riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

何が私をこうさせたか 獄中日記 金子文子

 
を見てこの本を読みました。
 
 
イメージ 1
 
 
実の父や祖母(父の母)から受けた壮絶、残酷な虐待の数々に、読むのが辛い
それでも読みやすいので、何とか読了。
 
 
父には籍にも入れてもらえないから向学心に燃えていても通学も困難、
又学校では差別、いじめ。
 
父は自分の利益のために文子を文子の叔父と結婚させようとしたような男、
女性にもだらしない。
 
祖母は朝鮮人の生き血を吸うような仕事をしていた
 
母は男性なしにはいられないような性格…
 
文子はこのような環境の中でよく生きたと思います。
見事な生涯でした。もっと生きてほしかった。
 
美しい心も失わなかった。
 
本当に自死だったのか。
 
朴は生き延びました。
 
1923年9月1日関東大震災が起こった。
 
まもなく「朝鮮人が殺傷・略奪・放火したとか、井戸に毒を投げ入れたとか、
社会主義者朝鮮人が放火した」というデマが発生
 
1日の夜から軍隊・警察官・民衆による朝鮮人虐殺事件が起こった。
 
文子と夫の朴烈が逮捕された。
 
文子は大逆罪の冤罪で恋人の朴烈とともに逮捕され、皇太子、のちの昭和天皇の「聖恩」で終身刑になるも潔しとせず、自死した文子。
 
文子は事故を従順な臣民とする天皇制国家の策動に断固として抵抗、
渡された減刑状を破り捨てた。
 
知らない人が多い人物。
伊藤野枝や菅野スガより知名度が低いのは解せない。
 
 
 
 
「心ある読者は、この記録によって十分これを知ってくれるだろう。私はそれを信じる。
まもなく私はこの世から存在をかき消されるであろう。しかし一切の現象は現象としては滅しても永遠の実在の中に存続するものと私は思っている。
私は今平静な冷やかな、心でこの粗雑な記録の筆をおく。
私の愛するすべてのももの上に祝福あれ!」
 
朴は文学者で社会主義者秋田雨雀とも交流
 
秋田は朴のことを評して「仙人のような、それでいて熱情のある人だ。日本の青年たちよりよほど真面目で人間的だ」
 
文子は朴の力強い詩に強くひきつけられて同志となった。
 
映画は冒頭でこの場面を印象的に描いている。
映画もこの本も強くお勧めします。
 
 
追記
宅配してもらってるのに、読み逃していた週刊金曜日
「韓国で再評価 権力に徹底的に挑戦した金子文子
 
 
mimiさんに教えてもらいました。
映画ではほとんど出てこない虐待、自伝を読めば詳しくわかります、
あれほど書ける人、なかなかいないと思います、両親もひどい人間なのに。
自死したと思えません、日本の官憲に殺されたのでは。
 
文子は祖母からご飯も食べさせてもらえず寒い戸外に出されて、
朝鮮人女性からご飯をいただいた、
「この時ほど人間というものに感動したことはなかった。」
 
 
自殺を試みたが「世にはまだ愛すべきものが無数にある」と自死を思いとどまる。
 
父は母をすて、母の妹と関係を持つ
祖母は朝鮮人から搾り取る人であった