何が私をこうさせたか 獄中日記 金子文子
を見てこの本を読みました。
実の父や祖母(父の母)から受けた壮絶、残酷な虐待の数々に、読むのが辛い
それでも読みやすいので、何とか読了。
父には籍にも入れてもらえないから向学心に燃えていても通学も困難、
又学校では差別、いじめ。
父は自分の利益のために文子を文子の叔父と結婚させようとしたような男、
女性にもだらしない。
祖母は朝鮮人の生き血を吸うような仕事をしていた
母は男性なしにはいられないような性格…
文子はこのような環境の中でよく生きたと思います。
見事な生涯でした。もっと生きてほしかった。
美しい心も失わなかった。
本当に自死だったのか。
朴は生き延びました。
1923年9月1日関東大震災が起こった。
まもなく「朝鮮人が殺傷・略奪・放火したとか、井戸に毒を投げ入れたとか、
1日の夜から軍隊・警察官・民衆による朝鮮人虐殺事件が起こった。
文子と夫の朴烈が逮捕された。
文子は事故を従順な臣民とする天皇制国家の策動に断固として抵抗、
渡された減刑状を破り捨てた。
知らない人が多い人物。
「心ある読者は、この記録によって十分これを知ってくれるだろう。私はそれを信じる。
まもなく私はこの世から存在をかき消されるであろう。しかし一切の現象は現象としては滅しても永遠の実在の中に存続するものと私は思っている。
私は今平静な冷やかな、心でこの粗雑な記録の筆をおく。
私の愛するすべてのももの上に祝福あれ!」
秋田は朴のことを評して「仙人のような、それでいて熱情のある人だ。日本の青年たちよりよほど真面目で人間的だ」
文子は朴の力強い詩に強くひきつけられて同志となった。
映画は冒頭でこの場面を印象的に描いている。
映画もこの本も強くお勧めします。