬鹿げたもの」ということになるわけですので

そのような話には、付き合わないようにして下さいませ


…なんてことを書いても、

「平和」を唱えるだけでは平和は得られない、時には「軍事行動」も必要なのだ…と

考える人もいらっしゃるかも知れません

けど…

・アメリカが軍事行動をすればするほど、世界全体の安全は低下している…

・アメリカが軍事行動をすればするほど、アメリカ自身の安全保障上のリスクも増大してる…

・アフガン戦争において「アメリカとの集団的自衛権を発動したNATO諸国」の安全保障上のリスクも増大してる…

という動かし難い事実を見れば、

日本がアメリカと一緒に軍事行動をすればするほど、世界全体の安全はいっそう低下する…だろうし

日本がアメリカと一緒に軍事行動をすればするほど、日本自身の安全保障上のリスクも増大する…ことでしょう


だから、「集団的自衛権」なんてもんは、「使わないのが一番の安全保障」であり、

日本国憲法はそれをちゃんとわかって「憲法9条で集団的自衛権を禁じてる」わけですので

憲法違反という形式的理由においても、

平和に繋がらないどころか平和を壊してるという現実的かつ実質的理由においても

集団的自衛権なんてもんは、絶対に認めたらあきません

(日本が放棄したのは「戦争」(≒集団的自衛権)であって、「平和を放棄」したらあかんのです


転載元: mimiの日々是好日