<span itemprop="headline">桜を恋う人 二つの祖国に生きて </span>

　先日ご紹介した渡辺一枝著「桜を恋う人　二つの祖国に生きて　」をようやく読了しました。

　外出ばかりしていで読めなかったんです。その気になれば名作ドキュメントなのですぐなのに。

　まず、よく聞く中国人の懐の深さ、ですね。、中国残留孤児！この名称もまやかし、自分の意思で残ったわけでない。国に捨てられたのに。全滅を玉砕、とか昔も今も日本の言葉のすり替えはお手のもの。

　１３歳以上の女の子だと｢残留婦人」とされ、長く手を差しのべなかった。

　デモこの孤児や女性を救ってくれた中国人には手を合わせたい。憎い敵の子供を育ててくれた！

　｢大地の子｣という名作ドラマがある。中国ではあまり知られていないそうだ。残念。あの知的で優しそうな中国人のお父さん役の俳優朱旭、大好きです。主演映画「變臉〈へんめん〉　この櫂に手をそえて(1996)｣涙、波でで観た。｢心の湯｣も勿論観ました。

　この本は椎名誠のファンの夫が勧めてくれた。渡辺さんは御夫婦。

　山形県の農家出身の岩間さんはわずか１４歳で満蒙開拓青少年義勇軍になるのを教師に勧められた。強要かもしれない。優秀で真面目な子供ほど国や大人に騙された。

　１９３２年日本が創った偽りの傀儡国家｢満州国｣に送り込まれた少年たち。満州国の防備と治安、集団開拓の補強の手段として。ソ満国境に送り出され、関東軍の弾除けに！満州に行けばすぐ土地持ちになれるというのも嘘。笑顔トラクターに乗って入る写真なども見せられその期にさせられた。見合い話より当然悪い。犯罪だ。

　８６０００人が満州に行き、２万人が死んだという。日本から満州へ行く旅がもう悲惨。蛆虫のうごめく飯、石ころや生米が混じる。腐っていたり。｢食べ物はいくらでもある、小使いも衣服も支給される｣と先生は言ったが皆ウソ。すぐ騙されたと悟るが逃げるわけにはいかなかった。家族の反対押し切ってきた。満州国についても同じ。幹部にピンはねされていた。空腹でフラフラ、ついに幹部に反乱起こす。

　１９４５年８月９日召集される。ソ連の戦車に飛び込んでばらばらになるのは２等兵。上等兵はそんなことはしない。

　敗戦後ソ連の捕虜としてシベリアで強制労働。｢人間の条件｣と同じだが理不尽なことに階級は生きていて将校クラスは働かず下のものを働かせる。

　岩間さんは１８歳未満というのが証明されて解放されたが日本まで送ってもらえたわけではない、中国人民解放軍にひろわれたのだ。食事と休養を貰ったのである。どこまでも無責任な日本政府である。その後オロチョン族の村の建設に貢献し指導者になり、日中友好の架け橋となった。



　勇気ある方だ。それに引き換え卑怯な日本政府だ。大体、満州、中国東北部には中国の人々が住んでいるのに｢満州へ、満州へ｣と国民をあおった。乗せられやすい国民も思慮が足らない。今でもそうだから問題になる。子供まで騙してろくに食料無しでこき使い負ければ放り出す。解放軍は散髪や入浴もさせて１ヵ月も休ませてくれた。大人の捕虜に対しても中国の人より良い食物をくれたのはよく聞く。続

転載元: 猫と薔薇、演劇、旅ファン