riboni5235’s diary

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NHKスペシャル 「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」 2017年8月13日

 
 
昨日のNHK731部隊に関する番組を見てTwitterに書いたものをまとめます。
 
 戦時中に満州北部「平房」(ピンファン)で人体実験をした関東軍防疫給水部通称731部隊NHKで取り上げられた。部隊を率いた石井四郎が生物兵器開発や人体実験などを隠蔽するために徹底的な証拠隠滅を命じたので、戦後名簿を作って交流していたことは初めて知った。家族にも言えなかっただろう。
 石井四郎は京大医学部から、陸軍軍医学校に。後に「東郷部隊」(東郷は石井の偽名)という秘密部隊を結成。関東軍司令部に属していたが、東京の参謀本部と直にやりとりをし、国家予算をふんだんに使いながら研究を進めたそう。未来を嘱望された研究者をリクルートし、人を人と思わないような研究を実施。
 自分たちの暮らす土地に侵略してきた日本軍に対して抵抗する人々を「匪賊」と呼び、その人たちを捕まえては人体実験の道具「マルタ」として、人の命を助けるという医の倫理をかなぐり捨てた医学者たちが自分の研究成果のためにあり得ないような残酷な実験を繰り返した。マルタは全て殺された。
 マルタには囚人扱いされた「匪賊」のみならず、女性や子どももいたと言う。確かに死体ではなく、生体でなければリアリティのある「実験データ」が取れないだろう。「匪賊」憎しの世論がこのようなメチャクチャな人体実験の後押しになったとも。アメリカに研究成果を渡したために戦犯逃れをした幹部たち。
 勇猛果敢と言われたはずの関東軍は敗戦でいち早く日本に逃げ帰り、取り残された満蒙開拓団はじめ民間人は塗炭の苦しみを味わった。戦犯になるはずの石井四郎に代わり、ハバロフスクの公判で裁かれた1人の軍医は医の倫理に立ち返ったのか、責任の重さに押しつぶされたのか公判後に自死したという。
 731部隊出身者は戦後日本の医学界や製薬業界などで、731部隊で得た「研究成果」をテコにしてそれぞれが重鎮になった。ブログにもその一端が掲載されている。戦時には「人の命」がどれだけ軽くなるのかと思う。特に「敵」の命は。
 しかし、この731部隊出身者は「墓場の中まで持っていかなくてはならない」ような秘密を抱えたまま生涯に渡って気の晴れるようなことはなかったのではないかと思う。地位や名声があっても、自分の良心の声には敵わないだろう。今日語った証言者たちもずっと誰かに語りたかったはずだ。
 NHKの番組では国が進める大学での軍事研究に警鐘を鳴らしていた。一度軍事研究を始めてしまったら、予算が付くし、人員も増やせるしで、やりたかった研究が可能になる点で有能な研究者には喉から手が出るほどの環境だろう。でも、自分の研究が人殺しのために使われることは全力で拒絶するべきだ。
 戦争中に人体実験をしても、戦争犯罪として裁かれず、却ってその研究成果により出世してしまった人には悔悟する機会もなかったかもしれない。「上司の命令に従っただけ」というニュアンスの言葉は本当だろうけど、責任逃れでもある。知的エリートが「凡庸な悪」と化した場合はかなり悲劇的だ。
 高校時代に「平和ゼミナール」の活動で証言を聞かせてもらった陸軍登戸研究所化学兵器や謀略兵器を製造していた)の元研究員の人たちも、731部隊同様、敗戦後真っ先に資料の隠滅を図るよう上層部から命令が来たという。戦争犯罪に該当すると認識していながら研究開発していたことの証左だ。

転載元転載元: 情報収集中&放電中

 

映画「黒い太陽」「登戸研究所」や「悪魔の飽食」は出た頃に読みました。
知ってはいても辛くて。こんな暴虐の限りをつくした日本人は何を言われても、滅んでも仕方ないと罪の重さに…
京大で研究続けたくても拒否すると破門すると言われて、京大から731部隊に入った医師が多いのは石井のせいですね。

日本に帰国してから自殺した医師もいますが出世して大学教授になった人もいます。
膨大な研究費を餌に、今の原発でも同じです。