riboni5235’s diary

英国庭園、ミュージカルファン、親子・ペアのアメショー3匹と暮らしています.バラ栽培アンティークも大好きです。よろしくお願いします!

<span itemprop="headline">顔見世玉三郎のおえんと喫茶店追記</span>


又師走の東華采館を観ることが出来ました。今回は食事してませんが。鴨川沿いで絵を描いたり撮影してる人もいました。
右は南座内部です。あの華やかな 八千代座の興奮を思い出します。


昨日放送されたのは夜の部最後の石橋(しゃっきょう)獅子の精  翫雀愛之助 この写真は筋書き?番付け(東西でプログラムの呼び方が違いますね)画像がよくないのですが。最後のシーンで雪が降っている状態。
この筋書きの高いことにびっくり。顔見世価格?2000円でちょっと後悔。友人につられて買ってしまいました。写真自体もあまりよくない。

石橋 唐の国、雪の降り積もる清涼山。

歌舞伎って幕が開いた時に舞台装置や役者、衣装が色鮮やかで引き込まれます。
歌舞伎なんて思ってる方でもこのスピーディ、パワフルな若手の舞踊には満足されるのではないでしょうか。気持ちよく劇場を後にすることができました。
清涼山には自然にできた石の橋があってその眼下は数千丈の深い谷。
文殊菩薩の使いの獅子の精が出て勇壮な獅子の狂い、毛振りを見せます。華やかな三味線に乗ってアクロバテックな立ち回りが加わって盛り上がります。最後に雪が降って来て舞台効果は満点です。

昨年は偶然愛之助さんが早朝劇場に入るところを目撃、入り待ちのお客さんににこやかに答えてました。仁左衛門丈に似ていてかっこいい。仁左衛門の長男孝太郎との映画Beautyうつくしいものではヨン様そっくりでした。
昨年は京都駅に降りたら小雪が待っていて寒かったこと。今年は暖かくて助かりました。

もう一本放送されたのが昼の部の恋飛脚大和往来封印切(ふういんきり)亀屋忠兵衛・藤十郎  傾城梅川・秀太郎  槌屋治右衛門・左團次  井筒屋おえん・玉三郎 丹波屋八右衛門・仁左衛門
玉三郎丈のおえんはもう顔見世配役、こういうのを御馳走というのでしょう。
初役。初めは見ないつもりが…もう出てくるだけで感激~姿の良さ、ぼそぼそ話してもはっきり聞こえ情のある女将さん。


「恋に夢中な男のうぬぼれとおかしみを柔らかな和事芸でみせる」芝居です。藤十郎丈の当たり役。昔はお父さん鴈治郎と映画に出ていました。
妹さんはご存じ勝新の奥さん中村玉緒さん。

おえんと忠兵衛の会話、横恋慕して忠兵衛の恋人梅川を身請けしようとする八右衛門とのやり取りが面白い。

女たちは勿論台所のネズミまでが「ちゅうちゅう」と忠兵衛を慕うという有名なせりふ。いつもは仁左衛門玉三郎はゴールデンカップルなのですがここでは八右衛門はちょっと意地悪で忠兵衛をからかうのでおえんは忠兵衛の肩を持つのです。

いくら挑発されても蔵屋敷で預かった公金の封印を切ってしまえば首は飛んでしまうのですが。

封建時代はなかなか自由恋愛が出来ない。商家に勤める商人は丁稚から努めて番頭になり結婚できるまでになるには随分年取ってしまうと聞きました。こういう郭で恋愛のマネ事としたらしいです。
梅川・忠兵衛は真の愛情で結ばれたといってもこんな恋人では悲劇ですね。秀太郎さんは可愛く見せようと演じてはだめだと。うつむいて、我慢している梅川のいじらしく可愛いこと。

  

ソワレのマッチ。
フランソア喫茶室主人立野留志子さんは鴨川沿いの柳のようにしなやかでおれない人だったという。


常連客の吉村公三郎三は彼女の才覚に舌を巻き、著書「京の路地裏」で「いつ出会っても優しいこの奥さんのどこにこの健気なシンの強さがあるのか」と書いている。
フランソア創業者の立野正一さんは、社会主義者で店に反ファシズム誌「土曜日」を置き治安維持法違反で1937年に検挙された。ほかのウェイトレスが次々店をやめる中、やめずに店を守った。
2年後に出所した正一さんと結婚した。

太宰治藤田嗣治も通った喫茶店。

仁左衛門の「お祭り」と助六は次回です。